SUMAU BAKERY BANK

2014.05.21
あんぱんを食べて

世界の広がりについて考えてみた

onkä@経堂

 

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フランボワーズあんぱん 170円

 

「onkä(オンカ)」とはアイヌ語で「発酵」という意味です。

ではなぜアイヌ語なのかというと、これといって特別な理由は無いんだそうです。

onkäのäはドイツ語やスウェーデン語で使われる見慣れないものです。

これにも特に大きな理由は無いそうです。

そんな風に、日々なにげなく食卓にあがってなにげなく食べているパンにも、

たいそうな言葉を含ませる必要はないのかもしれません。

言葉はなくても見た目は麗しい。食べてみるとおいしくてにやけてしまう。

毎日を支えるパンってそういうものだよね、とか妙に納得してしまうのでした。

パンを食べただけでにやけてしまうって、なんて幸せなんでしょう(話がずれている)

 

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手前: 黒豆のパン 110円 奥:くるみパン 240円

 

とはいえ、歩道からひょいっと一段上がっただけのショーケースに静かに並んでいるのは

よくよく考え手間暇かけられた商品ばかりです。

たとえば、黒豆のパン。

はー。こりゃどうすればこんないい具合に豆がおさまるのかね、と感心します。

片寄りなくおさまっていて、どこから食べても黒豆がある。

そしてこの黒豆がおいしいこと。

お正月は黒豆とお雑煮さえあれば満足という黒豆大好きな私が、僭越ながら太鼓判を押させて頂くおいしさです。

食べてみると、多めの打ち粉も味のうちなんだということがわかります。

 

もうひとつご紹介するのは、くるみパン。

これに使われているのは、熱湯でじっくりアク抜きをしたくるみだそうです。

エグミがないくるみは、素直にその味と食感が楽しめます。

ちょうど良い固さの皮が、ザックリしていて香ばしいのです。

サラダかスープと(両方でもいいですけど)このくるみパンで、大満足の1食になりそう。

 

くるみといえば、つぶあんぱんの上にくるみが乗っかっています。

そっちのくるみは、あんことのバランスをとるべく、エグミをそのままにしてあるそうです。

なるほどねー。

というわけで、後回しになってしまいましたが主役でした。最初に写真をあげているもうひとつのあんぱん。

フランボワーズあんぱん。割るとこんな。

 

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フランボワーズそのものとフランボワーズピュレを、白あんに混ぜ込んだものが包まれています。

おいしい。もう考えただけでおいしい。

いい香りとほのかな酸味。あと、上のストロベリーパウダーもたまに酸味を運んできます。

そして、これまた絶妙にふかふかなパンの生地。

あんこってのは、パンと合わさることで可能性が大きく広がるんだなと

どこに発表して良いのかわからない事実に気がついたのでした。

 

それでは最後に、次回につなげるキーワードを。

この写真の通り、onkäのステキな販売形態。

寒い季節には、よく飲食店のテラスにあるようなお客様防寒用のビニールがはられます。

潔くって(?)なんか好き。

 

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つきましては、これを「軒先系」と勝手に名付けさせて頂き、

次回は軒先系パン屋でお届けしようと考えております。

さあ。あなたなら、どのパン屋さんを選びますか?

 

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onkä(オンカ)

住所:東京都世田谷区桜1-66-5

電話:03-6318-7184

営業時間:9:30~18:00

定休日:月曜、第1第3火曜

http://onka.jp/

 

 

(写真&文・マツナガナオコ)

 

PROFILE  マツナガナオコ

佐賀県出身。2009年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。料理写真家のアシスタント時代にパン愛に目覚める。趣味は茶道。このところ語学にも精力的に取り組む(ヨーロッパにパンを食べに行くため)

>パン画像蒐集ついでのパン屋ガイドブログ

http://matyupanya.exblog.jp/

 

※ 掲載商品の価格は、消費税込みの価格です(2014年5月21日時点)。

 

 

 

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