SUMAU BAKERY BANK
寒い季節にこっくりおいしい
こだわりクロックムッシュ
【高輪台・九段下】
パンにハムとチーズ、ホワイトソースを挟んだり、のせたりして焼き上げたホットサンド「クロックムッシュ」。今回紹介するお店のそれは、それぞれ合わせるパンと具材も一家言あって、お腹も心も満足至極。アツアツ・トロトロ・カリカリキープでぜひどうぞ。
オリジナリティー溢れる本格派
ブーランジュリー セイジアサクラ @高輪台
セイジアサクラといえば、「チーズカレー」でしょうか。
具材がゴロゴロ入っているカレーと、チーズをまとめあげるパン生地の存在感がすばらしい逸品です。
それにいい色あいに焼けている香ばしいバゲットも、行ったら買わねばならんだろう。
という感じではありますが、ここはあえてクロックムッシュで行かせて頂きます。
ゴルゴンゾーラのクロックムッシュ(475円)。
使われているパンはアロマホップ食パンで、それにホワイトソースとゴルゴンゾーラチーズ。
ゴルゴンゾーラチーズは、味が強すぎずまろやかなエルボリナートという種類だそうで
確かに主張しすぎないのですが、たっぷりがっつり使われているため存在感も失わず。
中でチーズとホワイトソースとパンが溶け合って、トロッとなってるのと
外側の耳部分のカリカリが好対照。
大人さま向け、白ワインなどと一緒に楽しみたいパンでした。
加えて、ゴルゴンゾーラじゃないプレーンなクロックムッシュもありますし、
お昼時にズラリと並ぶ、他とはひと味違うお惣菜系のパンも壮観です。
その中から、もうちょっとご紹介したいところではありますが、
やはりシェフの力量がうかがわれるこのようなパンも、見て頂きたいではないですか。
きれいに整った美しいパンだなあ、と感心しました。
切られていない状態だと、2キロ弱だそうです。
パンド・カンパーニュには、ぶどうからおこした酵母が使われていて、
まろやかな酸味をもたせるようにしているとのこと。
目の詰まった中身も同じくまろやかで、皮に付いた粉もまろやかさを引き立てます。
で、良く焼けた底の苦みがまたいい塩梅なのですよ。
ゆっくり味わいたくなるパンでした。
続いて甘いパンも!
キャトル・フリュイ・セックは、レーズン、クランベリー、パイナップル、パパイヤ、オレンジピールが練り込まれていて、ほんのりスパイシーなパンです。
しっとりした生地で甘すぎず、紅茶と一緒に午後のおやつに良さそうでした。
そして、クリームパン。
なぜ柚子が香るのかというと、柚子の酵母が使われているからです。
ほのかに柚子が香る、ひと味違ったクリームパンです。
セイジアサクラさんでは、ぶどうと柚子、ビール種の3種類の自家製酵母が使われています。
酵母をおこせる果物はたくさんあるけれど、どうして柚子なんだろうかと質問してみたところ
シェフの朝倉さんのご出身地であるところの徳島県は、柚子が特産で
その徳島の木頭村(きとうそん)で柚子を作っているお知り合いの方から
仕入れているんだ、と教えて下さいました。
出身地で採れたものを使って酵母をおこすって、ステキですねー。
そう思うと、柚子の香りもまた格別なのでした。
ブーランジュリー セイジアサクラ
住所:東京都港区高輪2-6-20
電話:03-3446-4619
営業時間:9:00〜18:30
定休日: 木曜
使い勝手と居心地の良さもピカイチです
ファクトリー @九段下
お昼時ともなると、店内は近くのお勤め人でいっぱいになるファクトリーさん。
ランチタイムにはピタロールや、バゲット、ベーグル、フォカッチャなんかで作られた
8種類のサンドイッチが並ぶそうです。
他にもふっかりした生地の迫力のあるピザ、そして上の写真のクロックムッシュも。
クロックムッシュに使われているパンはカンパーニュで、
中に挟まっているのは、豚肉の燻製ハムだとのこと。
わりと目の詰まったカンパーニュで、ホワイトソースとまったり絡み合います。
そして外側はカリカリ、チーズのコクと合わせて
寒い季節にはぴったりなんではなかろうかと。
あとですね。なんかいい香りがするんだよねーと思っていたら、
上にナツメグとブラックペッパーがふりかけられているそうです。
なんてすてきなスパイス使い。食欲をそそります。
ファクトリーは店内にテーブル席もありまして
ランチタイムには、サンドイッチやタルティーヌのセットなどもそこで食べられるのですが
今回は持ち帰り用のランチボックスをご紹介いたします。
ファクトリーさんの自慢の品が一度に味わえる欲張りセットです!
木のプレートは撮影用です。念のため。
本来はこのような箱入りの状態で渡してくれます。
何から食べるか迷うところです。
しかしここはやはりサラダからでしょうか。カップの中に、葉っぱがぎゅうぎゅう詰まってます。
サンドイッチはいつもベーグルサンドで、挟まれる具材は日替わりだそうです。
この日は、トマトと豚肉とレタスがモリモリ挟んでありました。
丁寧に作られているのでしょう。
トマトやソースの汁気が垂れて食べにくいということもなく、大きいわりにかぶりつきやすい。
ベーグルの固さを、サンドイッチとして食べやすいようにしてあるのかもしれません。
野菜がたっぷり摂れて嬉しいわあ、と無心で完食間違いなしです。
そして、アクセントにちょっと甘めのピクルスをつまみましょう。
大きめで、生野菜とは食感の違う野菜も入れてくれているというのがニクイところです。
続いてキッシュはこのような感じ。
キッシュも日替わりで、この日はブロッコリーや豚肉が入っていたようでした。
他にもブラックオリーブ、ドライトマトやネギ、たぶんタマネギも入ってました。
具材をまとめる卵液の味わいもちょうど良く、外側の生地のサクサクがおいしかったですー。
これは男性も満足どころか、小食の女性だとデザートまでたどりつかないのでは!?
締めのデザートも、これまた日替わり。
クッキー的な焼き菓子だったのですが、中の生地が密ではなく
デザートにちょうど良いザックリ軽い食感でした。大満足。
というわけで、ランチのことを中心にお伝えしてきましたが
平日は朝8時からの営業で、朝食も提供されています(土曜は提供なし)。
ここで細かく説明すると他のことを書けなくなるので、平たくまとめると
パンと卵料理と飲み物と、グラノーラやらジャムやらヨーグルトやら
選べて楽しくて、しめて667円。コストパフォーマンスが良すぎる。
加えて、平日は夜10時までの営業です。夜はカフェの営業が主になるのかと思われます。
もちろん、お料理と一緒においしいパンは楽しめることでしょう。
カフェとしての側面を多くお伝えしましたが、
カンパーニュやバゲットなどのハード系のパンもしっかりと焼かれています。
最後に、スタッフの方がどなたも感じが良くてありがたいということと
メープルピーカンナッツのパンや、キャロットケーキもお勧めということを言い置いて
終わりにいたします。
来月は、ファクトリーさんからの「カフェ併設のパン屋さん」つながり
ということでお届けする予定です!
ファクトリー
住所:東京都千代田区九段南3-7-10
電話:03-5212-8375
営業時間:8:00~22:00、土曜のみ9:00〜18:00
定休日:日曜
(写真・文 マツナガナオコ)
PROFILE マツナガナオコ
佐賀県出身。2009年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。料理写真家のアシスタント時代にパ
ン愛に目覚める。趣味は茶道。最近は語学にも精力的に取り組む(ヨーロッパにパンを食べに行くため)
>パン画像蒐集ついでのパン屋ガイドブログ
※ 掲載商品の価格は、消費税抜きの価格です(2015年2月時点)。