©Roland Hagenberg
天才アーティストと日本の絆を解き明かす。
バスキア展 メイド・イン・ジャパン
20世紀のアートシーンは「バスキア」なしに語ることはできない。もちろん日本人にもその孤高の作品群を信奉するファンは多い。 しかしそのバスキアと日本の関係と言われると、ピンと来ない人の方が多いのではないだろうか。 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催される「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」は、日本で初めての大規模展であると同時に、この「日本とバス…
言葉で伝えられない心と存在をかたちに。
森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」
赤や黒の無数の糸の集合体が覆い尽くした部屋。その中に置かれ、行き場をなくしたかのような椅子やドレス。空中にまるで幻想のように浮かぶ船・・・。アートに興味のある人なら、どこかで目にしたことがあるかもしれない光景。作家の名は、塩田千春。ベルリンを拠点に、世界に活躍の場を広げる日本人美術家だ。 国際的な現代美術界で、彼女の名を知らぬものはいない。そんな塩田千春の現時点の集大成と…
ウィーン・ミュージアムの至宝が一堂に。
クリムト、シーレを生んだ都の文化。
オーストリアが日本と正式な外交をはじめて150年を迎えた今年、その首都ウィーンに注目が集まっている。150年前といえば1869年。この1800年代の後半から20世紀初頭にかけては、都市や暮らしの近代化にあわせて、ウィーンでもパリなどと同じように絵画や建築、工芸、デザイン、ファッションといった文化と芸術が開花。グスタフ・クリムトやエゴン・シーレなど、ウィーンを代表する画家が活動し…
私たちが知らないほんとうのムーミン。
原作者トーベのあたたかな心を感じる原画展。
「ムーミン」と聞いて、あなたはどんなイメージを持つだろうか? 「かわいい」「懐かしい」「愛らしい」・・・そう思ったとき、頭の中に浮かんでいる「ムーミン」像は人それぞれで違うかもしれない。絵本、漫画、いくつかのTVアニメ、そして今年4月から日本で放映がはじまったCGによる最新の映像まで。「ムーミン」のバージョンは日本だけでなく海外にもたくさん存在し、それぞれで少しずつ顔立ち…
そして彼は「ル・コルビュジエ」になった。
自身が設計した美術館で見るその原点。
ユネスコの世界文化遺産に登録されて3年、そして1959年6月に開館してから今年でちょうど60年を迎える東京・上野の国立西洋美術館。この機会にふさわしい展覧会が、いま美術館で開催されている。「ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリスムの時代」だ。 国立西…
ほとばしる想像力と画力がすごい。
アヴァンギャルドな江戸絵画に会いに行く!
『奇想の系譜』という書籍をご存じだろうか。美術史家の辻惟雄氏が1970年に著した日本の美術書。それまでまとまって書籍や展覧会で紹介されたことがなかった、自由で斬新な江戸絵画の知られざる潮流を明らかにしたものだった。 約半世紀前の当時はまだ江戸絵画史の傍流とされていた画家たち。意表をつく構図や色の強烈さ、その奇矯(エキセントリック)で幻想的(ファンタステ…
日本最大級のアートの見本市
「アートフェア東京2019」開催
今年で14回目を迎える「アートフェア東京2019」が、有楽町の東京国際フォーラムで開催されている(3月7日~10日)。今回のテーマは、「Art Life」。価値観が多様化した現在において、アートは未来を指し示す役割を担い得るという主題で幅広い企画を展開している。日本だけでなくアジア、南米、北米、ヨーロッパの29都市から国際的なギャラリー160軒が出展し、各ブースで趣向を凝らしたディレクションを楽し…
モフモフした猫や哀愁ただよう河童も!
葛飾北斎が描いたアニマルたち。
葛飾北斎、いわずと知れた浮世絵の大家。 北斎といえば、世界的に有名な「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」に代表される『冨嶽三十六景』をはじめ、風景を表現した絵がよく知られている。一方『北斎漫画』の中のスケッチの数々などでは、人物や動物の動きや表情を映した絵がたくさん描かれ、風景画にも実は多くの動物たちが登場しているのにお気づきだろうか。 北斎が描く、そん…