SUMAU BAKERY BANK
懐かしくも新しい
和素材パンは愛情が隠し味
【東新宿・立会川】
先月ご紹介したベーグル屋さんは、いずれも和素材の使いかたが印象的なお店でした。そんな和の心に刺激を受けてつなぐ今月のテーマは、和素材パン! 実直なパンづくりが光るふたつのお店は、きっと地元の皆さんの自慢に違いありません。
気取らず気負わず 毎日のごはんに
パン家のどん助 @ 東新宿
ちくわが見えますか?
「ちくわチーズ(172円)」という名前のパンです。
ちくわの中にチーズが隠れていて、パン粉をまぶして焼いてあります。
それがキャベツとマヨネーズソースと共にコッペパンに挟まれているという案配です。
独創的。
どん助さんのパンは、こんな風に目をひくものが多いです。
でもやっぱり、おいしいパン屋さんのコッペサンドの何が良いって、パンがおいしいこと。
だからちくわチーズも、土台のパンがパサパサとはほど遠いムッチリさんなのです。
そのパン生地のおいしさは、真ん中のネコの手型「ゴマあんぱん(129円)」でも変わりません。
なめらかで、コクがあるけど甘すぎない餡を包むパン生地にも、ゴマが練り込んであります。
生地は薄いけどしっかりとした存在感。
そして右側にどどんとひかえる「明太チーズもち(194円)」。
クリーミーな明太子と、ちょっと甘めの餅、シャキシャキのジャガイモ。
上でも溶けてるチーズは、実はパン生地の中にも仕込んであります。
女性が好きに違いない。でもきっとおじさまにもウケるに違いない。
なおかつ、一度食べるとまた食べたくなるに違いない。
広島焼きパンって……!!!と衝撃を受けました。
このそそる見た目。
隠れているのは焼きそば、キャベツ。ベーコンも見えますね。
かつお節と青のりもはずせません(広島焼きですからね!)。
それに自家製のパン粉と、見逃しようもないタマゴ。
ソースとマヨネーズがまた食欲を刺激します。若い男性にウケるに違いない。
その他ですね、「肉みそぎょうざ(205円)」という商品もあります。
餃子がデニッシュ生地の上に乗っていた!
店主の斉藤建太郞さんがよく行くラーメン屋さんの餃子がおいしいから
それを乗せると良さそうだ、ということで誕生したパンだそうです。
確かにおいしいんです。
そして、デニッシュの上っていうところが私は気に入っております。
あら。なにかちょっと変わったパンばっかりのお店なのかしら? と思われたら心外
と言うことで、このようなパンももちろん並んでおりますよ。
しっかりとしたデニッシュ生地に、スライスされた洋なしと、
中の方にはアーモンドクリームが隠れています。
上に見えるブルーチーズが大人の香りで、はちみつがまろやかに全体を整えております。
甘すぎないので、ワインのお供にもよさそうです。
クロワッサンハムチーズは、ふくよかな生地がハムとチーズによく合います。
上の胡椒も良いアクセントになっていて、安定のバランス。
見た感じはオシャレなクロワッサンなのですが、なんだかホッとする味わいなのです。
あと、どん助さんで特筆すべきは、やはりサンドイッチの豊富さでしょうか。
焼きそばパンやコロッケパンがあるかと思えば、鴨肉を使ったサンドイッチも並んでいるという。
サンドイッチだけで20種ほどあるそうです。
そして食パンのおいしさ!
取材に伺った日も、常連さんと思われるおばさまが食パンだけを買って行かれたりしていました。
どん助さんのパンの魅力は、店主・斉藤さんの魅力そのまま。
いい意味で肩の力の抜けた楽しくなるパンが、わらわらと並んでいる様子は
うむうむ、今日も良い日だ、と思わせてくれるのでした。
パン家のどん助
住所:東京都新宿区新宿7-13-3
電話:03-3203-6671
営業時間:7:30~18:30
定休日:日曜、月曜