SUMAU BAKERY BANK
世界の広がりについて考えてみた
onkä@経堂
フランボワーズあんぱん 170円
「onkä(オンカ)」とはアイヌ語で「発酵」という意味です。
ではなぜアイヌ語なのかというと、これといって特別な理由は無いんだそうです。
onkäのäはドイツ語やスウェーデン語で使われる見慣れないものです。
これにも特に大きな理由は無いそうです。
そんな風に、日々なにげなく食卓にあがってなにげなく食べているパンにも、
たいそうな言葉を含ませる必要はないのかもしれません。
言葉はなくても見た目は麗しい。食べてみるとおいしくてにやけてしまう。
毎日を支えるパンってそういうものだよね、とか妙に納得してしまうのでした。
パンを食べただけでにやけてしまうって、なんて幸せなんでしょう(話がずれている)
手前: 黒豆のパン 110円 奥:くるみパン 240円
とはいえ、歩道からひょいっと一段上がっただけのショーケースに静かに並んでいるのは
よくよく考え手間暇かけられた商品ばかりです。
たとえば、黒豆のパン。
はー。こりゃどうすればこんないい具合に豆がおさまるのかね、と感心します。
片寄りなくおさまっていて、どこから食べても黒豆がある。
そしてこの黒豆がおいしいこと。
お正月は黒豆とお雑煮さえあれば満足という黒豆大好きな私が、僭越ながら太鼓判を押させて頂くおいしさです。
食べてみると、多めの打ち粉も味のうちなんだということがわかります。
もうひとつご紹介するのは、くるみパン。
これに使われているのは、熱湯でじっくりアク抜きをしたくるみだそうです。
エグミがないくるみは、素直にその味と食感が楽しめます。
ちょうど良い固さの皮が、ザックリしていて香ばしいのです。
サラダかスープと(両方でもいいですけど)このくるみパンで、大満足の1食になりそう。
くるみといえば、つぶあんぱんの上にくるみが乗っかっています。
そっちのくるみは、あんことのバランスをとるべく、エグミをそのままにしてあるそうです。
なるほどねー。
というわけで、後回しになってしまいましたが主役でした。最初に写真をあげているもうひとつのあんぱん。
フランボワーズあんぱん。割るとこんな。
フランボワーズそのものとフランボワーズピュレを、白あんに混ぜ込んだものが包まれています。
おいしい。もう考えただけでおいしい。
いい香りとほのかな酸味。あと、上のストロベリーパウダーもたまに酸味を運んできます。
そして、これまた絶妙にふかふかなパンの生地。
あんこってのは、パンと合わさることで可能性が大きく広がるんだなと
どこに発表して良いのかわからない事実に気がついたのでした。
それでは最後に、次回につなげるキーワードを。
この写真の通り、onkäのステキな販売形態。
寒い季節には、よく飲食店のテラスにあるようなお客様防寒用のビニールがはられます。
潔くって(?)なんか好き。
つきましては、これを「軒先系」と勝手に名付けさせて頂き、
次回は軒先系パン屋でお届けしようと考えております。
さあ。あなたなら、どのパン屋さんを選びますか?
onkä(オンカ)
住所:東京都世田谷区桜1-66-5
電話:03-6318-7184
営業時間:9:30~18:00
定休日:月曜、第1第3火曜
(写真&文・マツナガナオコ)
PROFILE マツナガナオコ
佐賀県出身。2009年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。料理写真家のアシスタント時代にパン愛に目覚める。趣味は茶道。このところ語学にも精力的に取り組む(ヨーロッパにパンを食べに行くため)
>パン画像蒐集ついでのパン屋ガイドブログ
http://matyupanya.exblog.jp/
※ 掲載商品の価格は、消費税込みの価格です(2014年5月21日時点)。