SUMAU BAKERY BANK
創業128年もなんのその
ベーカリーカフェ 明治堂 @ 王子
王子には、明治堂さんがなくなってしまったら困る人がたくさんいるに違いない
と絶え間なくやってくるお客さんを見ていて思いました。
明治22年創業、まごうかたなき老舗です。
昔ながらの菓子パン惣菜パンはもちろんのこと
アイデアが光る商品や、自家製酵母を使ったパン、長時間発酵のパンなど
豊富で意欲的な品揃えがなんとも魅力的。
サンドイッチも食パンを使ったもの、ドッグパンを使ったもの
バーガーの形をしたもの、ベーグルサンドもありますよ。
その中からまずは「海老カツ」を。
ふっかりしたバンズにカリカリぷりぷりの海老カツが挟まれています。
下がレタス、たまごサラダとミニトマト、香ばしいソースも隠れています。
その他、同じ形のサンドでしたら定番「コロッケ(190円)」や
「春キャベツのメンチ(260円)」なんかも気になるところです。
「無農薬フリルレタスサンド」ですが、写真のものはハムとフリルレタスの組み合わせ。
その他に、ツナと合わせたもの(340円)とタマゴと合わせたもの(300円)もあります。
シャキシャキのフリルレタスがたっぷり。
使われているパンは十勝産小麦使用の「とかち(上食)」で、練乳が練り込まれているのでほんのり甘いです。
もう片方の茶色がかっているのが「とかち(胚芽)」で、その名の通り胚芽入り。
どちらも食パンとしても買うことができます。
サンドイッチの種類も豊富なら、チーズたっぷりのピザトーストが5種も並んでいたり
「パクチー、納豆のフォカッチャ(200円)」なるものも発見しました。
昼時はとっても混み合いますが、ぜひともじっくりゆっくり選んで頂きたい。
じっくりゆっくり眺めていたら黒いパンと目があったのでご紹介。
「イカスミチーズ」です。
「イカスミバタール(290円)」の生地を小さくして、チーズが包み込まれたパン。
少し温め直すと中のチーズがとろりとなって、
生地のサクサクとこんがり焼けたチーズのカリカリを良い具合にまとめます。
ビールのお供にもってこいです。
そしてレーズンたっぷりで軽やかな生地の「レーズンバタール」は
バターとの相性も抜群です。フレンチトーストにしても良さそうですねー。
その他、固めのパンだとベーコン入りのやドライフルーツ入りの
女子が大好きさつまいも入りのなんかも並んでいます。
選び甲斐がありすぎる。
カルピスが練り込んであるわけではないのですよ。
カルピスでおこした酵母が使われているんですって!カルピスで酵母って作れるんですね!
中に入っているレーズンもカルピスに浸してあるものだそうで
さっぱりした味わいで、軽めの生地とよく合います。
外側のグラノーラ部分も香ばしい。
これからの季節、朝ごはんに食べたくなる爽やかさでした。
最後に甘いヤツをひとつ。
お店に入ってすぐ、左側の棚が甘いパンコーナーで
果物の乗ったデニッシュがとっても華やかで目をひくんですよ。
でもあんこを。
土台は「ヨモギのピストーレ(110円)」というフワフワのパンです。
口に入れるときと後味に確かなヨモギ風味が。
特筆すべきはあんこのおいしさ。
近くの王子製餡所さんというところから、毎朝炊きたてのあんこが届くんだそうです。
そりゃ旨いはずだ!
そのあんこと、ホイップクリームとヨモギのパンを組み合わせたひと天才。
明治堂さんでは、社員さんらが新商品のアイデアを出されるそうです。
そしてカルピスのパンを開発されたという4代目社長も
創意工夫にあふれた方だとお見受けしました(ビートルズがお好きだそうです)。
ビートルズの写真に囲まれて階段を上がれば、2階にはカフェがありまして
1階で買ったパンを食べることもできますし、
オリジナルのセットメニューなどを楽しむこともできます。
老舗パン屋の枠にとらわれない、遊び心と創意工夫がすばらしいお店なのでした。
ベーカリーカフェ 明治堂
住所:東京都北区王子1-14-8
電話:03-3919-1917
営業時間:6:30~21:00(カフェ:9:00〜19:00)
日曜定休(カフェ:日曜、祝日定休)
(写真・文 マツナガナオコ)
PROFILE マツナガナオコ
佐賀県出身。2009年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。料理写真家のアシスタント時代にパ
ン愛に目覚める。趣味は茶道。最近は語学にも精力的に取り組む(ヨーロッパにパンを食べに行くため)
>パン画像蒐集ついでのパン屋ガイドブログ
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