SUMAU'S SCENE
動きの表現力や仕組みを体感
「動きのカガク展」
東京ミッドタウンのガーデン内に建つ21_21 DESIGN SIGHT。まるで地下秘密基地に潜入するような美術館です。自然光が差し込む静かな空間に、科学技術とデザインの結晶群が並びます。「動き」の原理や仕組みに触れることができる、体験型の企画展「動きのカガク展」に行ってきました。
好奇心と探究心が芽生える
テクノロジー×デザインの「動く」体験型展覧会
会場に入ってまず目に入る、傘の形をした布がひらひらと降下し、魔法使いが降り立つような錯覚を生む『そして、舞う』。
『リフレクション・イン・ザ・スカルプチャー』は、海月のように煌めく天使の羽毛を飛ばす鏡のシェード。
虹色の水たまりをはじいて遊ぶ『水玉であそぶ』は、子どもの頃の雨の日のウキウキした気分を思い出させてくれました。そういえば、いつから雨の日を憂鬱に思うようになってしまったのでしょう。
そんな子どもの頃のワクワクを思い起こさせてくれる遊びが沢山散りばめられた展示です。ビニール袋や傘や段ボールといった身近なモノで作られているからかもしれません。
展覧会をディレクションした菱川勢一氏の「図工室に遊びにきたように」鑑賞できるように企画しているというメッセージを読んでとても納得。
科学もアートも難しい、大人はそう思ってしまいがちですが、此処では純粋な好奇心と探究心しか必要ありません。
ノートに書いた文字を人工知能が読み取り、再構築してくれる装置や、回転する虫めがねを通して見るとコマ送りの映画のように形の変化が見えるオブジェ。
視覚、聴覚、触覚をつかって、体験する展示が並んでいます。
暗い部屋に走るミニチュア列車のヘッドライトを浴びて、浮かび上がるのは町並み。
待ち針の電柱やブックスタンドの橋、セロテープのトンネル。
「身近なものも見方を変えたら違うものに見える」。こうした発見を導いてくれます。