SUMAU'S SCENE
木のぬくもりを感じる
遊んで学べる東京おもちゃ美術館
懐かしさを感じる小学校校舎に一歩足を踏み入れると、そこはおもちゃの世界。おもちゃに触れて学べるワンダーランドが待ち受けています。木のぬくもりを感じながら、親子で楽しめる東京おもちゃ美術館を訪ねました。
都会のど真ん中の小学校を活用した
親子で学べて遊べる楽しい美術館
東京おもちゃ美術館、というのをご存じでしょうか。
1984年、東京・中野に開館された美術館ですが、2008年に四谷に移転。
戦前の1936年に建てられた新宿区立旧四谷第四小学校の校舎内11の教室を再活用した、親子で学べて遊べる楽しい美術館です。
鳥かごをイメージした杉の木のセンターハウスが特徴の「おもちゃのもり」には、日本各地の職人さんが作った木のおもちゃが勢ぞろい。
元音楽室の壁はそのままに、五線が引かれた黒板には2013年にグッド・トイ・林野庁長賞をW受賞した「どうぶつみき」が並んでいます。
お風呂に入るかのように体を沈めることができる「木の砂場」には、北海道北見市産の広葉樹で作られた球が2万個。
アール・デコ調の手すりが可愛い階段で3階に上がります。
木の床が年季を感じさせる廊下。
かつて児童たちが給食袋を提げていた金具に、下駄馬が掛けられていたり、消火栓の隣に同じ赤い色をしたボードゲームが並んでいたり、にぎやかな休み時間の笑い声が聞こえてきそうです。
懐かしいおもちゃに出会える
やさしさとぬくもりに包まれた空間
最初の教室は「ゲームの部屋」。
世界中のアナログゲームが大集合。テーブルサッカーやブリキのおもちゃは、その懐かしさに、大人の方が興奮してしまいそうな空間。
対戦型パズルゲームは大人も子どもも互角に頭を使うので、お子さんの思考力がメキメキ上昇しそうな予感。
そのお隣の教室は日本の伝統玩具の「おもちゃのまち あか」。
朱色の町並みに、面子や駒、だるま。おじいちゃんのスゴ技の発揮どころ。
小さなお茶室ではお茶会イベントも開催されるので、日本の文化に触れるきっかけになれる一室。
かつては女の子だった筆者がときめいたのは、「おもちゃのまち きいろ」。
畑や台所、お店やさんが並び、おままごとごっこができます。こちらの画期的な点は、野菜やキノコ、筍などを収穫するところからできること。
土に埋まっていたり、木になっていたり、野菜がどんな風になるのか知ることができます。
2歳以下の赤ちゃんが遊べる「木育広場」は、床に国産杉を使用しています。
厚さ3センチの杉板は水分を多く含み、温かく柔らかいので、赤ちゃんにピッタリ。お母さんも安心です。
ミュージアムショップには、国内の作家さんによる木のおもちゃがズラリ。贈り物に喜ばれそうですね。
築80年の校舎の面影を残しながら再利用した館内は、大人も懐かしみながら楽しめ、子どもたちは遊んで学べる、やさしさとぬくもりに包まれた空間です。
(写真・文/川野結李歌)
Profile:川野結李歌
横浜生まれ。大学卒業後(美術史専攻)、2013年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。雑誌を中心に、ポートレート、映画、アート、建築など幅広く撮影。趣味は海外旅行、スケッチ、愛犬との昼寝。
東京おもちゃ美術館
東京都新宿区の小学校校舎を活用し、おもちゃを通して人とのコミュニケーションを図ることができる美術館として2008年に開館。1936年に建てられた旧四谷第四小学校の11教室には、約5000点の玩具を展示。赤ちゃんからシニアまで楽しめるおもちゃが1万点以上あり、心癒される国産の木製玩具やデザイン性の高いヨーロッパのおもちゃを実際に手にとって遊ぶことができる。NPO法人日本グッド・トイ委員会が運営。
住所:東京都新宿区四谷4-20
電話:03-5367-9601
開館時間:10:00~16:00(入館15:30まで)
休館日:木曜日(2月と9月に特別休館日あり、要問合せ)
入館料:こども500円(6ヵ月~小学生)、おとな800円(中学生以上)、おとなこどもペア券1200円。団体割引15名以上は1名につき100円割引。平日パスポート:こども1800円(小学生以下)/6ヵ月、おとな2500円(中学生以上)/6ヵ月。新宿区民は200円引き(要住所確認)