SUMAU'S SCENE

2016.03.18

木のぬくもりを感じる
遊んで学べる東京おもちゃ美術館

懐かしさを感じる小学校校舎に一歩足を踏み入れると、そこはおもちゃの世界。おもちゃに触れて学べるワンダーランドが待ち受けています。木のぬくもりを感じながら、親子で楽しめる東京おもちゃ美術館を訪ねました。

 

小学校の旧校舎を利用した親子で学べて遊べる楽しい美術館。館内には世界中から集められたおもちゃが並び、実際にふれて遊べます。

小学校の旧校舎を利用した親子で学べて遊べる楽しい美術館。館内には世界中から集められたおもちゃが並び、実際にふれて遊べます。

 

都会のど真ん中の小学校を活用した

親子で学べて遊べる楽しい美術館

 

東京おもちゃ美術館、というのをご存じでしょうか。

 

1984年、東京・中野に開館された美術館ですが、2008年に四谷に移転。

 

戦前の1936年に建てられた新宿区立旧四谷第四小学校の校舎内11の教室を再活用した、親子で学べて遊べる楽しい美術館です。

 

元音楽室は、杉の木で作られた大きな秘密基地のよう。「おもちゃのもり」には、お風呂のように浸かれる「木の砂場」には2万個の木の球がビッシリ。

元音楽室は、杉の木で作られた大きな秘密基地のよう。「おもちゃのもり」には、お風呂のように浸かれる「木の砂場」には2万個の木の球がビッシリ。

 

鳥かごをイメージした杉の木のセンターハウスが特徴の「おもちゃのもり」には、日本各地の職人さんが作った木のおもちゃが勢ぞろい。

 

元音楽室の壁はそのままに、五線が引かれた黒板には2013年にグッド・トイ・林野庁長賞をW受賞した「どうぶつみき」が並んでいます。

 

お風呂に入るかのように体を沈めることができる「木の砂場」には、北海道北見市産の広葉樹で作られた球が2万個。

 

戦前にドイツ人がデザインした旧校舎は、柱や階段の細部にこだわりが見られます。旧校舎の面影を活かした展示。

戦前にドイツ人がデザインした旧校舎は、柱や階段の細部にこだわりが見られます。旧校舎の面影を活かした展示。

 

アール・デコ調の手すりが可愛い階段で3階に上がります。

 

木の床が年季を感じさせる廊下。

 

かつて児童たちが給食袋を提げていた金具に、下駄馬が掛けられていたり、消火栓の隣に同じ赤い色をしたボードゲームが並んでいたり、にぎやかな休み時間の笑い声が聞こえてきそうです。

 

ブリキのおもちゃやテーブルサッカーなど世界中のレトロなおもちゃが並ぶ「ゲームのへや」。

ブリキのおもちゃやテーブルサッカーなど世界中のレトロなおもちゃが並ぶ「ゲームのへや」。

 

懐かしいおもちゃに出会える

やさしさとぬくもりに包まれた空間

 

最初の教室は「ゲームの部屋」。

 

世界中のアナログゲームが大集合。テーブルサッカーやブリキのおもちゃは、その懐かしさに、大人の方が興奮してしまいそうな空間。

 

対戦型パズルゲームは大人も子どもも互角に頭を使うので、お子さんの思考力がメキメキ上昇しそうな予感。

 

朱色の町家のような「おもちゃのまち あか」には、日本の伝統玩具が集います。

朱色の町家のような「おもちゃのまち あか」には、日本の伝統玩具が集います。

 

そのお隣の教室は日本の伝統玩具の「おもちゃのまち あか」。

 

朱色の町並みに、面子や駒、だるま。おじいちゃんのスゴ技の発揮どころ。

 

小さなお茶室ではお茶会イベントも開催されるので、日本の文化に触れるきっかけになれる一室。

収穫から料理まで、おままごとも本格的。大根は土に埋まり、キノコは木に生えています。

収穫から料理まで、おままごとも本格的。大根は土に埋まり、キノコは木に生えています。

 

かつては女の子だった筆者がときめいたのは、「おもちゃのまち きいろ」。

 

畑や台所、お店やさんが並び、おままごとごっこができます。こちらの画期的な点は、野菜やキノコ、筍などを収穫するところからできること。

 

土に埋まっていたり、木になっていたり、野菜がどんな風になるのか知ることができます。

 

「赤ちゃん木育広場」は、0から2歳の赤ちゃんが木のぬくもりの中で遊べるやさしい空間。国産の杉材の広い床でハイハイしたり、ふしぎな形のトンネルで木の感触を味わえます。

「赤ちゃん木育広場」は、0から2歳の赤ちゃんが木のぬくもりの中で遊べるやさしい空間。国産の杉材の広い床でハイハイしたり、ふしぎな形のトンネルで木の感触を味わえます。

 

「ミュージアムショップ Apty」に並ぶ作家さんたちのおもちゃは、贈り物にも喜ばれそう。メイド・イン・ジャパンのセレクトショップです。

「ミュージアムショップ Apty」に並ぶ作家さんたちのおもちゃは、贈り物にも喜ばれそう。メイド・イン・ジャパンのセレクトショップです。

 

2歳以下の赤ちゃんが遊べる「木育広場」は、床に国産杉を使用しています。

 

厚さ3センチの杉板は水分を多く含み、温かく柔らかいので、赤ちゃんにピッタリ。お母さんも安心です。

 

ミュージアムショップには、国内の作家さんによる木のおもちゃがズラリ。贈り物に喜ばれそうですね。

 

築80年の校舎の面影を残しながら再利用した館内は、大人も懐かしみながら楽しめ、子どもたちは遊んで学べる、やさしさとぬくもりに包まれた空間です。

 

(写真・文/川野結李歌)

 

エントランスには「一口館長」の名前を刻んだ積木を並べたサポーターボードがお迎え。1万円以上の寄付をすると名前入り積木が永久展示されます。

エントランスには「一口館長」の名前を刻んだ積木を並べたサポーターボードがお迎え。1万円以上の寄付をすると名前入り積木が永久展示されます。

 

Profile:川野結李歌

横浜生まれ。大学卒業後(美術史専攻)、2013年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。雑誌を中心に、ポートレート、映画、アート、建築など幅広く撮影。趣味は海外旅行、スケッチ、愛犬との昼寝。

 

 

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東京おもちゃ美術館

東京都新宿区の小学校校舎を活用し、おもちゃを通して人とのコミュニケーションを図ることができる美術館として2008年に開館。1936年に建てられた旧四谷第四小学校の11教室には、約5000点の玩具を展示。赤ちゃんからシニアまで楽しめるおもちゃが1万点以上あり、心癒される国産の木製玩具やデザイン性の高いヨーロッパのおもちゃを実際に手にとって遊ぶことができる。NPO法人日本グッド・トイ委員会が運営。

住所:東京都新宿区四谷4-20

電話:03-5367-9601

開館時間:10:00~16:00(入館15:30まで)

休館日:木曜日(2月と9月に特別休館日あり、要問合せ)

入館料:こども500円(6ヵ月~小学生)、おとな800円(中学生以上)、おとなこどもペア券1200円。団体割引15名以上は1名につき100円割引。平日パスポート:こども1800円(小学生以下)/6ヵ月、おとな2500円(中学生以上)/6ヵ月。新宿区民は200円引き(要住所確認)

http://goodtoy.org/ttm/

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