SUMAU'S SCENE
まちとともにあるアート
「黄金町バザール」を見て歩く
秋の1日、横浜の「黄金町バザール」にいってきました。京急線「日ノ出町」駅から「黄金町」駅にかけての高架下を拠点に、「まちとともにあるアート」を掲げて、国内外の若手クリエイターがさまざまな展示をしています。アートマップを片手に、黄色い目印を探して町中を探検していくのは、とてもワクワクします。
まちに点在するスタジオで
国内外のアーティストの作品に出会う
さかもとゆりさんの“時”をテーマにした展示は、絵本の中のようなかわいらしい世界。
壁掛け時計とくねった数字が並んだ白い階段をあがっていくと、ぐにゃりと曲がったタイムトンネルに迷い込んだような錯覚に陥ります。
高架下のSite-Aギャラリーは、1980年代から90年代に幅広い表現活動をしながらも、43歳の若さで亡くなった宮前正樹さんを紹介する展示スペース。
故人となった宮前さんがレジデンス作家として「黄金町バザール2015」に参加するというコンセプトのもと、彼が意欲的に取り組んでいたワークショップを、交流のあったアーティストが独自の視点と解釈で「再」制作した作品が展示されています。
コラージュ(岩竹理恵さん)やテンペラ(メリノさん)など、古典技法を用いながらも、現代の若手アーティストならではの視点で取り組んでいる作品も新鮮。
「黄金町バザール」は、日本のみならず海外のアーティストも参加しています。
タイのアーノント・ノンヤオさんの作品は、光や音を発する装置とカメラを搭載した自転車に乗って、町を地域の人々と交流しながら廻った記録を、映像と地図で発表したもの。
インドネシア、ナターシャ・ガブリエラ・トンティさんの展示は、“怖いおとぎ話”をテーマにした、ポップだけど不気味な、おもちゃや洋服たちの仮想ショップ。
日本の“カワイイ”カルチャーへの傾倒を感じます。
アップテンポなサウンドと暗闇に光る映像がクラブのような展示は、韓国、キム・ウジンさん。日本のラジオ体操と韓国の国民体操に着眼し、新たに創作した体操をみんなで踊っています。