SUMAU'S SCENE
湯島天神・芝公園・池上梅園
春の訪れ、東京・梅さんぽ
暖かい晴れの日がつづく今日このごろ。春の訪れをさがして、東京の梅の名所をさんぽしました。美しく咲きほこる白梅、紅梅などを求めての名所めぐり。梅の香りに包まれながら、静かな庭園や公園でゆったりとした散策は、こころ休まる時間が楽しめます。
「湯島の白梅」で有名
梅まつり開催中・湯島天神
江戸時代から梅の名所として親しまれている湯島天満宮。
「湯島の白梅」で知られるように、300本の梅のうち8割が白加賀です。昭和33年から始まる梅まつりは今年で60回目。
ほかのお祭りでは見かけない、かるめ焼きや七味唐辛子など、職人技を感じる屋台に出会えるもの魅力。
梅まつりの時期の週末には、太鼓や日本舞踊などの伝統芸も披露され、例年40万人が訪れるそう。
東京タワーとコラボレーション
都心の梅の名所・芝公園
芝公園内の梅は、もともと新宿に生え、江戸時代には「銀世界」と称されていた梅林を、明治42年頃移植されたもの。
70本の紅梅・白梅と、東京タワーのコラボレーションはここでしか見られない絶景。
梅林のすぐ裏には、芝東照宮があります。
徳川家康公が生前に自ら命じて彫刻された等身大の寿像が御神体。
もともと増上寺の境内にあったものが、明治初期に神仏分離のために芝公園内に移されました。
丘陵一面に咲く約370本の梅
閑静な庭園・池上梅園
池上梅園は、日本画家の伊東深水の自宅兼アトリエがあった場所が、後の所有者に寄贈され、区の公園として整備された公園です。
白梅150本、紅梅220本、計370本の梅は、全部で約30種類。丘陵斜面一面に咲く景色は圧巻です。
敷地内にある二つの茶室のひとつ、聴雨庵は、政治家藤山愛一郎氏所有であったものが寄贈されました。
戦時中、東条内閣打倒の密議が、岡田啓介氏・米内光政氏・末次信正氏らで行われた歴史ある茶室です。
梅の見頃は3月上旬、今まさにベストシーズン。
古くから愛でられて梅。日本史に触れながら廻ると、さらに深みを感じます。可愛らしい花に出会うために、ぜひ梅さんぽに出かけてみては。
(写真・文/川野結李歌)
Profile:川野結李歌
横浜生まれ。大学卒業後(美術史専攻)、2013年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。雑誌を中心に、ポートレート、映画、アート、建築など幅広く撮影。趣味は海外旅行、スケッチ、愛犬との昼寝。
今回訪ねた梅の名所
湯島天満宮(湯島天神)
住所:東京都文京区湯島3-30-1
電話:03-3836-0753
http://www.yushimatenjin.or.jp/
芝公園
住所:東京都港区公園4-10-17
電話:03-3431-4359
https://www.tokyo-park.or.jp/special/ume/others.html
池上梅園
住所:東京都大田区池上2-2-13
電話:03-3753-1658
開園時間:9:00~16:30
http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/park/ikegamibaien.html