SUMAU'S SCENE
海沿いの新港ピアはアートが詰まった異空間
秋の風と青空が包み込む静かなひととき
バスに乗って、新港ピアへ移動。遠足みたいでとても楽しい。
倉庫のような建物にイザ突入。
白くて、広く整然とした四角い展示場の奥には、煙を吐く車、大竹伸朗の作品。
中は写真がビッシリ貼られて秘密基地のようになっていて、小さいころのワクワクした気分を想い出しました。
現代アートは、テーマ性が強く、意味があってこそなりたつものが多かったり、「巧い」とか「創造的」とは違うものを追求している作品が多い。
理解するためには、基礎知識が必要で、そんな理由から敬遠していたのだけれど、ひとつわかったことがありました。
広々とした空間に点在する作品の中を、自分の足で歩いてまわって、ひとつひとつ「これはなんだろう?」と考えながら時間をかけてまわることこそ、「アートを鑑賞する」真髄であるということ。
よくある、ズラッと並べられて、流れに沿って受動的に鑑賞していく展覧会とは、まったく違う見方。
こんなに広い会場でアートを鑑賞できて、じっくり時間をかけること自体がとても贅沢な気持ちになります。
港を見ながらおいしいケーキを食べて、オシャレでかわいいおみやげを物色し、「なんだかアート人っぽいわ、私!」なんて気持ちになれちゃうのが、このヨコハマトリエンナーレの醍醐味ではないでしょうか。
(写真・文/川野結李歌)
Profile:川野結李歌
横浜生まれ。大学卒業後(美術史専攻)、2013年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。雑誌を中心に、ポートレート、映画、アート、建築など幅広く撮影。趣味は海外旅行、スケッチ、愛犬との昼寝。
ヨコハマトリエンナーレ2014
2001年に「新たな文化創造」として始まった横浜トリエンナーレは今年で5回目。現代アートの最先端を提示し、アートを通して横浜のまちづくりや、日本の芸術文化の発展を目指す。今年は美術家・森村泰昌氏をアーティストディレクターに迎え、「華氏451の芸術:世界の中心に忘却の海がある」をテーマに、今までにない世界観を創り出している。
主会場:横浜美術館、新港ピア(新港ふ頭展示施設)
会期:2014年8月1日(金)~2014年11月3日(月・祝)
時間:10:00~18:00(入場は閉場の30分前まで)
休場日:第1・第3木曜日
入場料:(ヨコハマトリエンナーレ2014単体券)一般1800円、大学専門学校生1200円、高校生800円。(ヨコハマトリエンナーレ2014+創造界隈拠点連携プログラム)一般2400円、大学専門学校生1800円、高校生1400円 *各種割引についてはウェブサイトを参照
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.yokohamatriennale.jp/