SUMAU'S SCENE
黒部峡谷トロッコ電車で山間を抜けて
川沿いの秘境温泉へ
金沢から富山へ向かい、黒部峡谷トロッコ電車に乗車しました。
日本一深いV字峡谷での電源開発を目的に開通した電車は、終点欅平まで全長20.1キロ、片道1時間20分。
窓ありと窓なし、いずれかの車両を選べます。窓なし車両では、トロッコ電車のゆるやかな速度が爽やかな風と山のマイナスイオンを運んでくれます。
トンネルを通過する際には、迫る壁とひんやりとした空気に刺激され、まだ見ぬ景色への期待で胸が騒ぎます。
トンネルを抜けて目の前に広がる緑色の美しい黒部川を眺めていると、まるでスイスのアルプスにいるかのような錯覚を覚えます。
実際、新柳原発電所はヨーロッパの古城をイメージして建設されたそうです。
ひと駅目の「黒薙温泉」駅で下車し、山道を20分歩き、黒薙温泉に浸かりました。
階段の昇り降りでたっぷりかいた汗を、開放感抜群の川沿いの露天風呂で流す達成感はひとしお。
新幹線の開通で実現した、駆け足の日帰りトリップ。
秋には紅葉がとても綺麗だそうです。
みなさんも金沢・富山を駆け足で巡ってみませんか。
(写真・文/川野結李歌)
Profile:川野結李歌
横浜生まれ。大学卒業後(美術史専攻)、2013年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。雑誌を中心に、ポートレート、映画、アート、建築など幅広く撮影。趣味は海外旅行、スケッチ、愛犬との昼寝。