SUMAU'S SCENE
カリブ海に囲まれた要塞都市
1950年代のアメリカ車が走るハバナ
首都ハバナに向かいました。
旧市街と新市街にわかれていて、多彩な見どころが多いハバナ。
旧市街は、カリブ最強の砦と呼ばれた要塞に囲まれた湾岸都市で、17-18世紀のバロック様式、新古典主義、アメリカから伝わったモダニズム、さらにアール・デコとさまざまな時代の建築が並んでおり、ユネスコ世界遺産に登録されています。
新市街には文豪ヘミングウェイゆかりのポイントも多く残っています。
キューバ旅行にいくと話すと、「キューバって、アメリカと国交回復したとはいえ、社会主義の国でしょ?」と心配されることが多かったので、キューバの歴史について少し触れてみたいと思います。
キューバは1942年、コロンブスの第一次航海で「発見」された島。
当時、先住民が暮らしていましたが、スペインによる植民地化が進むとほとんどが絶滅したとされています。
スペインによる植民地化は砂糖産業、奴隷産業を盛んにし、キューバはスペインと中南米の中継地点として発展を遂げました。
1830年代からスペインの支配者が次第に抑圧的となり、キューバ国内の入植者の間では次第に独立の気運が高まりました。
キューバはアメリカの軍政を経て、独立を勝ち取りましたが、その後合衆国の介入を受けた政権が続きます。
1936年に実権をにぎったバティスタの独裁政治に反発してキューバ革命が勃発。1959年カストロやチェ・ゲバラら革命軍により、バティスタ政権が倒れました。
その後はアメリカと対立関係にあった旧ソ連の社会主義へと舵をきり、1961年に社会主義宣言をしたことで、アメリカによる経済制裁が続いたのです。
このような歴史から、キューバの町には、スペイン植民地時代の建築物や対海賊の要塞が多く残っています。
アメリカの経済制裁で、町を走るアメリカ車が1950年当時のまま、というノスタルジーさと、美しいカリブ海によるラテン気質な風土がミックスされて、とても魅力的なのです。
アメリカとの国交が正常化され、今後、町に走る1950年代もの車は、減ってしまうかもしれません。今のうちに訪れておきたい、素敵な国です。
(写真・文/川野結李歌)
Profile:川野結李歌
横浜生まれ。大学卒業後(美術史専攻)、2013年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。雑誌を中心に、ポートレート、映画、アート、建築など幅広く撮影。趣味は海外旅行、スケッチ、愛犬との昼寝。
キューバの魅力
1492年にキューバを発見したコロンブスが「地球上で最も美しい島」と感嘆したキューバ。アメリカ・フロリダの南に位置し、本島のほか1600あまりの小島や岩礁からなるカリブ海最大の島だ。「カリブ海の真珠」とも称されるエメラルドグリーンの海と明るい太陽、豊かな自然と多様な文化が織りなすラテンらしい空気は、旅行者を魅了してやまない。
見どころは世界遺産に登録されている首都ハバナの旧市街やトリニダーのカラフルな町並み。キューバ音楽なら聖地サンティアゴ・デ・キューバへ。海で思う存分遊ぶならバラデロ。そしてキューバ革命の英雄チェ・ゲバラの足跡を辿るならサンタ・クララへ。また、キューバといえばラム酒と葉巻。文豪アーネスト・ヘミングウェイがこよなく愛したラム酒片手に、葉巻をゆったりとくゆらせる夕暮れは、キューバならではの至福時間だ。
参考:DTACキューバ観光情報局
http://www.dtac.jp/cs_america/cuba/