SUMAUレストランクルーズ
和酒バルで、世界に羽ばたく
日本酒の今を知る!
【目黒】
大事な人たちと大切な時間を楽しむために訪れたいダイニング&バーまで。
お料理はもちろん、空間、雰囲気、おもてなしまでSUMAU読者の感度にフィットする
“とっておき”レストランへとナビゲートします。
text by Jun OKAMOTO
Photographs Takemi KATO
VOL.22 和酒バル KIRAZ@目黒
スペインタパスと一緒に味わう
ワイングラスの中の日本酒ワールド
お正月気分の抜けないこの時期は日本酒を飲むことも多い季節ではないでしょうか。
新年会などで飲む機会自体も増えますし、お鍋や、寒くなって脂がのった魚には、なぜか日本酒が飲みたくなります。そこでこの機会に、少し日本酒を見直してみませんか?
ここ10年で、日本酒の世界は180度変わったといえます。一番には、世界的に知られるお酒になったこと。パリ、NY、ロンドン、ミラノなどの国際都市で日本酒を扱うバーも増え、日本料理のブームとの相乗効果で、レストランで提供されることも多くなりました。
そんな日本酒を「もっと幅広く楽しんで欲しい」という思いから、5年前に誕生したのが和酒バル KIRAZ(キラズ)。日本酒居酒屋ではなく、和酒バルとして、スペインバルのメニューを中心に、日本酒との組み合わせを提案しています。
KIRAZの店主、馬宮加奈さんは、実は徳島の造り酒屋、三芳菊の娘さん。子供のころから日本酒に親しんできたものの、若いときはそれほど日本酒に興味がなかったといいます。
しかし、だんだんと進む日本酒離れが気になりはじめ、店をオープンさせました。日本酒がもっと幅広く楽しめることを知ってもらいたい、そんな思いが詰まっているのがKIRAZ。
店内のインテリアはかわいらしいワインカフェのような雰囲気。日本酒もワイングラスで提供するなど、ワイン文化に慣れた若い世代や外国の方にも親しみやすくなっています。
料理の一番人気は前菜の盛り合わせ。6~7種類の前菜が少しずつ一皿になっているので、つまみながら日本酒を飲むのにぴったり。日本酒は常時40~50種類。銘柄はその時々で入れ替わります。
「いろいろ飲みながら自分の好みの日本酒を見つけてください」と馬宮さん。
赤と白で全く味が違うワインほどには、味に大きなふり幅がない日本酒。ですが、ここ数年で今までになかったタイプの味わいのお酒も増えてきました。
その背景には、若い杜氏が増えていることもあります。造り手それぞれの個性が見えるようになってきて、新しい試みに対するチャレンジも行われています。
KIRAZでは、ワインのようにフルーティな日本酒をメインに、ニューウェイブの日本酒や通に愛される銘醸酒まで、今の日本酒を知ることができる幅広いタイプが味わえます。
今までとはちょっと違う感性で日本酒を楽しむ。そんな時代がすぐここまで来ています。