丸の内スペシャルSUMAUレストランクルーズ

2014.04.02

[丸の内スペシャル]
伝統と躍進が交差する
香港料理のエッセンスを丸の内で

この春、モリモトは、本社機能を千代田区丸の内ビルディングに移転。それにちなみ、4月の「SUMAU」では、丸の内にスポットをあてたスペシャルコンテンツを展開します。まずは、丸の内を代表するホテルのひとつ「東京ステーションホテル」の地下にある隠れ家のようなとっておきダイニングから。

 

華麗な野菜使いが際立つ名シェフの

本場香港が認めた広東料理

 

Vol.25 カントニーズ“燕”ケン タカセ@丸の内

 

地方ごとに異なる食文化が花開く中国。その中で最も洗練されているのが、美食の都・香港の広東料理です。中国各地の食文化のエッセンスを吸い上げているといわれる香港の料理は、伝統の上にエキサイティングな変化をはらんでいます。

 

東京に広東料理のレストランは数多くあります。けれど、リアルな香港の料理を出すことはほとんどありません。それは、早くから日本に根付いた広東料理が長い年月の間に日本人仕様になってしまっているから。現地のままの四川料理とか、北京の家庭料理とか、本格的な中国の地方料理が浸透している東京ですが、リアルな香港料理はこれからの可能性を感じさせます。

 

そんな香港の料理を追求する第一人者が、この店のシェフ高瀬健一さん。マンダリンオリエンタル東京のレストラン「センス」初代料理長として活躍し、ミシュランでは星を獲得しています。高瀬シェフは香港の料理を愛し、何度も現地を訪れて歴史や文化の研究を重ねてきました。その情熱のすべてがカントニーズ“燕”に集約されています。

 

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「香港スタイルの広東料理は、医食同源の考え方から野菜を上手に取り入れています」という高瀬さん。そこで燕では、幅広い広東料理の中でも野菜をコンセプトにしています。とくにランチにもディナーにもベジタリアンのコースがあるのが印象的。

 

中華料理というと、脂っぽかったり、肉を使ったりというイメージも少なくありません。でも実際には中国には伝統的にベジタリアンの文化があり、料理も発達していると聞けば納得です。

 

季節の野菜が華やかに並んだ前菜から始まる8,500円のコースは、随所に野菜料理を取り入れて、季節ごとに健康を調えるように組み立てられます。

 

香港料理でとくに大切というスープは、乾燥野菜や乾燥きのこをふんだんにつかった「佛跳牆(ファッチューチョン)という手の込んだスープ。燕のシグネチャーメニューでもあります。

本来は干アワビや貝柱、金華ハムなどを入れるそうですが、高瀬シェフは動物性のものを一切使わずに、水と少量の塩、材料のみでシンプルに器ごと蒸しあげています。乾燥きのこや野菜からじっくり引き出された旨みが重なり合ったスープは、体に染み通るような深みがあります。

 

香りも味わいも豊かでかつエレガントな燕の料理。紹興酒やビールもいいのですが、何よりもワインがよく合います。シェフもワイン好きとあって、テーブルにもシャンパーニュグラスがセットされているほど。

 

白いクロスがかかる優雅な空間で、充実したワインリストと一緒に美しい広東料理が楽しめます。

ここは、東京の玄関口として新旧の文化が集結する丸の内ならではの今をときめくレストランです。

 

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シェフセレクト季節の健康野菜の特製オードブル盛り合わせ

アボカドと豆板醤のソース、ゴボウ入りの甘味噌ソース、ウコンの甘酢漬けやハイビスカスの甘酢漬けなど、

それぞれに異なる味付けをした季節の野菜が満載。8,500円のコースより

 

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海老料理のコンビネーション

2種類の海老料理を一皿に。海老のマンゴーマヨネーズは、

フルーツの香りと甘みが海老の香りにぴったり。マヨネーズは卵の代わりに豆乳を使用。

高瀬シェフのオリジナルというVXO醤(ベジタブルXO醤)和えは、柔らかい醤の旨みが効いている。

8,500円のコースより。

 

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佛跳牆(ファッチューチョン)

器ごと蒸す「燉(ダン)」という調理方で3~4時間かけて蒸したスープ。素材のピュアな味わいが引き出されている。8,500円のコースより


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