SUMAUレストランクルーズ
スタイルにとらわれない
自由なワインと料理が楽しい
【下北沢】
実力派ビストロが続々進出し、都内でも注目の激戦区となりつつある街、下北沢。そのなかにあってレストラン級の料理はもちろん、こだわりのワインリストでも話題を集める一軒が「ルミエルネ」です。
魅力あふれる野菜料理とおいしいワイン
ディナーも深夜のワイン1杯もOK
Vol.37 ルミエルネ@下北沢
ソムリエの阿武(あんの)亮介さんとシェフの木原良尚さん。二人が開いたお店は、下北沢から少し歩いた住宅街の中にあります。一言で説明すると、「ビストロ・ワインバー」なのですが、
これがなかなか、いい意味でいろいろ意外性があって楽しいのです。
「ミッシェル・ブラス トーヤジャポン」などを経た木原さんの料理は、素材を丹念に重ね合せ、繊細に手をかけているのでとてもエレガント。白いクロスがかかったレストランの雰囲気があります。
お皿とカトラリー、お箸までがテーブルに供えられたカジュアルなスタイルで、まさかのこの料理。ワクワクしないわけにはいきません。
シグネチャーのひと皿は「30種類の温野菜 生ハムの香りをまとわせて」。
真っ白なお皿に、野菜がブーケのように美しくも盛られた料理がテーブルに届くと、
「わぁ」というサプライズ感があります。
中心には生ハムとバターの出汁で風味をつけた温野菜。そのまわりには、ひとつひとつ
異なる香りや味わいの8種類の付け合わせが散りばめられていました。
付け合わせを味わえば、鮮やかな酸味や甘み、スパイスの香りがパッと広がり、
口の中がリフレッシュされます。
ワインリストをひもとくと、こちらは自由で個性にあふれています。海外でも修業を積んだ阿武さんが世界中からセレクトした旬なワインがぎっしり。
白ワインや薄うま系の赤ワインが揃っているので、ゆるゆると飲みたいときにもいいし、
これからの季節にはまさにぴったり。でもよく見ると、濃い赤ワインもグランヴァンも紛れ込んでいて、いろんな好みの人に対応できそうです。
こうして見ると、まるで違う方向を向いている二人の世界。
ですが、二人の食の好みには共通項が多いのだといいます。だからでしょうか。ワインと料理はしっかり繋がっています。
ワインも料理もハイレベルでありながら、毎日でも食べて飲めるようなゆるやかなテイスト。フレンチだけにこだわらないからパスタやおつまみ系もあり。
そしてラストオーダーは深夜2時。
遅い時間のディナーにも2軒目、3軒目使いも便利です。
lumielune
ルミエルネ
住所:世田谷区北沢3-18-5 伊東ビル1F
電話:03-3465-0573
営業時間: 18:00~翌3:00(LO2:00)
定休日:不定休
席数:22席
メニュー:野菜料理300円~、シャルキュトリ3品盛り1,000円、前菜650円~、メインディッシュ1,800円~、パスタ1,100円~。
(取材&文・岡本ジュン 写真・加藤タケ美)
PROFILE 岡本ジュン
“おいしい料理とお酒には逆らわない”がモットーの食いしん坊ライター&編集者。出版社勤務を経てフリーに。「食べること」をテーマに、レストラン、レシピ、旅行などのジャンルで15年以上に渡って執筆。長年の修業(?)が役に立ち、胃袋と肝臓には自信あり。
※掲載価格は税抜き価格です(2015年4月現在)