SUMAUレストランクルーズ
お酒パラダイスのあの町で
下町居酒屋の新スタイルを楽しもう!
【立石】
このところ注目される下町居酒屋。老舗だけでなく、若いスタイルのお店も増えています。そんな一軒で、おでんと和洋ミックスのつまみをゆるふわに味わいながら、春のお燗酒を楽しんでみませんか。
Vol.48 二毛作@立石
日本酒もワインもどちらも充実
午後まだ明るいうちからオープン
葛飾区立石。駅前にアーケード付きの商店街があるこの街は、下町の居酒屋めぐりが楽しい人気エリアです。ひとつの町にぎっしりと飲み屋さんがひしめいて、ハシゴ酒が気軽に楽しめるところから「大人のテーマパーク」という人もいるくらい。
下町らしいもつ焼き屋さんや居酒屋、串揚げ、食堂、中華、そば、立ち食い鮨などなど。
数え上げればきりがないほどのお店は昼間からお酒が飲めるところも多く、昼酒の聖地としても知られています。
さてこの街で、ハシゴ酒の1軒目にも、腰を落ち着けてじっくり飲むにもおすすめなのが「二毛作」です。
ここは、下町居酒屋の気取らなさと今の時代らしい若々しい感性を持ち合わせた、下町居酒屋の新スタイルとでもいう感じでしょうか。
暖簾をくぐると、店内は変形のコの字カウンター。無垢の木のカウンターと椅子が和ませてくれます。カウンターの中には、この店の名物であるおでんの鍋がゆらゆらと湯気をあげています。
1年中食べられるおでんは、タネもできる限り自家製。鮮度のいい魚を使って作られた練り物は余計なものを加えないシンプルな美味しさ。じっくりと出汁で炊かれて、旨みをたっぷり吸い込んでから提供されます。
おでん以外にも刺身をはじめとする魚料理や「本日のポテサラ」などが定番。
このほか本日のおすすめの料理が充実していて、例えばグラタンやポークソテー、カプレーゼがあるかと思えば、卯の花やシュウマイがあったりと、和洋中取り混ぜた居酒屋メニューがにぎやかに並びます。
料理がいろいろあるように、お酒も種類は幅広く揃っています。中心となるのは純米燗
酒とナチュラルなワイン。
店主の日高寿博さんが選ぶお酒は実はかなりの選りすぐり。質のいい美味しいものを味わってもらいたいという気持ちがこもっています。
日本ワインのメーカーズディナーがここで行われることもあると聞けば、そのラインナップのセンスの良さも納得です。
また、海外からワインの造り手が遊びに来たり、日本酒の蔵元さんがさりげなく飲んでいたりすることも。都会にあるわけではないのに、わざわざ時間を割いて造り手たちがここへやってくるというのは、それだけ愛されている証拠です。
下町の気のおけない雰囲気と、攻めているお酒リストが他にはない魅力を持つ「二毛作」。
開店時間は14時と早いので、たまには午後まだ明るい時間からゆるりと飲み始めてもいいですね。
二毛作 にもうさく
住所: 東京都葛飾区立石1-14-4
電話:03-3694-2039
営業時間:14:00〜23:00 土曜12:00~21:00
定休日:日曜、第3月曜
席数:18席
メニュー:特上インドマグロ 中トロ1,500円、刺盛り1,500円(1人前)~、フライ450円、グリーンサラダ500円、ビール600円~、日本酒750円~、グラスワイン750円~、ボトルワイン4,500円~、サワー400円、カクテル650円
(取材&文・岡本ジュン 写真・加藤タケ美)
PROFILE 岡本ジュン
“おいしい料理とお酒には逆らわない”がモットーの食いしん坊ライター&編集者。出版社勤務を経てフリーに。「食べること」をテーマに、レストラン、レシピ、旅行などのジャンルで15年以上に渡って執筆。長年の修業(?)が役に立ち、胃袋と肝臓には自信あり。http://www.7q7.jp/
※掲載価格は税込価格です(2016年3月現在)