SUMAUレストランクルーズ

2014.09.24

和食をもっとカジュアルに、身近に
人気店が提案するゆるカジスタイル
【世田谷】

秋が深まってくると、食材は豊富になり、味わいは滋味深くなります。

すると不思議なことに食べたくなるのは和食ではないでしょうか。日本ならではの四季の移ろいを最も感じる料理だからかもしれません。敷居が高いイメージの和食ですが、

今回は気楽な居酒屋スタイルで本格コースが味わえる人気店をご紹介します。

 

 

居酒屋以上、懐石未満のスタイルに注目

国産がキーワードのお酒も充実

 

Vol.30  セキハナレ@世田谷

 

三軒茶屋にある「夕(せき)」は地元でも美味しい料理が評判の居酒屋です。「セキハナレ」はそのご主人川久保賢志さんが、2014年1月に出したもうひとつのお店。

 

メニューは本格的な日本料理のおまかせコースが中心ですが、基本は居酒屋。その気楽さが魅力となっています。

 

美しい器に盛られた料理は懐石料理といってもいいできばえですが、なぜ和食店ではなかったのでしょう。川久保さんに聞いてみると

「堅苦しいのが嫌いなんですよ」と笑いながら答えてくれました。料理とお酒をリラックスして楽しんで欲しいと言います。

 

おまかせコースにしたのは、その日の一番いい食材をすべて食べて欲しいと考えたからでした。仕入れた食材によって、料理人には今日はこれを食べて欲しいというものがあります。でも、単品料理が中心の「夕」では、そればかりを食べてもらうことは難しく、そこがジレンマになっていたといいます。

 

そこで「セキハナレ」では思い切ってコース中心にし、その日のいい食材をすべて食べてもらおうという作戦です。中心となるコースは食事や甘味までついた4,500円という食べ応えたっぷりのフルコース。もう少し軽くという時には、食事なしの3,500円のコースもあります。どちらも和食店に負けない高いクオリティで、居酒屋価格というのがうれしいところ。

 

2

 

セキハナレのお酒は、日本酒、日本ワイン、焼酎など、すべて国産でセレクトされています。

「数多くではなく、自分が知っている造り手のものを提供したいんです」という川久保さん。

 

気に入ったワイナリーや酒蔵は頻繁に訪れ、造り手との交流を大切にしているといいます。セキハナレで使っている野菜は、そんな繋がりの中で出会った山梨の農家から届きます。何が入っているかは毎回未知数ですが、その時いい野菜だけを選んでくれるそうで、早くも信頼関係がしっかりとできあがっています。

 

野菜にしても、お酒にしても、こうしてひとつひとつが繋がっている「セキハナレ」。

他には無いここだけの魅力は、そんなところにあるのかもしれません。

 

このところ、肩ひじ張らずにリラックスして食べられる和食店がポツポツと増えていますが、和食店と居酒屋の中間地点にある「セキハナレ」もまた、そんな時代の先を行く1軒といえます。

 

厚めに切った食べ応えのある刺身が豪快に盛り合わせに。 カツオのたたき、〆さば、イサキをたっぷりの薬味と一緒に味わう。 おすすめ単品料理のひとつ。

お刺身盛り合わせ(2人前)2,500円

厚めに切った食べ応えのある刺身が豪快に盛り合わせに。
カツオのたたき、〆さば、イサキをたっぷりの薬味と一緒に味わう。
おすすめ単品料理のひとつ。

 

鴨の治部煮  とろりとした衣がついた鴨と揚げなすが日本酒を誘う。4,500円のコースより。

鴨の治部煮 

とろりとした衣がついた鴨と揚げなすが日本酒を誘う。4,500円のコースより。

 

 

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