SUMAUレストランクルーズ

2012.07.11

疲れた体をスッキリと蘇らせる
野菜の生命力を宿した和食
【恵比寿】

誕生日や結婚記念日など、アニバーサリー・デーにお洒落して行きたいレストランから、大事な人たちと大切な時間を楽しむために訪れたいダイニングまで。お料理はもちろん、空間、雰囲気、おもてなしまでSUMAU読者の感度にフィットする“とっておき”レストランへとナビゲートします。

 

text  by  Jun OKAMOTO

photographs by Takemi KATO

 

 

見事なまでに研ぎ澄まされた

素材の持ち味が織りなすハーモニー

 

Vol.4 魚豆根菜 やまもと@恵比寿

 

清涼感のある紺の暖簾をくぐると、玉砂利を敷いたアプローチが続いています。その先には靴を脱いで上がるくぐり戸がひとつ。まるで端正なお茶室を訪ねた時のような凛とした気分を味わいながら戸を開けると、中はカウンターと小さなお座敷のみ。潔いまでにシンプルな空間と、意外なほど広い厨房から店主、山本哲さんの料理にかける意気込みが伝わってきます。

 

店名に掲げられている通り、主役は野菜、穀物、豆、魚。こと野菜は、いわゆる在来種や固定種といわれる日本に根付いた品種だけを、山本さんが自分の目で確かめた生産者から直接仕入れています。そのどれもが無骨な様子とはうらはらに、口に含むと香りや味わいの奥行きが広くしみじみ滋味を感じさせます。料理はどれもごく薄味ながら、素材の力でここまでしっかりと深い味わいになるものかと、口に運ぶごとに目を見張るばかり。厳選した日本酒や白ワインもそろっているので、ゆるゆると飲みながら料理を楽しむのもおすすめです。

 

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