SUMAUレストランクルーズ

2013.03.13

都内有数の名庭園を眺める
お花見レストラン
【麻布十番】

誕生日や結婚記念日など、アニバーサリー・デーにお洒落して行きたいレストランから、

大事な人たちと大切な時間を楽しむために訪れたいダイニング&バーまで。

お料理はもちろん、空間、雰囲気、おもてなしまでSUMAU読者の感度にフィットする

“とっておき”レストランへとナビゲートします。

 

text  by  Jun OKAMOTO

Photographs Takemi KATO

 

 

クラッシックなたたずまいが香る

歴史的建築の中で艶やかに食事を

 

麻布十番から鳥居坂を上がったところにある国際文化会館は、およそ1万㎡という敷地を持つ都内屈指の文化遺産。広大な緑の庭には広々と空が広がり、都心とは思えない開放的な風景に出会えます。ここにレストランSAKURAがあることは実はあまり知られていません。庭の桜を優雅に眺められるフロアは席の間隔がゆったりと取られ、優雅にお花見を楽しむには理想的。看板も出ていないのでまさに隠れ家といえます。見事な桜が咲くシーズンには、ランチのお花見弁当やディナーの夜桜会席も登場して、お花見モードを盛り上げてくれます。

 

国際文化会館がある敷地は江戸時代の多度津藩(現香川県丸亀市)の江戸屋敷跡。明治初期に井上馨候爵の所有となり、やがて三菱財閥の岩崎小彌太氏の邸宅となりました。そのときに高名な作庭家として知られる7代目小川治兵衛氏の手による日本庭園が造園されています。また、その名庭園と調和するように建てられたのが日本建築界の巨匠三氏による共同設計の旧館です。以来、風雅な庭園の趣とモダニズム建築が調和した異彩を放つ名所となっています。

 

 

この旧館の中にあるのがレストランSAKURA。白いクロスがかけられたテーブルが並ぶ空間はシンプルにまとめられ、大きな窓の外に広がる庭園の風景がアクセントになっています。訪れるたび新鮮な気持ちにさせてくれる季節ごとの庭園の風景はレストランの醍醐味のひとつです。季節の野菜をふんだんに使ったフランス料理は、和のテイストを少し取り入れた優しく軽やかな印象。とはいえ、確かなテクニックに裏打ちされたソースの完成度や丁寧な火入れにより、繊細な一皿に仕上げられています。

 

満開の桜と庭園を眺めるランチはもちろん、ライトアップされた夜桜が印象的なディナータイムはいっそう華やかな気分を引き立てます。日本屈指の名庭やモダニズム建築のエッセンスを感じながら、おいしい料理を味わい、春の訪れを感じる豊かな時間を過ごす。そう、ここは今の季節にぴったりな庭園レストランなのです。

 

 

 

 

 

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