SUMAUレストランクルーズ
華麗なる焼き鳥コースで
おいしいものをちょっとずつ
【中目黒】
大事な人たちと大切な時間を楽しむために訪れたいダイニング&バーまで。
お料理はもちろん、空間、雰囲気、おもてなしまでSUMAU読者の感度にフィットする
“とっておき”レストランへとナビゲートします。
text by Jun OKAMOTO
Photographs Takemi KATO
軽やかに食べられるから、女性に人気なのも
うなづける、今までにない焼鳥
Vol.18 中目黒 いぐち@中目黒
美味しいものが一口ずつ、延々と続くというのは至福の時間です。モダンスパニッシュや懐石料理というならいざ知らず、それが「焼鳥」というのが驚きでした。
井口勝広さんが作った「中目黒 いぐち」は、今までの「焼鳥屋さん」のイメージを大きく変えました。白木の清潔なカウンターが、クリーンな空気の中に浮かび上がり、まるでモダンなお鮨屋さんのよう。
炭火焼の焼き台はカウンターの目の前にありますが、強力な吸引力の換気扇によりいっさい煙があがりません。高級な焼鳥店でも、炭火や脂の焦げる香ばしい香りが漂いますが、ここは驚くほど空気が澄んでいます。
メニューはおまかせコースのみ。フォアグラのコロッケから始まり、レバーパテ、サラダや「カチョカヴァロチーズ焼き」など、「イタリアン? 」と見まがうお皿が次々と繰り出されます。
そこから、メインディッシュならぬ焼鳥に転じて、おまかせの串5品、さらに野菜や焼鳥の一口ピンチョスと続きます。
〆には、名物の「カルボナーラ」をア・ラ・カルトでオーダーするのがおすすめ。焼鳥なのに、パスタというのがまた
サプライズ!
メニュー数だけを見ると、こんなに食べられない……と思うかもしれませんが、実は女性にもぺろりと食べられてしまう
のが井口さんのマジック。
最後のカルボナーラまでたどり着けるようにと、全体の総量を考えて、ひとつひとつのポーションを算出しているのです。
イタリアンと融合したメニュー構成と美味しい焼き鳥という、今までありそうでなかった新境地。目で、舌で、その新鮮な楽しさをぜひ味わって。
おまかせ串5品
口直しの大根おろしの後に提供。左から、しっとり焼かれたレバー、
皮が香ばしい手羽、ねぎまのほか、ささみ焼きやつくねが付く。
ピンチョス
手前から、ぼんじり、砂肝、プチトマト、アスパラ。
一口でパクリと食べられるサイズが楽しい。コースでは10品続く。