SUMAUレストランクルーズ
食いしん坊を刺激する
肉好きシェフのレストラン
【八丁堀】
2015年も“肉食”ブームは継続中! そこで今回ご紹介するのは、お洒落ながっつり系肉ビストロ。ジャンルにこだわらない“おいしいとこどり”の肉メニューに加え、飲み物もワインから焼酎、ハイポールまで用意され、気取らずに本格派料理が楽しめる注目の隠れ家です。
フレンチもイタリアンもあり。
縦横無尽に料理の世界を行き来する
Vol.34 SHUNGOURMAND(シュングルマン)@八丁堀
見た目はモダンなビストロ風。でも、ドアを開けた瞬間から、“何か違うぞ”という
気配を漂わせているシュングルマン。メニューを開くとその答えがありました。
「冷蔵庫の中は肉だらけなんです」と苦笑いするのはオーナーシェフの小池俊一郎さん。
メニューはそんなシェフの「肉愛」が詰まった料理がズラリと揃っています。
豚、牛、鴨などの塊肉が切り株にゴロンと乗った「伝統のヤキニク祭りDX」を始め、
秋から冬にかけては、クラシックな調理法のジビエメニューが充実して、肉好きにとっては
まさにパラダイスです。
本格的なイタリアンとフレンチのシェフを経験した小池さんですが、ある時、
「ジャンルにこだわらず、お客さんが食べたいと思うもの、自分がやりたい料理など、
もっと自由に出したい」と思うようになったといいます。
だからメニューはフレンチやイタリアンのいいところをピックアップした構成。
ワインだけでなく、焼酎やハイボール、サワーなども用意されているのがユニークです。
他にも「〆のやきめし」、「肉屋のナポリタン」といった、食いしん坊心を刺激する
お愉しみなメニューが並んでいます。
こんな風に“なんでもあり”ではあるのですが、レストランとして筋が一本通っているのは、
選んでいるメニューがどちらかといえばクラシックで王道だから。
研ぎ澄まされた技法でしっかり仕上げた一皿一皿は、ゆるぎのないフレンチやイタリアンとして
成立しています。
たとえば、今回紹介している前菜。
冬が旬のカリフラワーは、焼くことで水分を50%飛ばし、濃密に凝縮させてから
クリーム状に。生ウニを乗せ、琥珀色の仔牛のコンソメジュレで閉じ込めた美しい前菜は、
オーソドックスな料理でありながらハッとするような調和を持っていました。
水と塩だけで作ったポトフは、味の濃い地野菜と数種類の肉の塊、自家製のサルシッチャが、
鍋の中でじっくりとそれぞれの味を交換しあい滋味豊かな味わいに仕上がっています。
シェフのパワーなのか、それともお客さんの「食べるぞ」という気合い(?)のようなものなのか、
レストランにはお店が持つエネルギーみたいなものがあると思います。それがビンビン響いてきて、いるだけでテンションが上がる。そんな魅力を感じさせるのがシュングルマンです。
SHUNGOURMAND
シュングルマン
住所:東京都中央区新川2-3-7 浪商ビル1F
電話:03-6222-8464
営業時間:11:45~14:00(LO13:30) 18:00~23:00(LO21:30) 土曜18:00~23:00(LO21:00)
定休日:日曜・祝日
席数:26席
メニュー:ランチは、大人のお子様ランチ(S)1,200円、(M)1,600円など。ディナーは「北海道 仔羊ロースのワラ蒸し焼き熟成 にんにくのソース」2,500円、「伝統のヤキニク祭りDX」8,000円(3~4人前)、「肉屋のナポリタン」1,000円、「〆のラーメン」時価など。グラスワイン600円~、角ハイボール 550円、日本酒1,000円~、焼酎550円~など。
(取材&文・岡本ジュン 写真・加藤タケ美)
PROFILE 岡本ジュン
出版社勤務を経てフリーに。レストラン、料理、旅行、ライフスタイル、健康などのジャンルで取材を中心に執筆。とくに飲食店、生産者、ワイン、日本酒など、食べ物に関する取材は15年以上に渡って数多く担当。おいしい料理とお酒には逆らわない。元利き酒師。
※掲載価格は税抜価格です(2015年1月現在)