SUMAUレストランクルーズ
フレンチとワインで欲張りに楽しむ
そば前の新しいカタチ
【 銀座】
じっくり旨みを凝縮した炭火焼とそば、
ワインが織りなすハーモニー
Vol.28 流石Le蔵(さすが るくら)@ 銀座
新そばの季節には一足早いけれど、暑さが続くとどうしても冷たいそばが恋しくなります。流石Le蔵の「ひやかけそば」は、よく冷えた出汁に、十割の細いそばが美しく泳ぐ夏らしいひと品。
細くともエッジがたったそばと香る出汁、小さな毬のような大根おろしには梅干しのピュレが忍ばせてあり、涼やかな夏の気配が漂います。
この素晴らしい「ひやかけ」をいただけるのが、たんなるそば屋ではないというところがまた粋です。流石Le蔵は、フレンチの料理人である石田和仁さんと銀座の流石が意気投合して開いた、フレンチの炭火焼きとそばの店。銀座のビルの中にある隠れ家です。
野菜を中心とした炭火焼とフレンチの前菜、そば屋のつまみの定番といえる玉子焼きや一品料理があり、流石のそば職人が毎日ここで打つ、打ち立てのそばを提供しています。
流石のそばはごく細い十割で、のどごしがとてもなめらか。自慢の出汁は冷たくしてこそ美味しさが際立ち、そばとのバランスも絶妙に考え抜かれています。石田シェフがてがける炭火焼は、炭火が素材のもち味を閉じ込め、凝縮しています。
そばがきとフォアグラを合わせるなど、フレンチとそばのいいとこ取りのメニューもここならではの魅力。ワイン、焼酎、日本酒、スピリッツまで、お好みで飲めるのも気楽でいい感じ。おすすめというシャンパーニュも揃っています。
キリリとしたそばは恋しいけれど、そばだけ、日本酒だけではもの足りない、ワインもフレンチも同時に味わいたい。ここはそんなわがままに答えてくれる欲張りなレストラン。
ワイン好きにはなぜかそば好きが多いので、そばとフレンチの関係は思ったよりも親密なのかもしれません。
流石Le蔵
住所:東京都中央区銀座8-7-7 JUNOビル6F
電話:03-6228-5586
営業時間:17:30~翌2:00(炭火焼LO24:00)
定休日:日曜・祝日
席数:22席
メニュー:コース7,300円~。出し巻き玉子1,000円、にしん旨煮1,500円、砂肝とじゃがいものコンフィー1,500円、シャラン産鴨の胸肉の炭火焼き2,000円など。シャンパーニュ(グラス)1,300円~、グラスワイン1,000円~、日本酒1,100円~。
カード:可
HP:http://ginza-sasuga.jp/lekura
(取材&文・岡本ジュン 写真・加藤タケ美)
PROFILE 岡本ジュン
フリーランスエディター・ライター。レストラン、旅行、ライフスタイルなどの取材を中心に執筆。とくに飲食店、生産者、ワイン、日本酒など、食べ物に関する取材は15年以上に渡って数多く担当。モットーは“おいしい料理とお酒には逆らわない”。
http://www.7q7.jp
※掲載価格は消費税別の価格です。(2014年7月30日現在)。