Season's Home Deli

2013.03.06

スープと魚介を別盛りにして食す
本場マルセイユ流ブイヤベース

食卓に並ぶ手作り料理は、みんなの笑顔のミナモト。そんなハッピーを呼ぶ口福レシピを提案してくれるのは、地中海料理をメインとして、世界各国の料理に精通する久須美光子さん。季節のイベントやシーンにぴったりの、スタイリッシュ&オリジナリティ溢れるレシピで、カラダと心においしいエナジーチャージを!

 

Text by Mitsuko KUSUMI

Photographs by Naoko MATSUNAGA

 

 

3月のRECIPE :

マルセイユ風ブイヤベース

 

3月に入り、長く寒い冬から春の訪れを感じる日が多くなりましたね。

寒暖の差が激しいと体調を崩しやすくなりますが、皆さんはいかがお過ごしですか?

 

今月は、美味しさをあますことなくスープにした海の幸の贅沢ブイヤベースをご紹介したいと思います。

あさりが旬を迎え始め、白身魚なども美味しいこのシーズン、海からの栄養をたっぷりといただいて、元気に明るく過ごしましょう!!

 

今回ご紹介するブイヤベースは、南仏で一般的な、スープと具材を別々にサーブするもの。

 

具だくさんの魚介入りスープではなく、写真のように具なしのスープに軽く焼いた薄いバケット、ルイユと呼ばれるにんにく入りのマヨネーズ、細切りのチーズを用意するスタイルです。

 

まずバケットにルイユを塗り、チーズをのせてスープに浮かべていただき、そして次に別のお皿で運ばれてきた魚介類をスープに入れて食べます。

 

私は残念ながら本場のマルセイユには行ったことがないのですが、南仏を旅していたときにこのスタイルのブイヤベースをニースの旧市街近くで食べたことがあります。

 

ルイユを塗ったバケットにチーズをのせ、ひたしながらいただくスープは驚くほど美味しく、にんにくの香りのするルイユに食欲が刺激されてワインが思いのほかすすんでしまい、そのあとに出てきた山盛りの魚介類が食べきれなかったのをよく覚えています(笑)

 

また、マルセイユには、「ブイヤベース憲章」なるものがあり、使用するお魚の種類が細かく定められたルールがあるようですが、今回は手に入りやすい旬の魚介類を使ってカジュアルに作れるレシピにしました。

 

カジュアルといっても、裏ごしというひと手間はかかりますが、とても良いスープができますので、ぜひお試しになってみてくださいね!

 

 

材料(4人分)

<スープ>

骨付き魚のぶつ切り(鯛、金目鯛、ほうぼう、メバルなど2,3種類)…500g

あさり……………………………………………………………………………12個(約200g)

殻つき芝エビ……………………………………………………………………130g

ボイルベビーホタテ……………………………………………………………100g

玉ねぎ……………………………………………………………………………1/2個(約120g。繊維を断つように薄切り)

長ネギ……………………………………………………………………………20㎝(約80g。薄切り)

にんじん…………………………………………………………………………1/2本80g(薄切り)

セロリ茎…………………………………………………………………………15㎝(約60g。1㎝厚に小口切り)

にんにく…………………………………………………………………………大1片(約12g。薄切り)

水…………………………………………………………………………………4カップ

ブイヨン…………………………………………………………………………1カップ

白ワイン(辛口)………………………………………………………………1カップ

トマトペースト…………………………………………………………………大さじ3

サフラン…………………………………………………………………………小さじ1/3

塩…………………………………………………………………………………適宜

オリーブオイル…………………………………………………………………適宜

 

<別添えの魚介類>

有頭エビ……………………………………………………………8尾(殻つきのまま背ワタをとり、尻尾から頭へ竹串を通す)

イカ…………………………………………………………………1ぱい(胴は8㎜厚の輪切り、足は2,3本ずつに切り分ける)

魚の切り身(鯛、かじきなど)…………………………………8切れ(皮はひく)

ムール貝……………………………………………………………12個

あさり………………………………………………………………12個

白ワイン……………………………………………………………70㏄

 

〈ルイユ〉 *作りやすい量

じゃがいも ………………………………………………………60g(電子レンジで蒸してつぶす=約大さじ2)

エクストラバージンオリーブオイル……………………………1/2カップ

卵黄…………………………………………………………………2個

にんにくすりおろし………………………………………………小さじ1/3

カイエンヌペッパー………………………………………………少々

サフラン……………………………………………………………少々

塩・こしょう………………………………………………………適宜

 

〈仕上げ用〉

ルイユ………………………………………………………………適宜

とろけるタイプの細切りチーズ…………………………………適宜

パケット……………………………………………………………適宜

 

作り方

〈スープ〉

1.深い鍋にオリーブオイルを入れ、骨付き魚、あさり、殻つき芝エビ、ボイルベビーホタテを加えて、よく炒める。あとで裏ごしするため、身崩れは気にせず、水分が出てくるまで、しっかり炒めること。

2.炒めた魚介類を鍋の端に寄せ、空いたスペースにトマトペーストを入れてペーストだけを炒め、酸を飛ばす。

3.2にサフランを加え、さらに1分くらい炒める。

4.3に白ワインを加え、全体をかき混ぜてから3分ほど煮る。

5.4に玉ねぎ、長ネギ、にんじん、セロリ、にんにく、水、ブイヨンを加えて強火にかけ、沸騰したら弱火にして1時間ほど煮る。

6.シノワまたはザルとボウルを用意し、木べらを使って、5を漉す。

7.きれいに洗った深鍋にスープを戻して弱火にかけ、塩分を調整して仕上げる。

 

<魚介類>

1.フタ付きの浅い鍋にエビ、イカ、ムール貝、あさりと白ワインを入れて火を付け、貝の口が開き、エビとイカの色が変わるまで蒸す。

2.1の蒸し汁は、スープに加える。

3.切り身魚は、グリルまたはフライパンで両面を焼く。

 

<ルイユ>

1.ボウルに卵黄を入れて攪拌、さらにオリーブオイルを徐々に加えて、分離しないようマヨネーズ状にする。

2.にんにく、じゃがいもを加えよく混ぜる。

3.カイエンヌペッパー、サフランを加え、塩、こしょうで調味する。

 

<仕上げ>

1.スープと魚介は別々の皿に盛り付ける。

2.軽く焼いたバケットにルイユを塗り、チーズをのせて、スープに浮かべる。

 

POINT

*ワイン蒸しした甲殻類、貝と、グリルした魚は一度スープに戻し、さっと煮てから食べてもOK。うまみがスープに移り、美味しいです。

 

*にんにく入りの自家製マヨネーズ、ルイユは、スープを煮ている時間に作れます。このマヨネーズは、ブロッコリーやアスパラガス、蒸したじゃがいもなどの温野菜につけてもよいし、スプレッドとしてパンに塗ってハムなどをはさみ、サンドイッチにするのもおすすめです。

 

*ルイユとチーズはバケットにのせなくても、食べるときにスープにいれて溶かし、お好みの味にしながらいただくのもアリです。自由なスタイルで美味しさを楽しんで!

 

*ルイユで使うカイエンヌペッパーは、唐辛子の一種。強い辛味があります。

 

次に、この時期とても美味しくなるいちごのレシピを2つご紹介しましょう。

 

 

 

 

 

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