Season's Home Deli
ハーブが効いたポルトガル料理で
食欲のない季節を元気に乗り切る
暑さと湿気で食欲減退気味のこの時期は、さっぱりした味つけのものがぴったり。そこで今月は、素材の持ち味を生かしたシンプルで素朴な味わいが特徴のポルトガル料理をご紹介。ハーブやスパイスを使えば味に奥行きがでて、新鮮な味わいを楽しめます。
6月のRECIPE : ハーブが薫る爽やかポルトガル料理
湿度の多い蒸し暑い日が増えてきましたが、皆さまいかがお過ごしですか?
今月は、梅雨の前後の蒸し暑い時を爽やかに、そして元気に過ごせるお料理を
ポルトガル料理の中から選んでみました。
ポルトガル料理は魚介も多いですが、お肉もよく登場します。
今回は、メインに豚ロースのローストをご紹介しようと思います。
そのまま焼いただけでは脂っこくなりがちな豚ロースですが、
たっぷりのフレッシュコリアンダーとレモンソースですっきりと仕上げてみました。
コリアンダーはペーストにしてオーブンでじっくりと火を入れることで
独特の香りがやわらぎ、絶妙な旨味になります。
コリアンダーが苦手な方でも美味しく召し上がっていただけますよ。
さらにレモンの皮のたくさん入ったソースをからめると、清涼感が口の中に広がって
爽やかな風味を楽しんでいただけると思います。
ビールやシャンパン、白ワインにもよく合うメニューです。
是非お試しになってくださいね!
豚肉のロースト クミン&コリアンダー風味 レモンソース
材料(4人分)
豚ロース(ステーキ用)………………………4枚
(すじを切って、全体をたたき、両面に軽く塩・こしょうをする)
オリーブオイル…………………………………少々
<飾り用>
ラディッシュ、レモン…………………………適宜
<ペースト>
コリアンダーの葉………………………………粗みじん切りで150cc分
レモン汁…………………………………………大さじ1 1/2
クミンパウダー…………………………………小さじ2
にんにく(小)…………………………………1/2片=2.5g
塩…………………………………………………小さじ1/3
黒こしょう………………………………………小さじ1/3
*すべての材料をフードプロセッサーに入れて撹拌、ペーストにする。
<レモンソース>
ブイヨン…………………………………………200㏄(1カップ)
レモンの皮………………………………………みじん切り1個分
塩・こしょう……………………………………少々
水溶きコーンスターチ…………………………適宜
作り方
1.オーブンは200℃にセットしておく。
2.豚肉の表面にペーストを塗る。
3.オーブン用天板の網にオリーブオイル少々を塗り、豚肉をのせて約30分焼く。
ペーストが焦げるようならば、途中でアルミホイルをかぶせる。
4.小鍋にクミン、レモンの皮、ブイヨンを入れ、2/3量になるまで、強火で煮詰める。
5.3が焼きあがったらアルミホイルにそれぞれを包み、オーブンが冷めるまでの予熱を利用して
庫内で保温しておく。
6.4を塩・こしょうで調味し、水溶きコーンスターチでとろみをつける。
7. 皿に5を盛付け、6のソースをかける。
プラスワンINFO
*写真の肉の大きさで4枚分のペーストの量は、基本レシピの倍量です。
*このペーストだけでも美味しいので、時間のない時にはレモンソースなしでもOKですよ。
*レモンの皮を削るのは、レモンゼスター(コチラの過去レシピに登場→オレンジケーキ/スパイス入りオレンジチョコレートケーキ)を使うと便利です。削ってから包丁で細かくしましょう。
自家製フレッシュハーブで
彩りアップ、さっぱりマリネ
次にさっぱりとした前菜としてマリネをご紹介します。
茹でたタコの塩分によって、塩は調整してくださいね。
イタリアンパセリのみじん切りは、マリネ液に加えずに、
お皿に盛りつけたあとにパラパラと上からふると美しいですよ。
お料理の仕上げに葉ものを散らしたり、飾りをするとそれだけで
食卓が素敵に、豊かになります。
飾りやお料理にちょっとだけ使うハーブをわざわざ買いに行くのは面倒、
少ししか使わなかった残りのハーブをムダにしてしまった……。
心当たりのある方はいらっしゃいませんか?
そんなちょこっと使いのハーブがご自宅のベランダやお庭にあると
気軽に摘んで使えて大変便利。
そんなキッチンハーブの育てかたは、次週6月11日upのSUMAU「HAPPY GARDEN DIARY」でもご紹介。
こちらも是非ご参考になさってみてくださいね。
自分で育てたハーブを使うとお料理のテンションも上がりますよ♪
タコのマリネ
材料(4人分)
刺身用ゆでダコ……………………………………1本(約200g。ななめに薄切り)
玉ねぎ………………………………………………1/4個(約50g。繊維に沿って極薄切り)
セロリ(茎)………………………………………20㎝(繊維に沿って長さ3㎝の薄切り)
<マリネ液>
白ワインビネガー…………………………………大さじ3
レモン汁……………………………………………大さじ1 1/2
砂糖…………………………………………………小さじ1 1/2
グレープシードオイル……………………………大さじ1 1/2
塩・こしょう………………………………………適宜
<飾り用>
イタリアンパセリ…………………………………適宜(みじん切り)
作り方
1.小さなボウルに、マリネ液のグレープシードオイル以外の材料を合わせる。
2.塩・こしょうでしっかりと調味してから、オイルを加えて混ぜ合わせる。
3.ジッパー付きのビニール袋に2を入れて、タコ、玉ねぎ、セロリを入れてよく和える。
4.食べる直前まで冷蔵庫でよく冷やしておく。
5.皿に盛りつけてから、イタリアンパセリをふる。
マディラワインをプラスして
ワンランク上の味わいに
次にご紹介するデザートは、簡単すぎるほど、簡単なレシピ。
ポルトガルのお酒、マディラワインをお好みのバニラアイスクリームに混ぜて
再び冷凍するだけなのですが、マディラワインの甘味と魅力的なフレーバーが
ただのバニラアイスクリームをゴージャスで芳醇な深みのあるデザートへと変身させてくれます。
使用するバニラアイスクリームは、乳脂肪分の多いものを選ぶと美味。
その分カロリーも高くなるのは悩ましいところですが、
マディラワインのコクに負けないのはリッチな味わいのアイスクリーム。
深煎り豆のコーヒーやエスプレッソと一緒にお楽しみくださいね。
マディラワインを加えたあとのアイスクリームは若干柔らかめに固まるので、
食べる直前に冷凍庫から出してもすぐにスプーンが入り、盛り付けやすいです。
マディラワインアイスクリーム
材料(4人分)
バニラアイスクリーム……………………………500ml
マディラワイン……………………………………100㏄~
<飾り用>
ミントの葉 ………………………………………適宜
作り方
1.フタ付きの金属またはプラスティック容器にアイスクリームを入れる。
2.アイスクリームが少し溶けて柔らかくなるまで置いておく。
3.2にマディラワインを加えて、ムラのないようにゴムベラで混ぜ合わせる。
4.冷凍庫へ入れ、再び固める。
5.器に盛り付けたら、ミントを飾る。
プラスワンINFO
*加えるマディラワインは、混ぜるときに味を見ながらお好みで増減してください。
recipe&cooking
料理研究家/フードコーディネーター
久須美 光子
東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。