Season's Home Deli
爽やかな季節にぴったり
シンプル&ヘルシーなギリシャ料理
初夏の心地よい風を感じるこの季節、さわやか気分に合わせて選んだのはギリシャ料理のとっておきレシピ。フェタチーズやサワークリームの巧みな乳製品づかいには、まねしたいアイデアがいっぱいです。
今月のメインRecipe: ほうれん草とフェタチーズのフィロパイ
爽やかで気持ちの良い季節となってきましたね!
ご自宅の窓を開け放して心地よい風を感じながらいただくお食事のシーンにぴったりの、
さっぱりしたギリシャ料理を今月はご紹介したいと思います。
作り方はコツのいらない、とても簡単なものばかり。
メインの軽い食感のパイは、パートフィロというバター不使用の
紙のように薄い生地を数枚ずつ重ね、中にほうれん草とフェタチーズを
入れたもの。
器の中側に大きなふろしきを広げるようにパイをはみ出させ、中身を詰めたらはみ出している部分でフタをする、という要領で仕込みます。
どんなお料理もオーブンから出す時はワクワクするものですが、
このパイはナイフを入れるときが最も楽しい瞬間。
パリパリッという音は何よりのごちそうです。
焼きあがったらすぐにテーブルへお出しして皆さんを
楽しませてくださいね。
ほうれん草とフェタチーズのフィロパイ
材料(4〜6人分)直径21㎝深さ6㎝の耐熱皿を使用
ほうれん草……………………………………………………1 1/2束 (ゆでて3cmに切る)
フェタチーズ…………………………………………………200g(小さめにくずしておく)
ディルの葉 …………………………………………………1パック(粗みじん切り)
パートフィロ…………………………………………………約1/3パック
塩・こしょう…………………………………………………各少々
オリーブオイル………………………………………………適宜
作り方
1.オーブンは220℃にセットしておく。
2.ボウルを用意し、ほうれん草、フェタチーズ、ディルを混ぜ合わせ、塩気をみて足りないようなら塩をし、こしょうを振る。
3.2枚重ねたフィロを2セット用意し、十字になるように重ねて耐熱皿の内側に敷き、耐熱皿からはみ出た部分は外側にそのまま垂らしておく。
4.3のフィロの上に2の1/2量をまんべんなくおき、ほうれん草のフィリングが見えないよう2枚重ねのフィロを落しぶたのようにおく。くしゃくしゃに丸めながらラフにおいてOK。
5.4にほうれん草フィリングの残り、フィロをのせ、最後に耐熱皿からはみ出ている3の部分でふたをし、上面に大さじ1くらいのオリーブオイルをはけで塗る。
7.オーブンで約15分ほど、表面が黄金色になるまで焼く。
プラスワンINFO
*フェタチーズはメーカーによって塩気に差があるので、2の工程では必ず味見をしてから塩を足しましょう。
*このパイは、耐熱皿の形にきっちり合わせてフィロをカットして作るわけではないため、
長方形や楕円形のものでもOKです。
作り方のイメージとしては、耐熱皿の内側に大きめのふろしき(フィロ)を広げてフィリングとフィロを重ね、ふろしきの四隅を内側に折り返してふたをします。
くしゃくしゃと丸めるときにはラフにしてOK。くしゃくしゃにすることで空気が入り、ランダムな食感を楽しめます。
*フィロは、冷凍で保存しますが、使うときにはパッケージごと2〜3時間前に冷蔵庫へ移しておくとすぐに使える状態になります。
室温にだしておくと、気温によってはベトベトになって生地同士がくっついてしまうため
冷蔵庫で自然解凍するのが良いでしょう。
また、乾燥すると粉々になってしまう性質があるので、パッケージから取り出した生地はすぐにぬらした布巾やキッチンペーパーで覆い、乾燥を防ぎながら使いましょう。
本場のレシピを忠実に再現した
正真正銘“REAL Greek Salad”
次にご紹介するのは、ギリシャサラダ。
これは私が地中海料理を習ったギリシャ人女性シェフによる”本当の”ギリシャサラダです。
彼女のレシピには”REAL Greek Salad”と強調された表記が(笑)。
彼女がこだわりをみせてうるさいほど言っていたのは、フェタチーズ
丸ごと一枚をそのままサラダにのせること。
「砕いたフェタチーズをのせたギリシャサラダをよく見かけるけど、
あれは本物を知らない人が作ってるのよね。
本物のギリシャサラダはフェタを一枚どーんとのせて、お客さんが崩しながら食べるものなの!」
……何でそこまで力説するのかは、日本人の私にはよくわかりませんでしたが、
きっと日本料理にも、外国人には理解し難いこだわりがあるのかもしれませんよね。
見た目にもインパクトのある”本当のギリシャサラダ”をどうぞお楽しみください。
本当のギリシャサラダ
材料(4人分)
フェタチーズ………………………………………1枚(200g)
きゅうり……………………………………………2本(7mm厚の小口切り)
トマト………………………………………………2個(5mm厚の輪切り)
ピーマン……………………………………………1個(3mm厚の輪切り)
玉ねぎ………………………………………………1/2個(3mm厚の輪切り)
黒オリーブ…………………………………………1/2カップ
ドライオレガノ……………………………………少々
エクストラバージンオリーブオイル……………少々
作り方
1.盛り付け皿に切った野菜とオリーブを並べ、トップにフェタチーズをのせる。
2.ドライオレガノ、オリーブオイルを上からかける。
プラスワンINFO
*ドライオレガノをふりかけるときは、両てのひらでこすり合わせながらかけると
香りがたって美味しくなります。
冷たくすればおいしさ倍増
レモン薫るしっとりケーキ
最後にご紹介するデザートは、サワークリームが入った爽やかな味わいのケーキ。
アイシングをかけて仕上げる分、ケーキ自体の甘さを控えめにしたレシピにしました。
冷やして食べると爽やかさが引き立つので、焼きあがったら1日冷蔵庫で
生地を引き締めて、冷たいうちに食べると美味しいですよ。
サワークリームケーキ
材料(直径15cm型1台分)
無塩バター…………………………………………150g(室温に戻しておく)
薄力粉………………………………………………120g
砂糖…………………………………………………85g
サワークリーム……………………………………90cc分
卵……………………………………………………1個(溶いておく)
牛乳…………………………………………………50cc
ベーキングパウダー………………………………小さじ1
バニラエッセンス…………………………………少々
<飾り用>
レモンの皮…………………………………………1個分
<アイシング>
粉糖…………………………………………………100g
水……………………………………………………大さじ1
作り方
1.オーブンは180℃にセットしておく。
2.ボウルにバターを攪拌し、白っぽくなってきたら砂糖を数回にわけてよく攪拌してすりあわせる。
3.2に溶いた卵を数回にわけて加えながら攪拌し、分離しないようによく混ぜる。
4.3にサワークリーム、バニラエッセンスを加えて攪拌しながら牛乳を徐々に入れ、よく混ぜる。
5.4に薄力粉とベーキングパウダーを一緒にふるいながら加える。
6.敷紙またはバター+薄力粉をはたいた型に流し込み、オーブンで約35分程度焼く。
<仕上げ>
1.小さめのボウルに粉糖と水大さじ1を合わせてダマのないように混ぜ合わせて固めのアイシングに仕上げる。
2.粗熱のとれたケーキの中央に1を垂らし、ナイフかパレットで
上面全体に広げる。
3.2のアイシングが固まったら、レモンの皮を細く切ったものを飾る。
プラスワンINFO
* このケーキは冷凍可能です。
*アイシングは水の量で仕上がりの固さが決まります。
かなり固めで混ぜ合わせにくいですが、レシピ以上に水を加えずに作ってみてください。
* オレンジやレモンの細皮づくりに便利なのが、写真のような調理器具。
一般に「レモンゼスター」と呼ばれ、柑橘類の皮の薄い部分だけをむくことができるため重宝します。
(文・ 久須美光子 写真・松永直子)
recipe&cooking
料理研究家/フードコーディネーター
久須美 光子
東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。