Season's Home Deli
スパイスの新たな魅力に開眼!
コクと香りのトルコ流煮込み
ひんやりとした空気が心地よい、おしゃれを楽しみたくなる秋が本格的に訪れ始め、
食卓には温かさを求めたくなる日が多くなってきたのではないでしょうか。
今月は、ビーフのスパイスミント煮込みをメインにしたトルコ料理からのご紹介です。
辛くて引き締まるようなスパイス使いではなく、食べるとホッとするような優しい味わい。
カルダモンやナツメグ、フレッシュミントなど素材すべてがお互いの魅力を引き出し合い、
コクと素晴らしい香りが楽しめるメイン料理となりました。
今回使用しているスパイスも、今までに何度も登場したものばかりですので違和感なくお試し
いただけると思いますよ。
3品とも生徒さんや友人たちに好評なものばかりですので、ぜひ作ってみてくださいね。
今月のメインRecipe: 牛肉のスパイスミント煮込み
この煮込みはどなたにも喜ばれる、自慢の黄金レシピです(笑)
今回はスネ肉を使用して圧力鍋でしっかりと1時間煮込んでみました。
普通の鍋であればスネ肉が柔らかくなるまでには2時間くらいかかりますが、
もっとお手軽にシチュー用の部位を使って短時間で仕上げてもOKですよ。
牛肉のスパイスミント煮込み
材料(4人分)
牛スネ肉…………………………………………500g(脂とスジを丁寧に取り除き、2cm角に切る)
ブイヨン…………………………………………250cc(顆粒コンソメを水に溶かしたものでOK)
赤ワイン…………………………………………50cc
玉ねぎ(中)……………………………………1個(約160g。薄くスライス)
にんにく(大)…………………………………1片(約15g。すりおろす)
フレッシュミントの葉のみじん切り…………大さじ2
トマトペースト…………………………………大さじ1
レモンの皮みじん切り…………………………小さじ1
オリーブオイル…………………………………適量
塩・こしょう……………………………………少々
<スパイス>すべてパウダー状のもの
ナツメグ…………………………………………小さじ1
ターメリック……………………………………小さじ1
カルダモン………………………………………ひとつまみ
<飾り用>
イタリアンパセリの葉のみじん切り…………少々
作り方
1.深めの鍋にオリーブオイルを強火で熱し、牛肉の表面全面に焼き色をつけたら火を止め、肉をボウルに取り出す。
2.1の鍋ににんにくを入れてから火をつけ、中弱火で炒め、香りが出てきたら玉ねぎを入れて3分ほど炒め、スパイス3種を入れてなじませるようによく混ぜながらさらに3分ほど炒める。
3.2にレモンの皮、トマトペースト、ミント、赤ワイン、ブイヨン、牛肉を入れて一旦沸騰させてから中弱火にし、フタをして約2時間、時々かき混ぜながら煮込む(圧力鍋を使う場合はピンが上がってから弱火にし、1時間煮込む)。
4.牛肉が柔らかくなったらフタをはずし、写真のような水分になるように汁気を煮詰める。
シチューくらいの汁気を残した煮詰め具合で仕上げても良い。
5.塩・こしょうで味を整える。
プラスワンINFO
*トマトペーストは、大さじ1ずつパックになったものを使用するとムダがなくて便利です。
*レモンの皮はレモンゼスター(写真)で皮をけずってから包丁で細かく刻むと、苦味のでる白いワタをけずることなく準備ができます。
カット&トーストの新発想で
ピタブレッドがスナックに!
次にご紹介するのは、ピタブレッドのチップスです。
ピタブレッドは、中身をつめてサンドウィッチ的に食べるのが一般的ですが、
写真のように薄く切ってトーストすると、カリカリっとした食感になって大変美味しい
スナックになります。
今回は、レモンの皮をみじん切りにしたものと塩・こしょうを合わせて作ったレモンペッパーを振りかけて、爽やかに仕上げました。
メインの煮込みともバッチリ合いますし、ビールのおつまみにも最高です。
ピタブレッドの新しい楽しみ方をどうぞ!!
ピタブレッドのチップス
材料(4人分)
ピタブレッド……………………………………1枚(上の写真のようにカット=16枚)
オリーブオイル…………………………………50cc
<レモンペッパー>
レモンの皮みじん切り…………………………小さじ1/2
黒こしょう………………………………………小さじ1/2
塩…………………………………………………ひとつまみ
<飾り用>
イタリアンパセリの葉のみじん切り…………少々
作り方
1.レモンペッパーのレモンは、牛肉の煮込みで使ったレモンの皮のみじん切りと同じ要領で準備し、
塩・こしょうと合わせて小さな容器に入れておく(レモンの皮をサラサラに乾燥させたいので、ラップやフタはしないこと)。
2.1のレモンが乾燥したら(約15分)、ピタブレッドのザラザラの面にオイルを塗り、レモンペッパーを振って、トースターでカリっとするまで焼く。
3.仕上げにイタリアンパセリを振る。
プラスワンINFO
*レモンペッパーは、フライやてんぷらなどの揚げ物にかけたりしても美味しいです。
戻し不要の赤レンズ豆でつくる
簡単・ヘルシーポタージュ
最後にご紹介するのは、赤レンズ豆のポタージュ。
素朴でほっこりする味です。
水に浸しておく必要がない豆なので、思い立ったらすぐに使えるのが嬉しいポイント。
栄養面においてもタンパク質やビタミンB群、鉄分、食物繊維が豊富で、免疫力アップや美肌効果も期待できるみたいですよ。
赤レンズ豆のポタージュ
材料(4人分)
赤レンズ豆(乾燥)…………………………1カップ(約180g)
玉ねぎ(小)…………………………………1個(130g。みじん切り)
ブイヨン………………………………………1.2L(顆粒コンソメを水に溶かしたものでOK)
牛乳……………………………………………100cc
バター…………………………………………大さじ2
薄力粉…………………………………………大さじ1
塩………………………………………………少々
<飾り用>
イタリアンパセリの葉のみじん切り…………少々
作り方
1.深い鍋に赤レンズ豆とブイヨンを入れて、中弱火で豆が柔らかくなるまで30分ほど煮る。
2.小さいフライパンにバターを溶かし、玉ねぎを中弱火で7分くらい炒める。
3.2に薄力粉をふるいながら加え、ダマにならないように全体を混ぜながら2〜3分炒める。
4.ジューサーに、1と3を入れて、なめらかになるまでよく撹拌する。
5.洗った1の深鍋に4を移して牛乳を加えたら弱火で熱し、塩で調味する。
6.仕上げにイタリアンパセリをふる。
プラスワンINFO
*4ではよく撹拌すること。赤レンズ豆の皮がなくなるまで撹拌しないと
口当たりがザラザラになってしまいます。
* 牛乳は入れずに仕上げてもOKです。
(文・ 久須美光子 写真・松永直子)
recipe&cooking
料理研究家/フードコーディネーター
久須美 光子
東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。