Season's Home Deli
秋の気配を感じたら
ひと工夫が楽しいチュニジア料理を
日中蒸し暑いことがありながらも、朝晩の気温が下がって秋を感じられることが増えていくと、
温かいお料理が恋しくなってきますね。今月は、今が旬のナスを使った温かいチュニジア料理をメインに、ワインに合うスナックパイとタルトをご紹介します。
今月のメインRecipe: ナスのグリル トマトとひよこ豆のソース スパイスヨーグルトがけ
チュニジア料理は、お隣の国モロッコ、そしてトルコなどの中東料理とよく似ていて、
野菜や豆の素材をいかし、塩やスパイスで仕上げるシンプルなものが多いです。
そういったシンプルなお料理に、ハリッサ(アリッサ)という唐辛子ベースのペーストで
辛味を足して食べたりします。
ハリッサはソースやスープに溶かしたり、直接つけて食べたりと、まさに和食でいうところの
わさびのよう。
素材をいかしたシンプルな味付けに、わさびのようなハリッサ使いをするチュニジア料理は
日本人好みといえるかもしれません。
そこでまず、ハリッサが合うナスのグリルをご紹介します。
トマトとひよこ豆のソースは、グリルしたナスがいくらでも食べられる
飽きがこない絶妙な味。
パンにのせてブルスケッタ風にしても良いですし、チキンやポークのソテーにかけても、
ゆでたじゃがいもの上にのせてトップにチーズをちらし、オーブン焼きにしても
大変美味しい万能ソースです。
冷蔵庫で1週間ほど日持ちします。また、多めに作って冷凍しておくと便利ですよ。
生姜醤油で食べる焼きなすも美味ですが、チュニジアスタイルのナスのグリルも美味しいので、
ぜひお試しになってみてくださいね!
ナスのグリル トマトとひよこ豆のソース スパイスヨーグルトがけ
材料(4人分)
ナス……………………………………………………4本(5㎜厚に縦に切る)
トマト(中)…………………………………………2個(約330g。皮付き種ありのままざく切り)
玉ねぎ(中)…………………………………………1個(薄切り)
ゆでたひよこ豆………………………………………1カップ
にんにく………………………………………………1片(約7g。すりおろす)
<スパイス>*すべてパウダー状のもの
シナモン、クミン、コリアンダー…………………各小さじ1/2
塩・こしょう…………………………………………少々
オリーブオイル………………………………………適量
<飾り用>
コリアンダーの葉(イタリアンパセリでもOK)…少々
<スパイスヨーグルト>
プレーンヨーグルト…………………………………1カップ
クミンパウダー………………………………………ひとつまみ
塩………………………………………………………ひとつまみ
(ヨーグルトをざるにのせボウルで受けて5時間〜1晩冷蔵庫に入れて水分をぬき、
クミンパウダーと塩で調味する。出来上がり量1/2カップ強)
ハリッサ………………………………………………適宜
作り方
1.深めのフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れてから火をつけ、にんにくの良い香りがしてきたら玉ねぎを入れて中弱火で炒める。
2.1の玉ねぎが透き通ってきたらスパイス3種を入れ、なじむまでよく混ぜながら炒める。
3.2にトマトとひよこ豆を入れて混ぜ、トマトの水分が飛ぶまで約20分、ふたをせずに中弱火で煮て、塩で調味して仕上げる。
4.グリルパンを熱し、オイルはひかずにナスを両面焼く。
5.盛付け皿にナスを配し、3のソースをかけ、ところどころにスパイスヨーグルトをおいて
コリアンダーの葉を散らす。
6.お好みでハリッサをつけて食べる。
おつまみや、おやつに。
遊び心たっぷりのスナックパイ
次にご紹介するのは、冷凍パイシートを使ったスナックパイ3種。
ねじったり折ったりして形を楽しくしてみました。
焼き上がりを冷凍しておいて、食べるときにトースターで温めなおせば
いつでも美味しくいただけます。
ツヤ出しのための仕上げの卵黄は、見た目に大きな役割を果たすので
面倒でも省かないほうが良いですよ!
冷凍パイシートでおすすめは、こちらです。
層が細かくてふくらみやすく、バターたっぷりのリッチな味で美味しいです。
以前ご紹介したクラムチャウダーのパイ包みにもこちらを使用しました。
参考記事 2013.2月
https://archive.sumau.com/page_category/parent_life/seasons-home-deli-page_category/8187.html
スナックパイ3種
材料(4人分)
<バジル>
冷凍パイシート……………………………1枚
バジルペースト(市販)…………………大さじ2
パルミジャーノパウダー…………………大さじ2
黒こしょう…………………………………適宜
溶いた卵黄(下地用)……………………大さじ1/2
<パルミジャーノ&黒こしょう>
冷凍パイシート……………………………1枚
パルミジャーノパウダー…………………大さじ3
黒こしょう…………………………………適宜
塩……………………………………………少々
溶いた卵黄(下地用)……………………大さじ1/2
<ベーコン&細切りチーズ>
冷凍パイシート……………………………1枚
ベーコン……………………………………8枚
細切りピザ用チーズ………………………30g
黒こしょう…………………………………適宜
溶いた卵黄(下地用)……………………大さじ1/2
<3種共通仕上げ>
パルミジャーノパウダー……………………大さじ4
卵黄……………………………………………1~2個(溶いておく・下地用と共用)
*成形後天板に並べ、卵黄をハケで塗ってからパルミジャーノをふる。
作り方
オーブンは230℃にセットしておく。
<バジル>
1.冷凍のパイシートをまな板に取り出し、下地用の卵黄を塗って、
包丁で切れるくらいまで室温においておく。
2.1にベジルペースト、パルミジャーノ、黒こしょうの順でまんべんなく広げる。
3.左右両端の生地1/4ずつを中央に向かって向かい合わせになるようにたたむ。
4.左右からたたんできた生地を、さらに中央に向かい合わせになるように1/4たたむ。
5.さらに2つに折って1本の長い棒の状態にし、冷凍庫へ10分くらい入れて少し固める。
6.冷凍庫から取り出した棒状の生地を横位置におき、5㎜厚さに包丁で切る。
7.切り口を上にして、オーブンシートを敷いた天板に間隔をあけて並べる。
8.仕上げの卵黄をハケで塗り、パルミジャーノをふる。
9.オーブンで15~20分焼く。
プラスワンINFO
*このパイは、パルミエというハートのような形にしました。
きれいなハートの形にするには、7の工程で、重なっている部分を左右に離すように少し広げると良いです。カットしたままの形で焼くと、ハート型に広がらずに細長いまま焼けてしまいます。
*焼くとかなり膨らむので、十分な間隔をあけましょう。
<パルミジャーノ&黒こしょう>
オーブンは230℃にセットしておく。
1.冷凍のパイシートをまな板に取り出し、下地用の卵黄を塗って、
包丁で切れるくらいまで室温においておく。
2.1にパルミジャーノ、塩、黒こしょうを満遍なく広げる。
3.2の生地を8本の棒状になるように等分に切る。
4.棒状の生地をねじっていく。4〜5回ねじれると焼きあがりのバランスが良い。
(生地が柔らかくてダレる時は、冷凍庫へ入れて短時間固めると作業しやすくなります)
5.オーブンシートを敷いた天板に間隔をあけて並べ、仕上げ用の卵黄をハケで塗り、パルミジャーノと黒こしょうを強めにふる。
6.オーブンで15~20分焼く。
<ベーコン&細切りチーズ>
オーブンは230℃にセットしておく。
1.冷凍のパイシートをまな板に取り出し、下地用の卵黄を塗って、
包丁で切れるくらいまで室温においておく。
2.1の生地を8本の棒状になるように等分に切る。
3.2の棒の大きさにあわせてベーコンを切り、上にのせる。
4.3のベーコンの上に細切りチーズをのせて黒こしょうをふる。
5.生地をねじっていく。4〜5回ねじれると焼きあがりのバランスが良い。
(生地が柔らかくてダレる時は、冷凍庫へ入れて短時間固めると作業しやすくなります。)
5.オーブンシートを敷いた天板に間隔をあけて並べ、仕上げ用の卵黄をハケで塗り、パルミジャーノと黒こしょうを強めにふる。
6.オーブンで15~20分焼く。
ワインと合わせてもおいしい
大人風味のフルーツタルト
最後にご紹介するのはアプリコットのタルト。
中身のフルーツはアプリコットだけではなくて
洋梨や桃のシロップ漬けにしても美味しいですよ。
出来上がりを冷凍することもできますので、カットしてから1ピースずつアルミホイルに包んで
冷凍しておくと、食べたい時に自然解凍するだけでいただけます。
コーヒーや紅茶だけでなく、赤白どちらのワインにもよく合います。
アプリコットタルト
材料(18cmタルト型1台分)
<タルト台>
薄力粉………………………………………120g(ふるっておく)
無塩バター…………………………………60g(室温に戻しておく)
砂糖…………………………………………大さじ2
卵黄…………………………………………2個
<アーモンドクリーム>
アーモンドプードル………………………100g
粉砂糖………………………………………80g
無塩バター…………………………………80g(室温に戻しておく)
全卵…………………………………………1個(溶いておく)
アマレット…………………………………小さじ2
<中身のフルーツ>
アプリコットの実のシロップ漬け………450g分(約20個)
<仕上げ>
アプリコットジャム100cc分+アマレット大さじ1
作り方
オーブンは180℃にセットしておく。
<タルト台を作る>
1.大きめのボウルにバターを入れ、電動ミキサーでよく撹拌し、白っぽくふわふわになったら
砂糖を2回にわけて加え、よく撹拌する。
2.1に卵黄を加えて撹拌し、薄力粉を加えたらゴムベラでよく混ぜ合わせ、
ボウルの中でまだらなところがなくなるように手で少し練ってから丸めてタルト台に取り出す。
3.生地をタルト台に合わせるように手で均等の厚みになるように伸ばし、冷蔵庫へ20分〜30分入れて生地をしめる。
<生地をしめている間にアーモンドクリームを作る>
1.大きめのボウルにアーモンドプードルと粉砂糖を入れて、泡立て器で混ぜる。
2.1にバターを加えて、電動ミキサーでよく練りあわせる。
3.2に卵を少しずつ加えて分離しないようによく撹拌する。
4.3にアマレットを加えて薫りをつける。
5.冷蔵庫でしめたタルト台の生地にフォークなどで満遍なく穴をあけ(ピケする)、
アーモンドクリームを均一にならしてからシロップの水気を切ったアプリコットの実を
クリームの上に並べてオーブンで約30分焼く。
6.竹串または楊枝をさして生地が竹串につかなくなったらオーブンから取り出して粗熱を取る。
7.粗熱が取れたタルトにアマレット入りのジャムを塗って仕上げる。
プラスワンINFO
*カロリーを抑えたい場合は、仕上げのジャムのかわりに粉砂糖を茶こしにいれてふるだけでもOKです。
(文・ 久須美光子 写真・松永直子)
recipe&cooking
料理研究家/フードコーディネーター
久須美 光子
東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。