Season's Home Deli
独特のスパイス使いが魅力の
モロッコ料理でほっこり
深まる秋の夜、一口ごとにほっこりする家庭料理とワインでゆったりくつろぐ…。
そんなシーンを浮かべて選んだのは、優しい味のモロッコ家庭料理3品です。
メインは、ドライアプリコットとトマトで軽く煮込んだミートボール、
副菜はカリッと揚げたじゃがいも、旬のカリフラワーを蒸したもの。
いずれのレシピにもモロッコならではのスパイス数種をブレンドして使い、
素朴な素材の美味しさを引き出しました。ぜひお楽しみくださいね!
今月のメインRecipe:ミートボール ドライアプリコットとトマトの煮込み
ドライフルーツを使ったモロッコの煮込み料理の魅力は、甘みとスパイスの絶妙なバランス。
甘みに飽きずに食べられて、お酒に合うスパイス加減のほど良いレシピとなりました。
ご家庭でミートボールを作る時に、いつもの味とは違うエキゾチックな配合の、
このモロッコバージョンを試していただけたらと思います。
テーブルには、もっちりとしたパンとオリーブやチーズ、ワインのご用意をお忘れなく!
材料(4〜6人分)
<ミートボール>小さめに丸めて25個分
牛ひき肉………………………………350g
玉ねぎのみじん切り…………………大さじ2(ソース用のものから分量分使用)
シナモンパウダー・ナツメグ………各ひとつまみ
パン粉…………………………………1/4カップ
水………………………………………1/4カップ(パン粉に加えてふやかしておく)
塩・こしょう…………………………各少々
<煮込み用ソース>
トマト缶……………………………1缶
水……………………………………1/2カップ
玉ねぎ………………………………1個(約170g。みじん切り。大さじ2をミートボールに使用)
ドライアプリコット(大きめ)…6個(90g。1/2に切る)
にんにく……………………………1/2片(すりおろす)
砂糖…………………………………小さじ1弱
ベイリーフ…………………………1枚
塩・こしょう………………………各適量
オリーブオイル……………………大さじ3〜
<スパイス>全てパウダー状のものを使用・あらかじめ合わせておく
クミン・パプリカ・ナツメグ……各小さじ2/3
シナモン・オールスパイス………各小さじ1/2
<飾り用>
スライスアーモンド………………1/4カップ(フライパンで焦がさないように乾煎り)
コリアンダーまたはイタリアンパセリの葉の粗みじん切り………少々
作り方
1.ボウルに牛ひき肉、玉ねぎを入れてよく練り、ミートボール用の残りの材料を全て入れて混ぜ合わせ、25個の小さいボール状に丸める。
2.深めのフライパンまたは鍋にオリーブオイル、にんにくを入れてから火をつけ、にんにくから良い香りが出てきたら、玉ねぎを中弱火で炒める。
3.玉ねぎが透き通ってきたら、1を入れて、ミートボールの全面に焼き色がつくように焼き、合わせたスパイスを加えひと混ぜする。
4.3にドライアプリコット、ベイリーフ、トマト缶、水、砂糖、塩こしょうを加え、中弱火で20分ほど煮る。
5.塩こしょうで調味し、盛付け後にコリアンダーの葉とスライスアーモンドをふる。
2度揚げでおいしさアップ
モロッコ風フライドポテト
次にご紹介するのは、外側カリッ! 中側ホクっ! という食感が楽しいフライドポテト。
揚げたてのポテトにブレンドしたスパイスをふりかけてモロッコスタイルにしました。
フライドポテトを美味しくするコツは、手間を惜しまずに2度揚げをすること。
鶏の唐揚げをする時も同様です。グンと美味しくなりますよ!
フライドポテト モロッコスパイス
材料(4人分)
メークイン(中)………………………3個(500g。一口大に切り面取りする)
オリーブオイル…………………………1/2カップ〜
<スパイス>あらかじめ合わせておく
パプリカ…………………………………小さじ1/2
塩…………………………………………小さじ1/2
タイム(フレーク状のもの)…………小さじ1/3
黒こしょう………………………………小さじ1/8
作り方
1.鍋にオリーブオイルを熱し、じゃがいもを入れて、面を返しながら
中心に串または楊枝を刺してスッと通るくらいまで中弱火でじっくりと時間をかけて揚げる。
2.一旦網などに引き上げ、オイルを足して高温にしてから強めの中火でもう一度揚げる。
3.じゃがいもから音がしなくなるまで、焦げないように火加減を調整しながら揚げる。
4.揚げたじゃがいもが熱いうちにボウルに全て入れ、合わせたスパイスを上からかけて、
ボウルを揺らしながら全体にゆきわたるようにまぶす。
プラスワンINFO
*揚げた時に崩れにくくするため、じゃがいもは面取りしましょう。
*2ではじゃがいもに水分があるうちはジュワーっという音がしますが、
怖がらずに火を調節しながら揚げてください。水分が抜けていくにつれて音がしなくなります。
*4では、じゃがいもの形が崩れるのを防ぐため菜箸やフォークは使わないこと。
カリフラワーの甘みに
スパイスが程よくマッチ
最後にご紹介するのは、今が旬のカリフラワーにクミンやジンジャーなどのスパイスをまぶして蒸し焼きにした一品。カリフラワーの甘みをより感じられるようにするポイントは、炒めるのではなく野菜本来の水分と少しの水で蒸しあげることです。モロッコ料理は仕上がりの色が地味なものが多いですが、ターメリックの黄色が鮮やかなこのお料理はテーブルを華やげてくれますよ。
カリフラワーのスパイス蒸し
材料(4人分)
カリフラワー……………………………………………………………1株(400g。小房に分ける)
玉ねぎ(中)……………………………………………………………1/2個(80g。薄切り)
にんにく…………………………………………………………………1/2片(すりおろす)
グリーン・黒オリーブ…………………………………………………合わせて1/2カップ
水…………………………………………………………………………1/2カップ
レモンスライス…………………………………………………………1枚
オリーブオイル…………………………………………………………大さじ3
<スパイス>全てパウダー状のものを使用・あらかじめ合わせておく
クミン……………………………………………………………………小さじ1 1/2
ジンジャー・ターメリック・塩………………………………………各小さじ1
パプリカ…………………………………………………………………小さじ1/2
レッドペッパー…………………………………………………………小さじ1/3
<飾り用>
コリアンダーまたはイタリアンパセリの葉・粗みじん切り………各少々
作り方
1.深めのフライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて火をつけ、にんにくから良い香りが出てきたら、玉ねぎを中弱火で2分ほど炒める。
2.ボウルにカリフラワー、合わせたスパイスを入れてまぶし、1に入れる。
ボウルに残ったスパイスも全て入れること。
2にレモン、水、オリーブを入れてフタをし、中弱火で約15分、カリフラワーが柔らかくなるまで
時々混ぜながら水分が残らないように火加減を調整しながら蒸し焼きにする。
3.味をみて足りないようなら塩で調味し、レモンを引き上げる。
3.盛付け後に飾り用のコリアンダーまたはイタリアンパセリの葉をふる。
プラスワンINFO
*使用するオリーブは、お好みの色のものでOKです。今回は見た目に変化を
つけたかったので、緑と黒の二種類を使いました。
(文・ 久須美光子 写真・松永直子)
recipe&cooking
料理研究家/フードコーディネーター
久須美 光子
東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。