Season's Home Deli

2016.02.03

ハートのこもった
おいしいケーキでおもてなし

今年のバレンタインは、ちょっと手間をかけた大人シックなロールケーキをメインに、

お食事の間ゆっくりと会話を楽しめるよう、ほとんど前もって仕込みをしておけるメニューに

してみました。ゆったりとしたロマンティックなバレンタインをお過ごしくださいね。

 

 

今月のメインRecipe:フルーツたっぷりのブラックココアロールケーキ

 

 

このケーキはお食事の後でも重たくなく楽しんでいただけるロールケーキ。

生クリームたっぷりですが、スポンジ生地にバターを使用していないので

食べた印象は軽やかです。

 

ブラックココアを使うとスポンジが写真のように真っ黒になります。

生クリームやハート柄ホワイトチョコレートとのコントラストが強調されて

大人っぽさを演出することができました。

 

ハート柄ホワイトチョコレートは100円ショップで売られている食用転写シートを使って

簡単にできます。

この転写シートは、様々な柄がありますよ。

ブラックチョコレートに幾何学模様を転写すれば、ぐっと高級感が増してよりシックに。

100円ショップで扱いのある転写シートやチョコレートを固めるシリコン型などの製菓材料は、

少量ずつの使いきりサイズなのでとても便利ですよ。

 

 

材料(オーブン用天板1枚分24cm×36cm)

 

<スポンジ生地>

卵……………………………………4個(卵白・卵黄それぞれボウルに分ける)

薄力粉………………………………70g

ブラックココアパウダー…………20g(薄力粉と一緒にふるっておく)

グラニュー糖………………………60g(卵黄用30g、卵白用30g)

牛乳…………………………………大さじ2

グレープシードオイル……………大さじ2

バニラエッセンス…………………少々

 

<フルーツ入りクリーム>

生クリーム(乳脂肪35%)………2パック

グラニュー糖………………………大さじ4〜(お好みで増やしても良い)

グランマニエ………………………大さじ1

いちご………………………………1パック弱(1粒を3つに乱切り)

キウイ………………………………1 1/2個(いちごと同じ大きさに乱切り)

バナナ………………………………2本弱(4mm厚さに輪切り・レモン汁大さじ3をまぶし色止めする)

レモン汁……………………………大さじ3

 

<ハート柄ホワイトチョコレート>写真のハートの大きさ5枚分

製菓用ホワイトチョコレート……50g

ハート柄転写シート………………1枚(ハートよりひと回り大きいサイズにカット×5枚)

 

<飾り用>

ラズベリー…………………………12粒

 

 

作り方

1.  オーブンは180℃にセットしておく。

2.ボウルに卵白を泡立て、途中グラニュー糖30gを徐々に加え、ボウルをさかさまにしても落ちてこないくらいになるまで泡立てる。

3.別のボウルに卵黄を入れて攪拌し、グラニュー糖30gを徐々に加え、泡立てる。

4.3に牛乳、グレープシードオイル、バニラエッセンスを加えてゴムベラで混ぜ、1の卵白のメレンゲを1/3ほど入れて混ぜてなめらかにしてから、残りのメレンゲを加え、泡をつぶさずムラが出ないように混ぜる。

5.4に薄力粉とブラックココアパウダーを一緒にふるい入れ、ダマのないように混ぜ合わせる。

6.天板にオーブン用シートを敷きグレープシードオイル(大さじ2・分量外)を刷毛で塗り、5を流し込んで平らにならしてからオーブンで15分ほど焼く。

7.焼き上がったら、まな板などにオーブン用シートごと取り出し、生地の上に別のオーブン用シートとラップで表面を覆い、冷ます。

8.冷ましている間にフルーツ入りクリームを作る。

ボウルに生クリームを固めに泡立て、グラニュー糖とグランマニエを加えて混ぜ合わせ、生地が用意できるまで冷蔵庫へ入れておく。

9.冷めた生地から上面のオーブン用シートとラップだけをはずす(一番下のオーブン用シートはそのままにする)。

10.生地の上面の巻き終わりになる辺(巻き寿司と同じく自分と遠い側)を遠い側に向かってナナメにそぎ落とす。

11.生地を巻きやすくするため、上面に横方向の軽い切り込みを1㎝間隔で数本入れる。

12.8のクリームを11の表面に7mm厚さに塗り、生地の中央部分横一列にいちご、キウイ、バナナを配し、フルーツの上にクリームをたっぷりと乗せる。

13.12の生地を下のオーブン用シートごと巻きすのように持ち上げて、巻き寿司と同じように手前からクリーム側を巻き込んでいく。

14. ゆるまないようにきっちりと巻き、巻き終わりを下にしてオーブン用シートごとラップで包み込んだ後、冷蔵庫へ入れ、落ち着くまで1時間以上おく。

15.小鍋に湯を沸かし、小さめのボウルにホワイトチョコレートを湯煎にかけて溶かす。

16.溶けたチョコレートをハートの型に流し、温かいうちに転写シートを乗せて冷凍庫へ入れる。

17.16のチョコレートが固まったら転写シートをはがし、ハートからはみ出ているチョコレートをハサミで切る。

18.14のラップを全て外し、両端をカットしてからケーキ皿に盛り付ける。

19.チョコレートやラズベリーを飾る。

 

プラスワンINFO

*家庭用オーブンの天板の形は、オーブンによって正方形・長方形、両方あります。

正方形の場合や天板が小さめの場合は、レシピ分量のフルーツや生クリームでは多すぎるかもしれません。巻き寿司の要領で巻き込んでみながら、量を調整しましょう。余ってしまった生クリームとフルーツは、薄切りの食パンに挟んでフルーツサンドにするとおいしいですよ。

 

*熟していない酸っぱくて堅いキウイの場合は、カットしてから少量のはちみつをかけてなじませておくとおいしくなります。

 

*6でオーブン用シートにオイルを塗るのは、シートを剥がしたときにシートに生地がところどころ残ってしまわないようにするためです。

 

*このケーキは前日作って冷蔵しておいてもOKです。その場合は生地の乾燥を防ぐためにラップなどを外さずに14の行程のまま冷蔵しておき、当日に仕上げをしましょう。

 

 

ブルーチーズ×ドライマンゴーが

生み出すグルメな味わい

 

2

 

次は、袋入りで売られているドライフィリピンマンゴーを使ったディップをご紹介します。

ぷるぷるのマンゴーの濃厚な甘味とブルーチーズの塩気がヨーグルトによって美味しく

まとまったレシピとなりました。

 

え? ドライフルーツなのに、ぷるぷるって?? と思われましたか?

 

実は、ドライマンゴーをプレーンヨーグルトに漬けて1晩以上おくと、

まるでフレッシュのマンゴーかのようにぷるぷるに戻るのです!

漬けるのに使ったヨーグルトは乾いたマンゴーに水分を奪われ、ギリシャヨーグルトのような

濃厚な味わいに。この濃厚になったヨーグルトがまた大変美味! なのですよ。

 

簡単すぎておいしいので、ぜひお試しくださいね。

 

 

マンゴーとブルーチーズのディップ カナッペスタイル

 

材料(4人分)出来上がり量 約1カップ強

ブルーチーズ…………………………100g(6mm角に切る)

プレーンヨーグルト…………………1カップ

ドライマンゴー………………………60g

漬けたあとのヨーグルト……………大さじ2

サンドイッチ用薄切りパン…………3枚(耳を落として4等分にカット、軽くトーストする)

 

<飾り用>

セルフィユ……………………………少々

 

作り方

1.フタ付きのプラスティック容器にヨーグルトとドライマンゴーを入れ、

ヨーグルトからマンゴーが出ないように沈めて冷蔵庫で1晩以上おく。

2.1のマンゴーはヨーグルトを拭って取り出し、5mm角くらいに切る。

3.ボウルに2とブルーチーズ、漬けたあとのヨーグルトを入れてゴムベラでよく混ぜる。

4.トーストしたパンに適宜3をのせてセルフィユを飾る。

 

プラスワンINFO

*ブルーチーズはお好みのもの、何でもOKです。

今回はゴルゴンゾーラのようなねっとりした水分の、デンマーク産のものを使いました。

 

*冷蔵庫で3日間ほどの日持ちが可能です。

 

 

鉄板美味のローストポークを

技ありの付け合わせとともに

 

3

 

最後にご紹介するのは豚の肩ロースのローストです。

ローストといってもフタ付きのフライパンに入れて焼くだけ。

マスタードシードの香ばしさが絶品の甘酸っぱい玉ねぎソテーと

ガーリックバターが染み込んだハッセルバックポテト、

このおいしい付け合わせ2品と一緒に楽しんでくださいね。

 

豚肩ロースのロースト マスタードシードオニオンとハッセルバックポテト添え

 

材料(4人分)

<豚肩ロースのロースト>

豚肩ロースかたまり肉………………………600g(室温に戻してから表面に塩・こしょうをきつめにまぶ

し、タコ糸でしばる)

フレッシュのタイムの枝……………………4本(タコ糸でしばった豚肉の表面に1本ずつはさみこむ)

オリーブオイル………………………………大さじ2

 

<飾り用>

セルフィユ……………………………………少々

 

<マスタードシードオニオンソテー>

たまねぎ(大)………………………………1個(約240g。繊維に沿って薄切り)

シェリービネガー……………………………大さじ2

砂糖……………………………………………大さじ11/2

マスタードシード……………………………小さじ1

塩、オリーブオイル…………………………各適量

 

<ハッセルバックポテト>

じゃがいも(メークイン・小)……………6個

オリーブオイル………………………………大さじ1

 

<ハッセルバックポテト用ガーリックバター>

バター…………………………………………30g

にんにくすりおろし…………………………5g (小さなボウルに合わせておく)

 

作り方

<豚肩ロースのロースト>

1.フタ付きのフライパンを強火で熱し、オリーブオイルを入れて豚肉のすべての表面に

焼き色をつける。

2.全面に焼き色がついたらフタをして中弱火にし、竹串で肉の真ん中をさして透明な焼き汁が

出るまで、時々面を変えながら約40分焼く。

3.焼きあがったら、アルミホイルに包んで室温に30分以上おいておく。

4.タコ糸とタイムを取り除いてカットして盛付ける。

または冷蔵庫へ1晩入れて冷たくして食べても良い。

 

<マスタードシードオニオンソテー>

1.フタ付きのフライパンにマスタードシードとオリーブオイル大さじ2を入れてから火をつけフタをして中弱火にかける。

2.1のマスタードシードがパチパチとはじけ始めたらフタをずらし、玉ねぎを加える。

3.オリーブオイルが足りないようなら適宜足し、中弱火で玉ねぎが透き通るまで炒める。

4.3に砂糖、シェリービネガーを加えて弱火で1分ほど炒めたら塩を強めに加えて調味する。

 

<ハッセルバックポテト>

1.オーブンは210℃にセットしておく。

2.皮付きのままのじゃがいもに細かく切り込みを入れる(割り箸の上にメークインを置き、

下まで切り落として薄切りになってしまわないように、切り込みを入れる)。

3.耐熱皿にオリーブオイルを塗り、2のじゃがいもをおいてガーリックバターをたっぷりと乗せる。

切り込み部分にも塗りこむ。

4.オーブンで約30分、じゃがいもに竹串を刺してスッと通るくらいまで焼く。

 

プラスワンINFO

*いずれの料理も冷蔵庫で3日間ほどの日持ちが可能です。

*豚肩ロースを前日までに作る場合、しっかりと冷えてからカットすると切りやすいです。

当日作って食べる場合、焼きあがってから30分はアルミホイルに包んで休ませてからカットしましょう。すぐにカットしてしまうと美味しい肉汁が外にあふれでてしまいます。

 

*マスタードシードオニオンソテーは冷たいままでも美味しいですが、前もって作った場合は、

電子レンジで温め直すとより美味しく食べられます。

行程1では、必ずマスタードシードとオイルを入れてから火をつけましょう。

オイルを熱したフライパンにシードを入れるとすぐに焦げてしまいます。

 

* ハッセルバックポテトは、じゃがいもの大きさによって焼き上がり時間が違ってきますので、竹串を刺した感覚で調整してください。

 

 

  (文・ 久須美光子 写真・松永直子)

 

 

recipe&cooking

料理研究家/フードコーディネーター

久須美 光子

 

東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。

 

 

関連記事一覧