注目のデザイン
中空に浮かぶオブジェのような照明
「チューブ・シャンデリア」
いま、世界で注目されているデザイナー、マイケル・アナスタシアデスの照明が六本木AXISのリビング・モティーフに展示されている。飾られているのは、斬新なデザインだが、どこかクラフト的な雰囲気を漂わせる「チューブ・シャンデリア」だ。
スタジオ・ムンバイのバルミラハウスにも採用
国籍も時代も超え、インテリアに刺激を与える
チューブ・シャンデリアは、2002年に発表された照明だ。
インドを代表する建築家ビジョン・ジェインがチューブ・シャンデリアに興味を持ち、彼が率いるスタジオ・ムンバイが設計したバルミラハウスに採用したことで世界的に知られるようになった。
「シャンデリア」と言うと、カットガラスを多用し、装飾的でキラキラと輝くイメージを抱く読者も多いだろう。しかし、このチューブ・シャンデリアはステレオタイプなシャンデリアとは対極にある照明である。
細長い3本の光源をつなげたミニマルなデザイン。シンプルだが、インドの伝統的な建築技法を使ったバルミラハウスにあっても、見事なまでに融和しながら、空間に絶妙なニュアンスを生み出している。
コンクリートや石のように硬質で無機的な空間でも、木やファブリックに包まれた温かみのある空間でも、ガラスを多用した透明感のある空間でも、チューブ・シャンデリアはその個性を発揮するにちがいない。
細長い3本の光源をつなげたミニマルなデザインのチューブ・シャンデリア。高さは1mと大きめで、シンプルながら直線を活かした強い存在感がある。
マイケル・アナスタシアデス
(MICHAEL ANASTASSIADES)
1967年、キプロス生まれ。ロンドンをベースに活動するデザイナー。2007年に自身のオフィス立ち上げる。手作業にこだわり、エレガントで洗練された作風は世界中から高い評価を受けている。作品はNYのMoMAやロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館に常設展示されている。
Photo: Ben Murphy
チューブ・シャンデリアは、六本木AXISのリビング・モティーフB1Fで、現在、展示されている(*展示期間未定)。