注目のデザイン
ポール・ケアホルムがデザインした
王立芸術アカデミー用の名作デスク
20世紀を代表するデンマーク人デザイナーのひとり、ポール・ケアホルム。ポール・ケアホルムがデンマーク王立芸術アカデミーのためにデザインしたデスク「PK52」が、カール・ハンセン&サン社のコレクションに加わった。
ウッドの天板とスチールのフレームを組み合わせ
無駄のない機能美を体現したポール・ケアホルム初期の名作
ポール・ケアホルムは、直線的なラインから印象的なフォルムを生み出す名匠だ。
たとえば「エレメントチェア」の名で知られる「PK25」。溶接もジョイントもせず1枚のスチール板に切断と曲げ加工のみを施してフレームに仕立て、帆船用の堅牢なロープでシートを造り出した一脚だ。
計算しつくされたミニマルなデザインは経験を積んだデザイナーの仕事を思わせる。しかし、実際には、1951年、コペンハーゲンの美術工芸学校の卒業制作として弱冠22歳でデザインしているのだから驚かずにはいられない。
若くして才能を見出されたポール・ケアホルムは、1955年から約20年にわたってコペンハーゲンのデンマーク王立芸術アカデミーで教鞭を取っていた。その最初期、1955年にアカデミーのためにデザインしたのが「PK52」である。
あえて乱暴な言い方をすれば、細身のスチールのフレームにウッドの天板を組み合わせただけのシンプルさ。しかし、短辺と長辺でフレームの高さを変え、長辺のフレームと天板のあいだに隙間を持たせることで、よりいっそうシャープで洗練された印象を持たせることに成功している。
PK52のフォルムには、思考を妨げることなく自由な発想と創造力をサポートする潔い機能性がある。PK52は、美とデザインを追求する芸術大学にふさわしいデスクであると言えよう。
サイズは幅の異なる2バリエーション
天板は2種類の素材×3種類の仕上げから選択できる
ポール・ケアホルムは、王立芸術アカデミーのために講師用の「プロフェッサーデスク」と生徒用の「ステューデントデスク」の2種類をデザインしている。奥行と高さは同じだが、幅はプロフェッサーデスクのほうが約450mm広い。
今回、1908年創業のウッドファニチャー専業ブランドであるカール・ハンセン&サン社から発売されたPK52も、プロフェッサーデスクとステューデントデスクの2サイズで展開。素材と仕上げは選択できるようにした。
天板の素材はオレゴンパインまたはオークの突板。仕上げは、オイル仕上げ、クリアラッカー塗装、ブラック塗装の3バリエーションから選ぶことができる。また、スチールフレームのラッカー塗装は、グレーとブラックの2色を用意した。
合わせて、オプションとして引き出しモジュール「PK115」もラインナップ。素材はオークで、仕上げは天板と同じ3種類(オイル仕上げ、クリアラッカー塗装、ブラック塗装)からチョイスできる。
書斎のデスクとして、ダイニングテーブルとして、オフィスのワーキングテーブルとしてなど、さまざまに活用できるPK52。60年以上の時を経てもまったく古さを感じさせない普遍的な機能美を、暮らしに取り入れてみてはいかがだろう。
ポール・ケアホルム
(Poul Kjaerholm 1929-1980)
モダニズムを代表する世界的なデザイナーとして確固たる地位を築いたポール・ケアホルム。デンマークの家具伝統を継承しながらも、ドイツのバウハウスや、チャールズ・イームズなどの影響を受けている。また、デニッシュモダンの父と称される王立芸術アカデミー家具科の創設に貢献した、コーア・クリントにも多大な影響を受けている。シンプルで機能的な家具を最高の技術で作るというデザイン哲学を実践し、プロポーションや素材の選択、製作技巧などその仕事において妥協しないことでも知られている。
カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア
住所:東京都渋谷区神宮前2-5-10 青山アートワークス 1/2F
電話:03-5413-5421
営業時間:11:00 – 20:00(平日) 11:00 – 19:00(土日祝日)