注目のデザイン
究極の無垢材の表情を活かした
新しいモダンファニチャーが誕生
天然素材ファニチャーの人気は根強い。樹脂が好まれた時代もあったが、21世紀になってからはむしろ天然木が再び注目されるようになってもいる。そんな流れのなかで、また新たなブランド「スクエアルーツ(SQUARE ROOTS)」が、二人のイギリス人デザイナーの手によって誕生した。
幅の広い木材を贅沢に使い
ナチュラルなフォルムや木のぬくもりを表現
スクエアルーツ(SQUARE ROOTS)は、「自然とモダンの調和」をテーマにしたブランドだ。
木材にまつわる深い知識と経験を持つジャスティン・ウィートクロフトと家具のフィニシング技術を磨いたエドワード・ストッダート。二人のイギリス人デザイナーのコラボレートによる作品をラインナップする。
スクエアルーツが目指すのは、傷や欠けのない完璧なフォルムではない。節や割れなど敬遠されることの多い材も、天然木にしかない風合い、個性ととらえてデザインに採り入れている。
割れには蝶ネクタイのような形をした「千切り」を打ち込んだり。一枚板にこだわらず、複数枚の板をあえて隙間をあけてつないだり。遊び心のある唯一無二のデザインに仕上げている。
フレンチオークとアイアンを組み合わせ
シンプルでナチュラルなモダンファニチャーに
家具の表情を決めるのは、マテリアルとフィニシングだ。スクエアルーツのアイテムもしかり。
クロアチアからカナダまで究極の無垢材を求めて旅をしたジャスティンが選んだのは、フランスの高地であるブルゴーニュ地方で産出される木材。環境にも気候にも恵まれたなかで生育したフレンチオークで、美しい色合いと独特の木目が特徴的だ。
レッグの素材には古いエンジンや機械からリサイクルされたアイアンを採用した。古い鉄を熔解し、再び型に流し込んで新たな鋳物として再生する。年輪を刻んできた無垢材とともに、リサイクルメタルも過去と現在、そして未来をつなぐ。
スクエアルーツのためにそろえられた特別な素材は、エドワードが独自に編み出したプロセスでフィニシングが施される。アンティーク家具のレストアに用いられた技術を随所に採り入れているほか、フレンチオークに豊富に含まれるタンニンに反応する特殊な塗料を使用。木目の美しさを際立たせながら、傷や汚れから木肌を守っている。
ラインナップには、ダイニングテーブル、コーヒーテーブル、ソファ、チェア、サイドボード、ブックシェルフなどが揃うが、いずれもシンプルながら存在感のあるデザイン。
ハンス・J・ウェグナーやジョージ・ナカシマらミッドセンチュリーモダンを牽引してきたデザイナーの哲学を受け継いでいることがうかがえる。
樹木の息吹をインテリアに取り込むようなスクエアルーツの世界観に注目したい。
株式会社アスプルンド
住所:東京都港区三田3-13-16
電話:03-3769-0638