注目のデザイン
オーレ・ヴァンシャーの名作家具に
コロニアルソファとコーヒーテーブルが登場
デンマークの家具デザイナー、オーレ・ヴァンシャーの代表作として知られるコロニアルチェア。世界中で高い評価を受けるこの名作家具に、コロニアルソファとコーヒーテーブルのシリーズが復刻されて新たに加わりました。洗練されたデザインと耐久性を兼ね備えたヴァンシャーの名作に、この機会に改めて注目してみては?
洗練されたデザインと普遍性を追求した
オーレ・ヴァンシャーの代表作
コロニアルチェアは、デンマークの家具デザイナーであるオーレ・ヴァンジャーによって1949年にデザインされた、シンプルかつ洗練されたフォルムが特徴のイージーチェア。
このたびデンマークの老舗家具メーカーであるカール・ハンセン&サンから、コロニアルチェアのシリーズとしてコロニアルソファとコーヒーテーブルが復刻しました。
1903年コペンハーゲンに生まれたヴァンジャーは、デンマーク王立芸術アカデミーで師事したコーア・クリントのもとで働くも3年で家具デザイナーとして独立。プロポーションとフォルムを重視し、家具を建築の一つとして捉えた彼のデザインは、デンマークをはじめ世界各国で数々の賞に輝きます。
その後はデザイナーとしてばかりか、王立芸術アカデミーの主任教授としても、デンマークデザイン界に大きな功績を残しました。コロニアルチェアは、北欧モダンのクラシックとして知られる彼の代表作として、今なお世界中で高く評価されています。
1700年代の英国家具とコロニアル時代に影響を受けた細い優雅なライン。ヴァンジャーはこの時代の家具がもつ格式と優雅さを再現しつつ、現代にマッチしたモダンなデザインをコロニアルシリーズで試みたそうです。
しかし、1964年に二人掛けのソファやコーヒーテーブルが同シリーズとして発表されたことはあまり知られていません。カール・ハンセン&サンは、偉大なデザイナーであるヴァンジャーに敬意を評し、彼のデザイン哲学をより多くの人に伝えたいとの思いから、今回のシリーズ化を決定しました。
流線形を描く流れるようなカーブこそが
コロニアルシリーズのデザイン美学
コロニアルシリーズはどれも、柔らかいカーブを描く丸みを帯びたパーツで構成され、全体を通し平面的な部分は存在しません。安定感と耐久性を十分に検討したからこそ到達した優美なフォルムです。
脚部は前後ともに丸脚で、前脚のトップの断面は挽き加工で美しい仕上がりに。アーム部分は細長い楕円形の断面をもつ流線形で、上下を繰り返しながら流れるようにカーブを描きます。この細部にまでこだわった優雅さこそが、オーレ・ヴァンジャーの美学といえるでしょう。
背と座は置きクッションで取り外しが可能。座のクッションを置くフレームの底は、コットン製のウィービングテープになっています。格子を思わせるシンプルな構造のフレームは、各パーツがお互いを支え合うような構造に。
ソファデザインの基本となっているのはコロニアルチェアのアームチェア。アームチェアからソファへ、意匠の変更も無理のない自然なデザインで体現されているのは、すべてデンマーク国内の自社工場で製造するというこだわりをもつカール・ハンセン&サンだからこその技術力といえます。
正方形のシンプルなコーヒーテーブルもソファとの相性抜群で、ぜひあわせてレイアウトしたい逸品ですね。
みなさんが家具を購入する際に重視することはなんですか? インテリアのテイストは人それぞれに好みがあるけれど、統一感を演出するのがスタイリッシュな部屋づくりのひとつのポイントだそうです。
コロニアルシリーズはヴァンジャーのデザイン哲学が詰まった、まさに一生ものの家具。シンプルで上品な佇まいは、どんな部屋にもマッチしてくれるはず。そんな贅沢な名作家具で統一された空間は、きっと格別なものになるはずです。
(文・開 洋美)
オーレ・ヴァンシャー(Ole Wanscher 1903 – 1985)
1903年コペンハーゲンに生まれる。家具を建築の一つとして考え、プロポーションとフォルムを重視したデザインは、家具職人ギルド展年間賞(1960年)、ミラノトリエンナーレ金メダルなど、デンマークをはじめ世界各国で数々の賞を受賞。北欧モダンのクラシックとして世界中に知られている。また、王立芸術アカデミーの主任教授として、デンマークデザイン界に大きな功績を残している。
カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア
住所:東京都渋谷区神宮前2-5-10 青山アートワークス
電話:03-5413-5421
営業時間:11:00 – 20:00(平日) 12:00 – 19:00(土日祝日)