アーバンインフォメーション

2017.09.29

「清潔感」と「永続性」がコンセプト
隠れ家的なセレクトショップ・ユーフォニカ

自然体で自分らしい生き方を表現する「ノームコア スタイル」。SUMAUが提案するこのテーマでご紹介するのは、横浜・仲町台「Euphonica(ユーフォニカ)」です。服やファッション雑貨など、国内外からセレクトしたアイテムを取り扱う洋品店。シンプルながらどこか温もりがあり、オーナーのセンスが光ります。仲町台エリアからのファッションの提案や、お店のこだわりについてオーナーの井本征志さんにおうかがいしました。

 

白を基調としたシンプルな空間のユーフォニカ。服をメインに国内外からセレクトした選りすぐりの品々が並びます。

 

「質のよい服を長く大切に着る」という

ライフスタイルを大切にする

 

横浜市営地下鉄・仲町台駅から歩いて3〜4分。せせらぎ公園へと街路樹が続く、緩やかなスロープの途中に「Euphonica(ユーフォニカ)」はあります。

 

中学生の頃にファッションに目覚め、90年代ファッションをリアルタイムで体感してきた店主の井本征志さんが、あえてユーフォニカを仲町台にオープンしたのが2015年。仲町台が井本さんの地元だったことから、「店を出すなら仲町台」と当初から決めていたそうです。

 

白を基調とした落ち着いた印象の店内には、服をはじめ、国内はもちろんスコットランドやチェコ、ハンガリーなど、井本さんが世界各国から選りすぐった品々が並びます。ちょっと隠れ家的なセレクトショップです。

 

服はシンプルですが、その一つひとつが手触りや製法などにおいて特徴的で、店内はまさに店主のこだわりが凝縮された空間です。なかにはさりげなく地元・都筑区のクリーニング店の洗剤などが置かれているところもユニークで、井本さんのセレクトのセンスが光ります。

 

3年、5年と着続けられることを大切にして、服はメンズ中心にレディスも取り扱えています。

 

(左)スペインの靴ブランドの可愛らしい子ども用キャンバススリッポン。
(右)地元都筑区にあるクリーニング屋さんがつくった「リブレ」は、天然ヤシ油を精製した洗剤。汚れ落ちがよく、シルクドソレイユTOTEMなどの舞台衣装や、有名アーティストのライブ衣装のクリーニングにも使われるほど。

 

ユーフォニカのコンセプトは、「清潔感」と「永続性」。

 

「年を重ねるとだんだんと似合う服も変化してきますが、それをポジティブに捉えて、そのうえで楽しめるファッションを提案していけたらと思ったのです。さらに、来年になったら着られないものではやはり寂しいですから、3年、5年と着続けられるものを選びたい」と井本さん。

 

ここ数年ファストファッションの考え方もありますが、「質のよい服を長く大切に着る」というライフスタイルを大切にする方には、きっと響くものがある店だと感じました。服はメンズが中心ですが、一部レディスの取り扱いもあります。

 

この秋おすすめの紺のジャケット。伸縮性に優れた圧縮ウールジャージ素材で、軽くてやわらか。カジュアルにはもちろん、形がきれいなためかっちりとした印象にも見せてくれます。日本製。59,400円(税込)。

 

スロバキアで生産されていたシューズブランド「ZDA(ゼットディーエー)」のマラソンシューズ。井本さん曰く、「このアカ抜けないデザインがポイント」だとか。22,680円(税込)。

 

「環境のよい仲町台に可能性を感じています。ユーフォニカをきっかけに、仲町台の魅力を知ってもらえたら住民としてはうれしい限りです」と代表の井本征志さん。

 

環境がよくて可能性のある仲町台エリア

〝まちの洋品店〟という感じをめざす

 

ユーフォニカはもともと井本さんの同世代の方に向けてオープンした店だそうですが、「最近は20代の若いお客様も増えてきている」とのこと。お店に遊びに来る感覚で、コーヒーを飲みながら何時間も話し込んでいくお客さんもいるそうで、まさに井本さんの気さくで親しみやすい人柄がうかがえるエピソードです。

 

「たとえば行きつけの居酒屋があるように、地元のオッちゃんがやっている〝まちの洋品店〟という感じで(笑)、気軽に自分の居場所のような感覚で来てもらえればうれしいです」と井本さんは話します。

 

ユーフォニカに足を運ぶお客さんはというと、仲町台エリアに住んでいる方ばかりではなく、インターネットで調べて遠方から訪れる方や、イギリスや台湾など海外からの問い合わせも多いのだとか。

 

ウール100%のニット。編む時の1インチあたりの数が30発に施されており、技術力の問題から日本でつくることは不可能だそう。着心地抜群のうえ、家庭での手洗いも可能。スコットランド製。

 

(左)独自の形状をした収納構造が特徴的なBACH(バッハ)など、バックパックの種類も豊富。
(右)ロンドンの小さなアトリエで一点一点作られるチャーリー・ボロウ氏のベルトなども揃っています。

 

そもそも井本さんが仲町台を選んだのは、地元であること以外に、「まだまだ仲町台に可能性を感じている」ことも理由の一つでした。

 

「もちろん誰もが知っている場所のほうが集客には苦労しませんが、仲町台は飲食店が充実していて横浜でありながら自然も多く、とても環境のいいところです。もっと人が集まってもいいエリアだと思うので、ユーフォニカをきっかけに外から人が来て、仲町台の魅力を知ってもらえたら住民としてはうれしい限りです」(井本さん)

 

「ファッション」という立ち位置から仲町台の魅力も発信するユーフォニカ。すぐ近くには都筑区民の憩いの場となっているせせらぎ公園や、建築家・横河健氏が設計を手がけたレストラン・フレスコなどもあります。仲町台の散策を兼ねて、ぜひ気軽にユーフォニカに訪れてみてはいかがですか? ここから発信するファッションに出会うことができるはずです。

(取材・文/開 洋美、写真・川野結李歌)

 

「〝まちの洋品店〟という感じで、気軽に自分の居場所のようにユーフォニカに来てもらえればうれしい」と井本さん。

 

横浜市営地下鉄・仲町台駅からせせらぎ公園へ向かい、街路樹が続く緩やかなスロープの途中にあります。

 

Euphonica(ユーフォニカ)

住所:神奈川県横浜市都筑区仲町台1-33-19

電話:045-532-8460

営業時間:12:00〜20:00

定休日:水曜日

http://euphonica.yokohama/

関連記事一覧