アーバンインフォメーション
赤坂でカジュアルにアートを楽しむ
ギャラリー&カフェ「ジャローナ」

赤坂でもっと身近にアートを観賞したい! 高級レストランやエンタメスポットなど、大人の繁華街というイメージの強い赤坂だが、アートを身近に楽しめるギャラリーを発見。赤坂駅からも近いビルの地下にあるギャラリー&カフェ「ジャローナ」を訪ねた。

ギャラリーにカフェが併設された赤坂のジャローナ。
絵画、写真、クラフトなど多彩な企画展を中心に
「暮らしに採り入れたくなるアート」を提案
2012年にオープンしたジャローナは、展示スペースにカフェを併設したギャラリーだ。
「カフェに作品を飾っているのではなく、ギャラリーが主体。作品を見に来てくださったお客様にゆっくりしていっていただきたいと思って、カフェもやることにしたんです」とオーナーの竹村浩伸さんは言う。
陶芸やガラス、アクセサリーなどのクラフト作品、絵画、写真など多彩な内容を、1週間から2週間ごとに入れ替えて展示している。貸ギャラリーではあるが、展示の大半はオーナーの竹村さんご夫妻も企画段階から関わっている。

取材中は「世界にひとつのマグカップ・ブローチ展」が開催されていた。

なみさんらによる手づくりのブローチを展示販売。
じつは竹村さんご夫妻はおふたりとも美大の出身なのだ。浩伸さんは武蔵野美術大学で工業デザインを、奥様の好能(よしの)さんは女子美術大学で陶芸を学んだ。
「昔の日本家屋には床の間があって、季節ごとに軸を掛け替え、花を活けていましたが、近年は自宅に和室があることは稀。床の間のように美を飾るスペースもなくなり、生活からアートが遠のいてしまいました。でも、住まいに質のいいアートやクラフトを採り入れれば生活に潤いが出ます。“飾る文化”をもっと身近に感じてほしいと思って企画を考えています」(浩伸さん)

宮澤良恵さんなど陶芸家たちのマグカップも多数、展示販売。

(右)今回のマグカップのようにクラフト作品の企画展も多い。
(左)オーナーの竹村浩伸さんは、「ギャラリーが主体のカフェ。作品を見に来てくださったお客様にゆっくりしていただきたいと、カフェも併設しました」と語る。
身近に手づくりの作品に触れて
暮らしにアートを採り入れたい
たとえば、花器の展示ではフラワーアレンジメントの作家とのコラボレーションで、器を飾るイメージを見せる。同じ花でも、大量生産の器に活けるのと作家の手仕事から生まれた器に活けるのとではこんなにも表情が変わるのかと驚くかもしれない。
「Mini額 コレクティブアート展」では、ちょっとしたスペースでも飾れるアート作品を集める。ミニ額は額の端材でつくるため、ふたつとして同じものがない。この世にひとつの額に合わせて作家がつくった一点もののアート作品は、アートを購入した経験がない人にもおすすめだ。

ジャローナの空間で自分だけの宝物を見つけたい。

カフェでは軽食とスイーツ、ドリンクを用意。メニューには浩伸さんの故郷である種子島の焼酎や「スペースサイダー」も。種子島産のキビ砂糖を使ったワッフルは、ふんわりやさしい味わいだ。写真は人気のチョコバナナワッフル。800円。ドリンクセットで1250円。
「イメージしやすいように組み合わせたりしながら、ふつうのご家庭に飾れるもの、暮らしのなかで使えるものを提案していきたいですね。ギャラリーで見て“いいな”と思って終わってしまうのではなく、手に取って、買って、使っていただきたい。いいものを使うと愛着が湧くし気持ちも豊かになりますから」(好能さん)
アートは暮らしとかけ離れた存在ではない。ジャローナは、そんなふうに思わせてくれるギャラリー&カフェだ。ジャローナで手仕事の作品やアートに触れ、暮らしに採り入れてみてはいかがだろうか。
(取材・文/久保加緒里、写真・山西英二)

切り絵作家のUKOTAさんの200匹の立体金魚も飾られているジャローナ。

都心の赤坂にあって、温もりを感じるような優しいギャラリー&カフェだ。
ジャローナ(Jalona)
住所:東京都港区赤坂2-6-22 デュオ・スカーラ赤坂Ⅱ B-102
電話:03-3587-6810
営業時間:12:00〜19:00
定休日: 日曜、月曜