Season's Home Deli
寒い国の知恵に学ぶ
温かなおもてなし料理
ハッピーな気持ちになるお友達との寒い冬の夜のお集まりに、カラダも心もじんわりと温まるメニューをアイルランドとベルギーで人気のあるお料理からご紹介したいと思います。
メインには、ギネスビールで煮込んだシチュー、旬の芽キャベツのソテー、焼いたマシュマロをショットグラスに見立てた食後酒&デザートの3品です。食後酒にはアイルランド発祥のアイリッシュクリームを使用してみました。 どうぞお楽しみください!
今月のメインRecipe: 牛肉のギネス煮込み
アイルランドの伝統料理である牛肉のギネス煮込み。
デミグラスソースを使わずに、これだけの照りとコクが出るのはギネスビールのおかげです。
材料も作り方も複雑なものは何もなく、ただただじっくりと煮込むだけ。
今回は、ホロホロとした食感になる牛スネ肉を選んだので煮込み時間が長くなりましたが、
シチュー用やモモ肉を使えば時間短縮できます。
こういった煮込みは前日までに作って寝かせておくと、コクが増してさらに美味に!
ぜひお試しになってみてください。
材料(4人分)
牛スネ肉……………………………800g(大きめの一口大に切って塩・こしょう少々をまぶし、焼く直前に
薄力粉大さじ3をまぶす)
玉ねぎ(大)………………………1個(200g。薄切り)
にんじん(中)……………………1本(180g。5mm厚さに輪切り)
マッシュルーム……………………5ケ(110g。3mm厚さに薄切り)
ギネスビール………………………1缶(330ml)
水……………………………………1カップ(200cc)
顆粒コンソメ………………………12g
トマトペースト……………………大さじ2
ベイリーフ…………………………2枚
ドライタイム………………………少々
塩・こしょう………………………各適量
オリーブオイル……………………大さじ3〜
<飾り用>
生クリーム…………………………少々
作り方
1.深なべにオリーブオイルを熱し、牛肉の全面に焼き色をつけて、ボウルに一旦取り出す。
2.1に玉ねぎとマッシュルームを入れて3分ほど中弱火で炒め、牛肉、トマトペースト、ベイリーフ、ドライタイム、コンソメ、ギネス、水、塩・こしょう少々を加えて一旦沸騰させてから中弱火で2時間半ほど時々かき混ぜながら煮込む。(圧力鍋の場合は1時間)。
3.牛肉が柔らかくなったら火を止め、塩・こしょうで調味して仕上げる。
4.器に盛り付けたら、生クリームをかける。
プラスワンINFO
*出来上がった煮込みを冷蔵庫に入れておくと余分な脂が冷えて上部で固まります。
ゴロゴロ芽キャベツと
ベーコンのやみつきソテー
ちょうど旬を迎えた芽キャベツを美味しく味わう、ビールやワインにピッタリのベルギー料理。
ポイントは塊のベーコンを使うこと。その食感と味わいには、薄くスライスされたものに比べ、
格段の差があります。
芽キャベツをじっくり弱火にかけるのは少々根気がいりますが、基本的にはほったらかしながら、
焦げないようにフライパンを時々揺すってソテーしていきましょう。
ゆっくり火を通すことで芽キャベツ独特の苦味と甘みが引き出され、
ベーコンの風味とのコンビネーションが絶妙な仕上がりになりますよ。
旬のうちに何度でも作りたくなる、やみつき副菜となることでしょう。
旬の芽キャベツとブロックベーコンのソテー
材料(4人分)
芽キャベツ……………………………14ケ(180g。芯の方から深めに十字の切り込みを入れる。バラバラに
ならないように芯は落とさないこと)
ブロックベーコン……………………70g(4cm×7mmの短冊切り)
水………………………………………1/4カップ
塩・こしょう…………………………各少々
オリーブオイル………………………大さじ4〜
<飾り用>
セルフィユ…………………………… 少々
作り方
1.フタ付きフライパンにオリーブオイルを入れ、芽キャベツを生のまま入れて中弱火にかける。
2.3分くらいしたら弱火にし、時々フライパンを揺すりながら20分ほどフタをせずに炒める。
3.オイルが足りなくなってきたら、大さじ1ずつ加えながら炒めていく。
4.20分くらいたったらベーコンを加え、弱火のままベーコンに程よい焦げ目がつくまで
炒める。
5.4に水を加え、フタをして弱火で蒸らしながら水分がなくなるまで4分ほど火にかける。
6.ベーコンから出る塩分を確認しながら、塩・こしょうで調味する。
7.器に盛り付けたら、セルフィユを飾る。
プラスワンINFO
*芽キャベツに早く火を通したい場合は、縦半分にすると良いですよ。
見た目は丸のままの方が可愛いので、レシピでは火を通しやすくするために、
十字の切り込みを深めに入れるようにしました。
大根を煮る時に十字の隠し包丁を入れるのと同じ原理ですね。
*ベーコンを加えるまでは菜箸などを使わずにフライパンを揺すりながら炒めましょう。
菜箸で触りすぎると芽キャベツの葉がめくれて外れてしまい、見た目が美しく保てなくなります。
デザートにも食後酒にも!
焼きマシュマロのグラス仕立て
最後にご紹介するのは、焼いたマシュマロをショットグラスに見立てた食後酒&デザートです。
マシュマロを焼いてお皿の上に置くと、真ん中が溶けてくぼみ、グラスのようになります。
そのくぼみにアイリッシュクリームリキュールを注いでマシュマログラスごと口に入れる楽しみかたと、カットしたイチゴを入れて食べる楽しみかた、2種類をご紹介したいと思います。
BBQの時の焼きマシュマロとは違う味わいをどうぞ!
焼きマシュマロのショットグラス アイリッシュクリーム&ストロベリー
材料(4人分)
マシュマロ…………………………………………………8個
イチゴ………………………………………………………2個(1個を縦に4等分にスライス)
アイリッシュクリームリキュール………………………1/4カップ
作り方
1.マシュマロの縦方向の真ん中にフォークを刺し、ガス火で炙る。
2.底が溶けて抜けてしまわないように注意しながら炙り、
マシュマロを触ってみて中心が柔らかくなったら火からおろしてフォークを抜く。
3.しばらくすると中央がくぼむので、粗熱が取れたら4個にリキュールを注ぐ。
残りの4個にはイチゴを入れる。
プラスワンINFO
*もしも炙っている途中にマシュマロの形が崩れてしまった場合には、
パフェにして楽しむ方法があります。
器にバニラアイスクリームを盛り付け、形が崩れたマシュマロとイチゴを配し、上からアイリッシュクリームを適量かけてみてください。リキュールもイチゴもバニラアイスクリームとの相性はバッチリなので、美味しいデザートとなりますよ。
(文・ 久須美光子 写真・松永直子)
recipe&cooking
料理研究家/フードコーディネーター
久須美 光子
東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。