HAPPY GARDEN DIARY
ベジタブル・ガーデニング
「ポタジェ」の楽しみ
あたたかな日差しと風が心地よい季節がやってきました。まさにガーデニング・シーズン到来!
そこでこの時期チャレンジしてみたいのが、ベランダで楽しむ野菜づくり「ポタジェ」です
混植でお互いの良さを引き出す
コンパニオン・プランツ
ポタジェとは“家庭菜園”を意味するフランス語。鑑賞と実用を兼ね、野菜や果樹、ハーブなどを寄せ植えするものです。中世、自給自足の生活を送っていたフランスの修道院で食用になる植物を栽培したのがはじまりで、それらの野菜を主にスーブづくりに使ったことから、スープを意味する「ポタージュ」が語源になったといわれています。
ベランダで野菜づくり? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、コンテナでも立派に育てられる野菜やハーブはたくさんあります。今月はそんなポタジェの世界をご紹介します。
トップの写真は、ミニトマト、バジル、ナスタチウムの寄せ植え。
一緒に植えることでお互いに有益となる植物を「コンパニオン・プランツ」といいますが、この3種はまさにその組み合わせによるもの。混植することで、バジルがトマトの味を引き立て、防虫効果のあるナスタチウムはアブラムシやコナジラミの発生を防ぎます。
黄色とオレンジの花を咲かせたナスタチウムは、彩りのアクセントになるだけでなく、摘み取った花はサラダなどの飾りとしても使えますし、マスタードのようなぴりりとした辛さのある葉は、ハムなどの具材とともにサンドイッチにするのもおすすめです。
ミニトマトは太陽好きなので、日当たりと風通しのよい場所で育てます。茎がしなやかに伸びていくため、植え付け後は支柱を立てるか、フェンス際に置いて誘引するといいでしょう。
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりを。花が咲き始める頃から主枝と葉の間のわき芽を順次摘み取りすることで、茎が太く育ちます。その後、一ヶ月ほどしたら、実がなり始め、徐々に大きく育ってきます。やがて色づき始めたらさらにしっかり日差しをあてて、熟れたものから収穫。適宜追肥をすれば、3〜4か月にわたって収穫できる場合もあります。
穫れたてのミニトマトとバジルでサラダ……その味は格別です!
ブーケガルニ用ハーブを
寄せ植えに
次は、ポトフやスープなどの煮込み料理の風味づけに使う香草類の束、
ブーケガルニ用のハーブを寄せ植えにしたもの。
料理に使うハーブは、自分で育てておけば、使いたいとき、使いたい分だけフレッシュな摘みたてハーブを利用できるので便利です。
なにより摘みたてフレッシュなハーブは香りもよく、料理の味を引き立てます。
今回植えたのは、ローズマリー、タイム、パセリ、月桂樹(ローリエ)の4種類。
ハーブはもとが野生の植物なので、丈夫でほとんど手がかからないのもうれしいところ。
どんどん茂るのと、過湿を嫌うものが多いので、十分にスペースをあけて植え、
風通しをよくすることも大切です。
育ったものから、マメに収穫して、料理はもちろん、いろんなシーンで活用してください。
コンテナで楽しむ
ベビーリーフ畑
最後にご紹介するのは、サラダ用ベビーリーフの自家菜園。
こちらは鉢やコンテナに、種をまいて育てます。
種は、市販のミックスリーフの種を利用するのがおすすめ。
サニーレタス、サラダ菜などさまざまな野菜の種が入っていて好みのものが選べます。
育てかたも簡単で、鉢に土を入れ、直接パラパラと種をまくだけ。
レタス類の種は“好光性”といって光を感じないと発芽しないため、種をまいたら厚く土を被せず、
軽く土をかけるのもポイントです。
この時期(気温20℃程度)であれば、3〜4日で発芽。それまでは水分をきらさないようにすること。
一週間ほどすると、双葉がでてきて混み合ってくるので、適宜間引きをし、
8〜10㎝ほどに育ったところで順次収穫します。
外側の葉から摘み取っていけば、新しい葉が次々と出てきて、長期間楽しめます。
ちなみに、撮影時は双葉が出て本葉はまだ出始めだったベビーリーフですが(写真上)
2週間ほどたって、ここまで育ち、収穫できるようになりました(写真下)。
(文・原口りう子 写真・松永直子)
ガーデニングデザイン:
有川宗子(ありかわ もとこ)
東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。
株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。