HAPPY GARDEN DIARY
ひと足早い春を運ぶ
室内ガーデニング
暦の上では立春も過ぎ、いよいよ春の訪れ。とはいえ、実際には寒さ厳しい日々が続き、屋外の作業も躊躇してしまいがちです。そんな狭間のこの季節こそ、室内ガーデニングで春色の花を楽しんでみませんか。
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“寄せ鉢”でつくる
春色バスケット
外は風が冷たいけれど、お部屋ではひと足早い春を演出したい。
そんなときにおすすめなのが、「寄せ植え」ならぬ「寄せ鉢」です。
これはポットの苗をそのままカゴやコンテナに入れ替えて楽しむ手法。
土の入れ替えがないので部屋を汚す心配もありませんし、
なにより暖房の効いた室内でできるとあって人気です。
今回は冬の鉢花4種類を用意し、ラウンド型のバスケットにセットします。
バスケットと苗のサイズを考慮しつつ、春を感じさせるピンクと白の花を選びました。
まず、ボリュームのあるサイネリアを奥に入れ、手前に3つの植物を並べていきます。
このとき、小さい鉢は、プラスチックカップなどを使って底を上げ、高さのバランスを整えます。
さらに色の配置も重要ポイント。
奥に置いた薄いピンクのサイネリアから両側の白いふたつの花へとグラデーションのような流れを作り、
手前センターに濃いピンクのマラコイデスをアクセントとして配置することで、リズミカルな印象に。
バスケットにはビニールを敷いているので、水やりもポット苗にそのまま水を注げばオッケー。
直射日光を避けた明るい窓辺などに置くと、その美しさを長く楽しめます。
鉢カバーの工夫で
表情に変化を
冬の鉢花として人気のシクラメン。
別の鉢に植え替えて寄せ植えするという楽しみかたもありますが、
単独で十分に存在感を主張できるのもまたシクラメンの特徴。
そこで今回は、鉢カバーを活用した演出方法をご紹介します。
実はこの鉢カバーを変えるだけでも、かなり印象が変わるもの。
園芸店でもいろいろなカバーを手に入れられますが、
最近は、インテリアショップやライフスタイル系のセレクトショップで多く見かけられるようになったので、専門店に限らず、こうしたショップで探してみるのもおすすめです。
ちなみに上の写真のカバーは、インテリアショップで購入したもの。
かぎ針編みのモチーフをつないだような温かみのあるデザインが、
白×ピンクのかわいらしいシクラメンの花とマッチして、やさしくおしゃれな雰囲気に。
リビングのアクセントにぴったりです。
またこのカバー、見た目は毛糸やレース編みのカバーのようですが、ベースがワイヤーなので、
しっかりと自立するのもうれしいところ。
基本的には、プラスチックの鉢ごと入れるだけですが、元の鉢の状態(写真下)と比べれば、
そのイメージの差がお分かりいただけることでしょう。
そしてもうひとつ、高さのある白いブリキの鉢カバーを利用したのが下の写真。
中にセットしたのは同じシクラメン鉢ですが、鉢カバーを変えるだけで、表情が一変。
床や地面にそのまま置けるので、玄関先などに飾るエントランスフラワーにしても素敵です。
ただし、気温がぐっと下がる夜は、室内へ移動されることをお忘れなく。
さらに、カバーを変えるだけでイメージアップできる例をもう一点。
下の写真はカランコエを白いハンドル付きのカゴにセットしたもの。
小さなポット苗は、寄せ植えの材料のひとつとして考えられがちですが、
手持ちのカゴなどに入れるだけでも、こんなふうに雰囲気が変わります。
カバーになりそうなものを探し、置き場所にあわせたさまざまなアレンジを楽しんでみてください!
寄せ鉢の花を
アレンジメントに生かす
最後に、鉢花を活用した簡単なアレンジメントを紹介します。
メインはバスケットの寄せ鉢で使ったピンクのサイネリア。
サイネリアは花が次々と咲くので、このような飾り方もぴったり。
今回はこのほかに、ネメシア、ハーブゼラニウム、ノシラン、ストックをプラスし、
楚々としたかわいらしいイメージに仕上げました。
実はすべてこれらはホームガーデニングで育てたもの。
植物の成長や寄せ植えを楽しむ以外に、こうした切り花のアレンジにも挑戦しつつ、
春の訪れを心待ちにしたいものです。
(文・原口りう子 写真・松永直子)
ガーデニングデザイン:
有川宗子(ありかわ もとこ)
東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。
株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。