HAPPY GARDEN DIARY
春を呼び込む
パステルカラーの寄せ植え

朝晩はまだまだ肌寒い日々が続くとはいえ、天気のいい日中は暖かい日差しも感じられるようになりました。そこで今月は、そんな春をひと足先に感じていただけるパステルカラーの寄せ植えを中心に紹介します。
鉢の中は
春の気配でいっぱい
玄関やベランダガーデンの主役になる大鉢の寄せ植えは、
幾重にも重なる薄い花びらが印象的なラナンキュラスを中心として
春色の植物を鉢いっぱいに詰め込みました。
主役のラナンキュラス、その脇を固めるのは、
早春の寄せ植えに欠かせないプリムラやネメシア、アリッサムなど
淡いペールトーンが印象的な小花植物たち。
グリーンも、まんまグリーンではなく、つぼみのジャスミンやコロニラといった
やがてかわいらしい花を咲かせる植物を選んで、
春爛漫の雰囲気を長い間楽しめるようなセレクトにしました。

奥が主役のラナンキュラス、手前はプリムラ(ピンク、イエロー)

左からネメシア(ラベンダー、ピンク)、わすれな草、アリッサム

左から、ジャスミン、コロニラ、シロタエギク
植物が用意できたら、植え付け。
寄せ植えについては何度かこの連載でも紹介してきましたが、
今回はおさらいとして、再度、基本のプロセスを追って説明します。
まず、鉢の底に水はけ促進&根腐れ防止の目的で、鉢底石を置きます。
穴をふさぐネットを敷き、その上から鉢底石を入れるのが一般的ですが、
下の写真のようにネット状の袋に鉢底石を入れたものを利用すると、
次に植える時も再利用しやすく、おすすめです。
鉢底石をセットしたら、その上から植え付け用の土を鉢の6分目くらいまで
(植える植物の高さで量は加減を)入れます。
土は市販されている園芸用の肥料入りの培養土を使うといいでしょう。

(左)鉢底石をいれるネットは専用のものも市販されているが、三角コーナー用のネットや野菜保存用ネットでも代用できる。(右)園芸用の培養土は、赤玉土や堆肥、土壌改良剤などが配合されていて、使いやすい
ここから植え付け。
まずはメインとなるラナンキュラスを最初に。
背が高いので奥に配置し、ポイントとしてから他の草丈の長い植物を順に植えていきます。
丈の長い植物は、サイドや手前に垂らすイメージで動きを出し、
プリムラのような背の低い植物は手前に集めるなど、
それぞれの植物が持つ個性が生きるような位置を探して植えるのがポイントです。
ちなみに、ラナンキュラスは、花びらだけなく、根も繊細なので
ポットから苗を外す際もあまりいじりすぎないこと。
この大鉢の寄せ植えでは、わすれな草も同様に、根鉢を崩さず、やさしく扱うことが大切です。

主役となるラナンキュラスの位置を決めた後、奥から手前に向かって植物を配置していく
植物をすべて植えたら、それぞれの間を埋めるように、しっかりと土を入れていきます。
割りばしなどを使って隙き間がないかチェックしながら、ポケットを作らないよう土を入れ、しっかり植え付けることで、植物が元気に育つのです。

(左)植物の間までしっかり土を入れて、植物を固定する。(右)割りばしを使うと、土が埋まっていないポケット部分なども見つけやすい
植え付け後は、花に水がかからないよう注意しながら、鉢底から流れ出るくらい十分に
水やりをして、土と根をなじませます。その後、日当たりのよい屋外へ。
その後の水やりは、土の表面が乾いたところでたっぷりと。
プリムラ、ラナンキュラスは4月中旬くらい、
そのほかの植物は、ゴールデンウィークくらいまで、と長く楽しめます。
春の日射しにやさしく映える
白い花のグラデーション
次にご紹介するのは、複数種類のホワイト系植物を集めた寄せ植え。
今回は、マーガレット、ネメシア、プリムラ、花かんざしの4種類を選びました。
同じ白い花でも草丈や花の形の違いにより、このように立体感が生まれ、華やかな印象に。
葉のグリーンがより白が引き立たせるだけでなく、ナチュラルな雰囲気も感じられて
爽やかな春にぴったりです。
「背の高い植物を奥、低い植物を手前に」というレイアウトの基本の手法をおさえておけば、
色あわせをさほど気にする必要がなく、ビギナーでも挑戦しやすいのが同系色の寄せ植え。
白以外でも好きな色の花を集めて、季節の寄せ植えを楽しんでみてください。

植え付けの前には、黄変したり、破れたりしている葉のカットも忘れずに。
プリムラの場合、花の中にたくさんのつぼみが隠れていて次々と開花を迎えるので
終わった花から、摘み取っていくことも大事

白い花の寄せ植えはアンティーク調の鉢とも相性抜群
ガーデニングデザイン:
有川宗子(ありかわ もとこ)
東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。
株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。