HAPPY GARDEN DIARY
コンテナ選びで個性を発揮
春を運ぶパステルカラーの寄せ植え
3月に入って日増しに春らしい暖かさを感じるとともに、街のフラワーショップにも春らしい色の花や植物が多く並ぶようになりました。今月はそんな春咲きの花を使って、3つの形の違うコンテナで表情に変化をつけた寄せ植えをご紹介します。
ブーケスタイルの寄せ植えには
丸いローボウルがぴったり
ローボウルと呼ばれる丸鉢では、その広い口径を生かし、春らしいパステルカラーのプリムラとスイートアリッサムをフラワーブーケのイメージで植えてみました。
プリムラは、サクラソウ科の多年草で、小惑星という意味。さまざまな種類がありますが、今回はバラのような可憐な花を咲かせるプリムラキャンディマジックという品種から、淡くやさしいトーンの4色をセレクト。隙き間を埋める小花には、スイートアリッサムを準備しました。
植えかたは、4色のプリムラの中でもいちばん色がはっきりとしたパープルを中心として、外側に向かって広げていくように、ほかの3種をバランスよくレイアウトしていきます。今回は鉢の丸い形を生かし、背中や正面を作らず、四方どこから見ても美しく見える“四方見(しほうみ)”スタイルを意識して植えています。
プリムラの位置が決まったら、間を埋めるようにスイートアリッサムを配置。小さな花が手まり状に固まって咲くスイートアリッサムは、花自体のかわしらしさに加え、主役のプリムラの存在感を引き立てつつ、全体のバランスを整える役割も果たすので、このように華やかさを出したい寄せ植えに最適。日陰に強く、花期も長いので、梅雨明けまで可愛らしい花を楽しめます。
また、これからの成長分を考慮して、あまり詰め込みすぎず、適度なゆとりを持たせておくことも大切です。プリムラの葉をあまり摘み取らず、この葉で隙き間を埋めるようにすれば、グリーンがアクセントとなり、ナチュラルな雰囲気も演出できます。
最後にアイビーなど、垂れる植物を適宜加えれば、リズミカルな印象に。
ローボウルのコンテナは、そのまま置いて低い位置で楽しむ以外に、アイアンスタンドなどに乗せ、高さを出したスタンド鉢として飾るのもおすすめです。
窓際をにぎやかに彩る
ウィンドウボックス
次にご紹介するのは、横長のプランターを使った寄せ植え。こうした横長タイプは“ウィンドウボックス”とも呼ばれ、窓辺やベランダを飾る目的でよく使われます。
今回は「春の野原」をテーマに、草花が自然に咲いているようなナチュラルな雰囲気の寄せ植えを目指しました。それに合わせ植物を比較的多く使ったほか、植え込みの際は隣同士の花の高さを同じにせず、あえて高低差が出るような動きのあるレイアウトにしています。
使用する植物は、大きく分けて3つ。
まずは清楚で上品なイメージの白い花。どんな背景にもなじむのはもちろん、他の花の色を邪魔せず、かつ適度に主張するのが白い花の特徴です。ここでは、カサカサとした手触りの小さい花と細長い葉を持つハナカンザシ(ヘリクリサム)、株全体に白い粉がつくことから別名“化粧桜”とも呼ばれるプリムラ マラコイデス(サクラソウ)、さらに白い花とシルバーリーフの対比が印象的なローゼンセマム アフリカンアイズ……と、個性的な白い花をセレクトしました。
そして最後に、これらの全体のバランスを調整するつなぎ役に選んだのが、下の写真の3つの花。白い花と相性のよいイエローカラーの植物ふたつと、カラーアクセントして効果的なブルーデージーです。
今回はプランターのサイズが大きめで、前後2例に植えられるので、植物も多めに用意しています。
植え方のプロセスとしては、まず、高さを出したい奥からレイアウトを考えます。
用意した植物の中で最もボリュームのあるプリムラ マラコイデスをメインに、3つのグループからそれぞれと隣同士が似た色、高さにならないように植えつけ。いろいろな高さ、色、花の形を散らすことで、リズミカルな表情を作ります。
奥が決まったら、手前側に背の低い植物を植えていきます。このときは隣同士だけでなく、奥との並び、前後のバランスをも考えて配置することが大切。植物の種類自体は多いですが、色数を抑え、似たトーンの花を選ぶことで統一感がありつつ、春の息吹を感じる生き生きとした印象の寄せ植えに。玄関やベランダなどいろいろな場所に置いて、春の訪れを感じてください。