HAPPY GARDEN DIARY
寄せ植えアレンジメントで
フラワーバレンタイン
新しい年がスタートしてはや3週間。なんとなく慌ただしさも落ち着いてきたら、2月に待ち受けるバレンタインデーに向け、ちょっと早めにギフトの準備をしてみませんか。
ひと足早い春を感じる
キャンディカラーのフラワーバスケット
2月のシーズンイベントといえば、真っ先に思い浮かぶのがバレンタインデー。
友チョコブームが定着したように、最近は女性同士、友人同士でプレゼントを贈り合う、
ちょっとしたギフトイベントのようにもなってきました。
そこで今年おすすめしたいのが、寄せ植えギフト。
贈る側は「植える」楽しさがあり、贈られる側は「育てる」楽しさがあるというのが、
寄せ植えギフトの魅力。今回はそれぞれ個性が違う3つの例をご紹介しますので、
贈る相手の好みやライフスタイルに合わせて、チャレンジしてみてください。
ところで、家で飾るものと違い、贈りものにする場合は、少し工夫が必要です。
まず、1つめは、土の選び方。
持ち運びするときのことを考え、土は軽い専用土をセレクトするのがベターです。
2つめは、コンテナ。
あまりに大きいと手入れや移動が大変なので、インテリア感覚で気軽に飾ってもらえるようなサイズを意識して選ぶこと。カゴやウッドコンテナ、ブリキのバケツなど、ナチュナルで暮らしに自然に溶け込む感じのコンテナがおすすめです。
さらに必須なのが、排水用の穴。園芸店やホームセンターで購入できる専用コンテナはあらかじめ穴のあいたものが多いですが、そうでないものを利用するときは、最初に穴をあけておくこと。
また、バスケットは網目から排水できますが、水やりの際、土が一緒に流れ出るのを防ぐため、穴をあけたビニールカバーを底に敷きます。ほかに麻袋や不織布、水苔などでも代用できます。
さて、ここからはトップのフラワーバスケットの寄せ植えを例に、
植えかたのプロセスを、ポイントとともに紹介していきます。
使用した苗は7種類。
今回はフラワーバスケットのイメージで、寒さに強い植物の中から、
春を感じさせるパステル調のキャンディカラーの植物をセレクト。
どれかひとつが主張するのではなく、全体的なかわしらしさ、キュートさを演出するため、
小花を中心に選びました。
■Flower Material
まずは、ビニールを敷いたカゴの中に、鉢底石をひと並べ。
その上から土をいれていきます。
苗の量にあわせて土の量は加減するので、まずは半分量を目安に。
次に苗を植えていきますが、今回のように、葉が多く茂っている苗については、適宜、葉をカットして植え付けること。
小さいコンテナにたくさんの株を植えるため、葉を密集させすぎると、互いの植物の生長を妨げる可能性があるからです。
さらに、花の色をかためず、散りばめるように少しずつ配置すると華やかさが増すため、
ひとつの苗を株分けして植えるのもテクニックのひとつです。
その場合、株元を見て、株が分けられる植物かどうかをチェック。
株元がひと固まりで分割できないものを無理矢理分けると、枯れてしまいますので、しっかり見極めを。
分けた後は植えやすいように、余分な土をはらい、スリムにしておくことも大切です。
苗の準備ができたら、植え方は、基本どおり。
奥に背の高いもの、手前に低いものや垂れるもの……を意識して植え付けていきます。
花を株分けし、少しずつ散らしてレイアウトすることでリズミカルな印象に。
今回は小花を中心として、パステル調の花を中心に選んでいるので、散らすように配置しても、全体的には統一感のある仕上がりになります。
バスケットの寄せ植えは、生花のアレンジメントと同じ感覚で楽しめるのも魅力。
ただしこちらは土が入っているので、育てる楽しみもあり、一石二鳥。
特に今回の寄せ植えは、いずれも育てかたが比較的簡単なので、贈られた方側の負担も少ないはずです。
育てかたのアドバイスを書いたカードを添えるなどすれば、さらに喜んでいただけることでしょう。
アンティークカラーでまとめた
花壇風の大人アレンジメント
次にご紹介するのは、アンティークカラーのビオラを集めて、ウッドコンテナに植え込んだもの。
ラテン語でスミレを意味するビオラはかわいい小花が特徴。なかでも今回は華やかなフリル咲きのものをセレクト、シックなカラーと相まって、大人のかわいらしさを表現してみました。
寒さに強いビオラは、冬でも次々と愛らしい花が咲き、春の訪れとともに花フリルも増してよりゴージャスな雰囲気になります。開花期間も長いので、その美しさを長期間楽しめるのもポイントです。
写真のようにコンテナいっぱいに植える際は、花の可憐さを目立たせるため、ある程度、葉の部分をカットしてから植え付けるのがおすすめ(バスケットのアレンジメント参照)。
ただし、やり過ぎは禁物。葉は成長するための光合成に重要だからです。
育てかたは、半日以上直射日光の当たる屋外に置き、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料も月一回程度でOK。咲き終わった花は、花首のすぐ下をハサミでカットして、花がら摘みを行えば、さらに花を長く楽しむことができます。
ポップなイエローカラーの寄せ植えで
元気をプレゼント
最後にご紹介するのは、白いブリキ缶のコンテナにプリムラ・ジュリアンのイエローが映える色鮮やかな寄せ植え。プリムラ・ジュリアンは、冬から春にかけての花が少ない時期でも、写真のイエローをはじめ、赤、ピンク、紫などカラフルな花を咲かせるため、彩りが欲しいときに重宝します。
ブーケのように密集して咲く花も可憐でかわいらしく、人気の高い植物です。
今回はそのプリムラ・ジュリアンをセンターに配置、サイドには株分けをしたヘルクリサムを植えました。あえて数を絞り、シンプルに仕上げることで、より個性が引き立たせる作戦です。
さらにリボンやハート型のピックなどをセットすれば、ギフト感がアッブ。
寒さ吹き飛ぶようなイエローカラーの寄せ植えで、元気のおすそわけを。
(文・原口りう子 写真・松永直子)
ガーデニングデザイン:
有川宗子(ありかわ もとこ)
東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。
株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。