HAPPY GARDEN DIARY

2015.11.11

秋植えて春まで楽しめる
ロングライフ・コンテナ

年に一度、華麗な花を咲かせる球根植物。特に春の開花に向け、今の時期に植えておきたいのが、チューリップやクロッカス、スイセンなどの秋植え球根です。生長して花が咲くまでの間は耐寒性に優れたパンジーやビオラなどを寄せ植えすれば、植え替えなしで約半年もの長い期間で美しい花を楽しむことができます。

 

 

翌年の春咲くチューリップは

秋に球根を植えつけ

 

一般的な生け花やフラワーアレンジメントに比べ、長期間、植物を楽しめるのがガーデニングの魅力のひとつ。

そのなかでも植え替えせずに何ヶ月も楽しめるものを、ロングライフ・コンテナと呼びますが、

今月紹介する球根の植えつけと寄せ植えを同時に行うスタイルはまさにその代表選手です。

 

秋植えの球根が生長して、美しい花を咲かせるのは春。その間、花がないのは寂しいので、寒さに強い花や植物を一緒に寄せ植えして、秋から春までより長い期間楽しもうというものです。今回選んだ球根はチューリップ。その上にパンジーやビオラ、ネメシアなど、寒さに強い草花を選んで、寄せ植えにしました。

 

 

(写真左・左奥から時計まわりに)ストック、 ネメシア、パンジー2種、ビオラ2種 (写真右・左から)へデラ、カルーナ、エリカホワイトデライト

(写真左・左奥から時計まわりに)ストック、 ネメシア、パンジー2種、ビオラ2種
(写真右・左から)へデラ、カルーナ、エリカホワイトデライト

 

 

球根はチューリップを使用。花が咲くのは来年の4月ごろ。

球根はチューリップを使用。花が咲くのは来年の4月ごろ。

 

 

 

まずは、鉢底をふさぐようにネットを敷き、その上に鉢底石をひと並べした後、培養土を入れます。

球根を植えるときは、生長した花がどのくらいの高さになるかを考慮して、深さを決定。植えた球根の上から4〜5センチほど(浅い鉢であれば1〜2センチでOK)土をかぶせます。さらにその上に寄せ植えをつくる場合は根が入るスペースも必要となるので、土入れの配分がポイントになります。

 

今回使用したのは、直径30センチの10号鉢で、このチューリップは30〜40センチほどの高さになるため、鉢の半分くらいまで土を入れて球根を植えました。鉢の真ん中から背の高いチューリップがのぞくイメージです。

 

そして球根を植える際のポイントをもうひとつ。芽が出るとがった部分を上にすることです。

また、向きを同じにして植えると、生長した後、葉の方向が揃ってキレイです。

 

 

今回はセンターに3つの球根を配置。 秋植えの球根は育ちが遅いので、間隔は狭め。

今回はセンターに3つの球根を配置。
秋植えの球根は育ちが遅いので、間隔は狭め。

 

 

 

球根をセットして、土をかぶせたら、あとは上のスペースに寒さに強い花や植物を寄せ植えします。

冬の花の定番といえば、ビオラやパンジー。品種が多く、手にはいりやすいのも魅力です。

さらに、今回は存在感のある大鉢に植えるため、そのボリュームに負けないよう、ストックやカリーナなど、少し背の高い植物をプラスして、賑やかな冬の庭を表現しました。これら背の高い植物から配置し、手前にビオラなどの小さい花を全体のバランスを見ながら植えていきます。

 

 

背の高い植物から植えると全体のバランスが調整しやすい。 この下の土の中には春咲きを待つ、チューリップが隠れている。

背の高い植物から植えると全体のバランスが調整しやすい。
この下の土の中には春咲きを待つ、チューリップが隠れている。

 

 

 

春になると真ん中からチューリップが伸びてくるため、そこに根がはらないよう、他の植物は中心を避けて植えるのも大切。花や葉の多いパンジーなどは、土が見える部分をその華やかさでカバーすることもできるので、こうした隙き間植えにも便利です。

最後に、前に垂らすようなイメージで、へデラを植えて完成。

水やりは一般的な寄せ植え同様、土の表面が乾いたら与える、を基本にすればOK です。

 

球根の花が育つまでは、冬の花の寄せ植えを楽しみつつ、

春になったら生長したチューリップが花を咲かせて、また違った表情に。

花が咲く時期になったら、その様子を紹介したいと思いますので、お楽しみに!

 

 

 

秋〜冬のベランダを

鮮やかに彩るプリムラの寄せ植え

 

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次に紹介するのは、初心者もチャレンジしやすいコンパクトなロングライフ・コンテナ。

主役はプリムラです。プリムラは厳しい寒さにも強い宿根草。花は秋口から長いものは初夏まで咲き続け、まさに長期間楽しむのにうってつけの代表花。品種も多いので、好みやイメージにあわせて選ぶとよいでしょう。

 

今回は白いコンテナに似合う、明るいピンクと紫のプリムラをメインに、株分けしたコクリュウをリボンに見立ててアクセントにしました。両脇に植えた白のアルテナンテラは、プリムラの華やかさを中和させ、白いコンテナとの一体感を演出。このように白い葉や花をもつ植物は、どんな花とも相性がよいので、何かものたりないな、というときにプラスする植物としてもおすすめです。

 

小さめのコンテナは、たくさんの種類の花を植えるのではなく、数を絞って植えるのもポイント。コクリュウのような葉ものを効果的に使ってリズミカルな表情に仕上げてください。

 

 

(左から)コクリュウ、プリムラ2種、アルテナンテラ。 紫のプリムラとアルテナンテラは2株ずつ使用。

(左から)コクリュウ、プリムラ2種、アルテナンテラ。
紫のプリムラとアルテナンテラは2株ずつ使用。

 

 

 

冬の定番植物

ビオラで作るプチガーデン

 

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最後に紹介するのは、同じく花期の長いビオラの寄せ植え。

コンテナは2番目と同じ形・サイズで、色違いのものを使いました。

 

プリムラ同様、秋から春まで花開く長咲きが特徴のビオラは、品種によって色もさまざま。

寒さに強いだけでなく、複数品種を組み合わせれば、いろいろな雰囲気を演出できるため、

殺風景になりがちな冬のベランダ・ガーデニングに欠かせない植物です。

今回は そのビオラを3株用意。ひとつはひと株に複数の色の花が咲くミックスの品種です。

 

 

(左から)シロタエギク、ビオラ3種

(左から)シロタエギク、ビオラ3種

 

 

 

色は違っていても花の大きさが似ているため、バランスがとりやすく、初心者の方でも真似しやすいはず。

ただし、それだけでは単調な印象になるため、白い葉のシロタエギクを2株に分けて植え、アクセントに。

ブラウンのコンテナにも映えて、よりビオラをかわいらしく見せる効果もあります。

 

(文・原口りう子 写真・松永直子)

 

 

ガーデニングデザイン:

有川宗子(ありかわ もとこ)

東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。

株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。

http://3films.com/garden/

 

 

 

 

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