HAPPY GARDEN DIARY
夏を楽しむ
華やかガーデニング
季節は梅雨から夏へ。今月はそんな狭間の季節に彩りを添えるハンギングバスケットとカラーリーフの寄せ植えを紹介します。
ハンギングバスケットでつくる
フラワーボウル
まずご紹介するのは、根鉢付きの苗を壁掛け式の容器に植えこんだハンギングバスケット。
プランターや鉢に植える寄せ植えが地面やスタンドに“置いて”飾るのに対し、
ハンギングバスケットは、吊るしたり掛けたりして立体的に空間を飾る寄せ植えスタイル。
目線の高さで楽しむことができ、“空中花壇”とも呼ばれています。
風通しのよい場所に飾れるハンギングバスケットは、暑い季節でも蒸れにくいだけでなく、
風を受けて揺れる姿が涼しげ。生きた植物を植えるため、日々成長する様子を楽しめますし、
テラスやベランダに飾れ、マンションガーデニングにもおすすめです。
今回は、初心者でも挑戦しやすいよう、専用のハンギングバスケットを使用。
一般の寄せ植えとは少し植えかたが違うので、プロセスを順に説明していきます。
専用のハンギングバスケットとは、写真のようなもの。グリーンのプラスチック製バスケットに、スリット(切れ目)入りのスポンジがセットされていて、内側に貼ってから使います。
今回のバスケットは3リットルタイプで、使用する苗は6〜10株が目安です。
花苗は、夏の暑さに強く、次々と花を咲かせるニチニチソウやペチュニアを中心に選びました。
グリーンは、吊るした時に印象的なシュガーバイン、リシマキアなどのつる性植物や、乾燥に強いセダム、タイムをプラスしています。
材料がそろったら、早速植えていきますが、その前に、糊がついたスポンジ面に土をかけ、葉や茎に粘着面がつかないようにします。同時にこうしておくことで、スリットの間から苗を通すとき、根や茎のいたみも防げます。
次に鉢の中、の1/3ほどまで土を入れます。通常の寄せ植えは最初に鉢底石を敷きますが、夏は土が乾きやすいので、あえて入れる必要はありません。
ここから苗の植えつけに入ります。側面を上下2段に見立て、下段から植えていきます。
ポットから出した苗の土を軽く落とした後、外側から内側へ、スポンジのスリットに根を通すようにセットします。
同様にして、ほかの苗も植えていきます。下の段の花はできるだけ上向きになるよう、また掛けたときに下に流れを作るイメージで、つる性植物は垂らすよう意識して。
夏は成長が早いので、それを考慮し、あまり詰め過ぎず、少し余裕を持たせてレイアウトすることも大切です。
下の段の苗をすべてセットし終えたら、上から土を入れて、苗をしっかりと固定します。
次に上段の植えつけ。上段は下と同じように側面から植えてもいいのですが、今回はあえて、
上のスペースはあけたままにし、通常の鉢植えのように上から苗を植えました。
上に植えたメネシアは枝が長く、たくさんの花を咲かせてボリュームがあるので、長さを生かして垂らすように植えると、側面上部が隠れて、ちょうどいいバランスになります。
それぞれの植物の成長分もあるので、この段階では、少しスポンジがのぞく程度でOKです。
メネシアを植え終わったら、最後に見えている土を隠すように、水苔を敷きます。
夏の間は土が乾きやすいだけでなく、ハンギングバスケットの場合、上下から水が蒸発するので、その予防策としてこの“水苔カバー”が必須なのです。
最後に実際に掛けて全体的な形を見ながら、調整していきます。
隣どうしの花や葉を絡めさせるようにすると、自然な印象になるだけでなく、間のスポンジも隠せます。
今回は、花をボウル状になるようふんわりまとめ、グリーンは外に飛び出すように動きをつけました。
空間を立体的に飾るハンギングバスケット。
日々の成長と変化も楽しめる爽やかかつ華やかな演出が、夏の暑さも忘れさせてくれそうです。