FLOWER WARDROBE
秋の収穫を祝い感謝して飾る
紅葉カラーのテーブルアレンジメント
そんな幸せな空間や雰囲気づくりに欠かせない季節のフラワーアレンジメントと、楽しみのコツを恵泉フラワースクールの講師、園田瑞穂さんに教えていただきます。
Flower arrangement by Mizuho SONODA
Photographs by Naoko MATSUNAGA
大胆に配した麦の存在感を
色づいた花々が引き立てる
10月もいよいよ今日で終わり。ようやく本格的な秋に突入…といったところでしょうか。
秋は収穫のシーズン。アメリカでは11月の第4木曜日を、秋の豊穣を祝う収穫感謝祭(Thanksgiving Day)として祝日にしているほど。そこで今回は、実りの秋をイメージしたアレンジメントをご紹介したいと思います。
アメリカの収穫感謝祭は別名、七面鳥の日(Turkey Day)とも呼ばれ、家族が集まり、七面鳥を食べるというのが定番だそうですが、そんな楽しい食卓のシーンに似合う華やかなテーブルアレンジメントがこちら。
束ねた麦の穂をセンターに大胆に配置、それがまっすぐ上へと伸びるさまに豊作への感謝の思いを重ねています。主役はあくまでこの麦穂ですが、脇を固める花や葉、実を季節とリンクする紅葉色カラーに統一することで、秋という季節をより強く意識させるスタイルに仕上げました。
全体的にあまり詰めすぎず、適度な空間を持たせたレイアウトにして、ナチュラルに。今季ファッションのトレンドカラーでもあるバーガンディのスプレーギクが全体のアクセントになるとともに、色づきの季節を実感させてくれます。直線的に配した麦の穂とこれらの花々のコントラストが絶妙で、まるで立体絵画のよう。
日本ではあまりなじみのない収穫感謝祭ですが、深まりゆく秋を感じながら、こんなアレンジメントでテーブルを飾るのも素敵です。
★Flower Material
麦/クルメゲイトウ/スプレーギク/ノイバラの実/ベニスモモ/ヒぺリカム/レザーファン
★How to Make
浅めの鉢皿にオアシスをセット。最初にシナマイで束ねた麦穂を挿してセンターを決め、周りに紅葉を意識した色の花や葉、実などをバランスよく挿していきます。
野菜と花が互いに引き立て合う
カントリー調のバスケットスタイル
秋は、食べ物もおいしいシーズン。夏の太陽からたっぷり栄養を受けて育った野菜や果物が、食べごろを迎えます。このアレンジメントは、メイン同様、収穫をテーマにしたものですが、ゴロゴロとした大きめ野菜と一緒に秋の花々をバスケットにいけることで、また違った印象になり、フラワーアレンジメントの奥深さや面白さを感じていただけるのではないかと思います。
野菜や果物は大きめのものを使っていますので、それに負けないくらい大ぶりの花材を選ぶのがポイント。素朴なイメージなので、バラのようなエレガントな花でなく、強さを感じさせるダリアや黄金色のアマランサスなどをセレクト、色は秋の収穫物と同系色でまとめています。
あまり空間を作らず、タイトな感じでまとめること、また全体的に秋らしいあたたかみのあるオレンジやブラウン系の色の花材を選ぶことで、それぞれの素材の存在感や季節感、収穫の豊かさを表現しました。
常温で保存できる野菜や果物も、このように季節の花と一緒にバスケットに入れることでイメージ一新。キッチンでも秋の訪れを感じることができます。
★Flower Material
ダリア/スプレーギク/セダム/アマランサス/ヒペリカム/ベニスモモ/レザーファン ※ほかに、ジャガイモ、タマネギ、リンゴを使用
★How to Make
カゴはふたつのパートに分割。花のアレンジメントはバスケットが隠れる位の高さの器にオアシスをセットして、花を挿していきます。野菜はバスケットから少しはみ出るくらいの高さに盛って、立体感を演出。少ないときは詰め物をして底上げを。