FLOWER WARDROBE
新生活に彩りと元気をチャージする
春のアレンジメント・バリエーション
オレンジやピンクを中心とした
春カラーで華やぎを表現
あっという間に3月も終盤、4月からは、新たな一歩を踏み出すという方も多いことでしょう。まずは、そんな新年度のスタートにぴったりのアレンジメントから紹介したいと思います。
このアレンジメントではリビングやゲストを迎える玄関に飾るシーンをイメージし、花材もひとつひとつが大ぶりで、存在感のある花をセレクトしました。そのなかでセンターを飾るのは、オレンジのラナンキュラス。薄い花びらが幾重にも重なった姿が美しいこの花を中心として、色のグラデーションを楽しむようにピーチ・ピンクや赤の花を配置。葉ものは極力少なめにし、グリーンのアクセントには全体を明るく仕上げるハイライトとしてビバーナムを用い、エレガントな高貴さを感じるデザインに仕上げています。
また、春の花々は茎が美しいものが多いので、そのラインを飛び出すように見せることで、軽やかさを表現するのもポイント。
空間を明るく華やかな雰囲気にしてくれる可憐なアレンジメントは、白いワイヤー・バスケットとも相性抜群。春のお祝い花としても喜ばれそうです。
Flower Material
チューリップ(ロココ/ノルマンディ/クリスマスエキゾティック)/ビバーナム/クリスマスローズ/スイトピー
/ラナンキュラス/ユーカリ(ポポラス)/ファッツへデラ/ハゴロモジャスミンのツル
イースター・エッグから飛び出した
ファンタジックフラワー
キリスト教における春のお祝いイベントと言えば、復活祭(イースター)。
復活祭は、十字架にかけられたイエス・キリストが三日目に復活したことを記念する日で、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と定められています。
2番目に紹介するのは、そんなイースターをイメージしたアレンジメント。
卵を色鮮やかに飾りつけた“イースター・エッグ”から発想した卵型の花器は、周りをグリーンや白のリボンをあしらったハンドメイド。花瓶タイプには、イースターカラーである黄色のスイセンとムルチコーレ、さらに紫色のヒヤシンスとムスカリをセレクトして、春の息吹を感じる元気さと可愛らしいイメージに。壁掛けタイプは黄色と白のカラーでまとめたプリザーブドフラワーを溢れ出すようにアレンジしました。
テーブルやコーナー置きする場合は、写真のように“イースターバニー”のミニチュアなどを並べて飾るとより楽しい雰囲気となり、ファンタジーの世界が広がります。
Flower Material
【フレッシュフラワー】ヒヤシンス/パンジー/スイセン(テタテート)/ムスカリ/ムルチコーレ【プリザーブドブラワー】バラ/ラグラス/イモーテル/ムタンバナッツ/ストーベ/アジサイ/レモンリーフ
春のナチュラルガーデンが
スワッグに変身!
今月最後のアレンジメントは、春のナチュラルガーデンをイメージしたスワッグ。
スワッグは主にドア飾りや壁掛けにする花綱デザインのアレンジメントで、最近はクリスマスやお正月のリース代わりに飾る家庭も増えています。
今回のスワッグは“春の贈りもの”をテーマに、春の庭に咲く花々や葉をリズミカルにレイアウト。テラコッタの植木鉢やジョウロなど、ガーデニングツールのミニチュアを元気よく飛び出すように飾り、春の息吹やウキウキした気持ちを感じるナチュラルテイストのスワッグを完成させました。
ちなみにセンターに見えるのは、カゴのハンドル。実はコレ、楕円のカゴに施したアレンジメントの向きを変えるイメージで、壁飾りに見立てたもの。見る位置や角度を変えることにより、別のスタイルに変化する好例で、発想の豊かさと遊び心を感じさせるアレンジメントです。
Flower Material
スズラン/リナリア/スイセン/カレンデュラ/ミモザ/ピットスポラム/ローズマリー/アイビー/ラミューム
/マサキ/セージ/アイランドモス/
(文・原口りう子 写真・松永直子)
フラワーアレンジメント:恵泉フラワースクール
松井美保
恵泉女学園短期大学園芸生活科卒業。アメリカ、オハイオ州ヒクソンズフローラルデザインスクール終了後、ニューヨークのフローリストにて1年間研修。帰国後、恵泉フラワースクールの講師、その間イギリスのゲイル・デリックフラワーズでも学び、現在も講師として多方面で活躍中。
神尾朝子
恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業後、都内の大手フラワーショップに勤務。その後、恵泉フラワースクールで助手を務め、講師に。ビル・ヒクソン氏(アメリカ)、ゲイル・デリック氏(イギリス・元コンスタンス・スプライ校長)に師事。花や葉のシルエットや色合わせにこだわったアレンジメントを得意とする。
http://engei-center.keisen.jp/