デザインインフォメーション

2013.10.07

吉岡徳仁が創造する結晶美の世界
初の大規模個展「クリスタライズ」

デザイン、アート、建築など幅広い領域にわたって自由な着想と実験的な創作から作品を生み出し、世界に最も影響を与えるつくり手の一人として、国内外で高く評価される吉岡徳仁氏。公立美術館では初の大規模な個展が、10月3日より東京都現代美術館で3ヵ月以上にわたって開催。「吉岡徳仁―クリスタライズ」は、ぜひとも訪れたい展覧会だ。

 

自然から生み出されるエネルギーを結晶化

静謐でありながら力強い作品群を一堂に公開

 

多岐にわたってジャンルを横断しながら、見る者に新鮮な驚きを与え続ける、吉岡徳仁氏。彼の現時点での考えや方向性が分かる個展「吉岡徳仁―クリスタライズ」が開催されている。

 

本展覧会のメインとなる地階の会場では、新作を含む作品が展開される。来場者はまず、『トルネード』というインスタレーションに出迎えられる。

 

透明ストローを積むことで、竜巻のようなうねりをもった造形が生み出され、会場の雰囲気は一変。空間の奥行や方向に対する感覚がずらされていくのを感じるだろう。

奥に佇むのは、『ウォーターブロック』というガラスの塊のベンチ。水の塊による彫刻のような、透明で力強い存在感が伝わってくる。

 

次に進むと聞こえてくるのは、「白鳥の湖」の楽曲(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲)。展示室の真ん中に大きな水槽があり、壁面には白く輝く結晶が絵画として飾られている。

 

これらの『結晶絵画』は、水槽の中で自然結晶をさせることで生まれる造形によるもの。曲の振動によって、自然結晶の形状が変化するという。

 

同じ過程で生み出された結晶の彫刻『ローズ』も続いて展示。バラが結晶化した姿は静かな力をたたえている。ほのかに現れている色は、バラがもっていた色が現れたものだという。

 

さらに奥には、7本の糸から生み出された椅子『蜘蛛の糸』とそのプロセスを展示。フレーム内に張られた糸に結晶を育てることでつくられた、椅子の彫刻である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の展示室で待ち受ける『トルネード』と『ウォーターブロック』のインスタレーション。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透明ストローを積むことで、竜巻のようなうねりをもった造形が生み出される(*)。

 

 

 

水槽の中で自然結晶を成長させることで生み出される結晶絵画『白鳥の湖』。曲の振動によって、自然結晶の形状が変化するという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じように繊維が結晶化する過程で生み出された結晶彫刻『ローズ』も展示。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フレーム内に張られた7本の糸に結晶を育てることで生み出した椅子の彫刻『蜘蛛の糸』。

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