デザインインフォメーション
世界最大級の家具国際見本市
ミラノサローネ2018 速報
ミラノサローネ国際家具見本市が4月17日から22日までの6日間、イタリア・ミラノに隣接するRho(ロー)市の見本市会場で開催された。57回目となる今年は、約21万㎡ある会場内に188か国から2500社以上が出展。22日に発表された主催者側の報告によると、入場者はこれまでの最高となる昨年比26%アップの43万4509人を記録。低迷するヨーロッパ経済の景気回復への兆しと見てもいいかもしれない。
デザイン都市ミラノで開催される
家具とライフスタイルの世界規模の見本市
東京ビックサイトの3倍ほどある会場で繰り広げられるブースの混雑度は想像以上で、1日や2日で見て回れる規模のものでもなく、ミラノの集客力のパワーを改めて感じさせられた。
見本市と同時に市内で繰り広げられるミラノデザインウイークもおおいに賑わいを見せた。恒例化しつつある日本を代表する企業の展示も見どころの一つとして注目されるところだ。旭硝子(AGC)、SONY、Psnasonic、 Lexus などの中からいくつか紹介してみよう。
トルトーナ地区に8年ぶりに出展したSONYは”Hidden Senses”(隠された感覚)をテーマに、当たり前の日常と非日常な感覚を五感に訴え、近未来のインテリアやライフスタイルをそれぞれの体験コーナーを設置して提案していた。
創業100年となるPanasonicはブレラ地区の国立ブレラ絵画館のパティオ内に出展。空調、映像、音響、照明技術をフージョンしたインスタレーションを設置した。
解かりにくいがメーカー側の資料によると、空気を浄化するデバイス技術と、高圧の圧縮空気を用いて水を微細化する「シルキーファインミスト」を組み合わせて、「ミラノの街中で最も美しく澄んだ空間」の創出を目指すといったものだ。
サローネの期間中にミラノを訪れるのは100万人と推定されている。本来は家具を中心にしたトレードビジネスの場ではあろう。
しかし、家具デザイナーや建築家、あらゆる分野でのクリエーターたちの出会いの場所であり、新作家具が云々ということばかりではない。繰り広げられるイベントと街の賑わいある熱気と興奮を感じ取りながら、近未来のデザインを模索することに参加する意義を見いだせるような気がしてならない。
(写真・文:武藤聖一/フォトジャーナリスト、在ストックホルム)
ミラノサローネ国際家具見本市
Salone del Mobile. Milano
会期:2018年4月17日(火)~4月22日(日)
会場:Rho-fiera Milano (イタリア・ミラノ)