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2012.09.03

同潤会青山アパートメントに魅せられ
展示イベント『Re1920記憶』を開催

古い建物の魅力を伝え、活用方法を探り続けているユニークな企画集団『Re1920記憶』。「リノベーション」、「1920年代」、「同潤会アパートメント」――この3つをテーマにした展示イベント『Re1920記憶』in東京が、9月17日まで開催されている。『Re1920記憶』は一級建築士のいしまるあきこさんが主宰する企画集団。女子ひとりでリノベーションに取り組む「リノベ女子」としても活動する、いしまるあきこさんにお話をうかがった。

 

 

 

 

出発点は同潤会青山アパートメントに注目した

展示イベント『同潤会記憶アパートメント』

 

都市の集合住宅の先駆けとして名声を博した同潤会青山アパートメント。2003年に解体され、2006年、青山アパートの跡地には表参道ヒルズが完成した。すっかり表参道の風景に馴染み、いまでは同潤会のアパートがあったことさえ知らない人も増えてきている。

 

かつて表参道のシンボルだった同潤会青山アパートメントに魅せられ、展示イベントを続けてきたのが、『Re1920記憶』を主宰する一級建築士のいしまるあきこさんだ。

 

青山アパートメントの解体が決まった当時、いしまるさんは『同潤会記憶アパートメント』というイベントを行った。原動力になったのは「多くの人が愛着を感じてきたこの建物には、築80年近い歴史があるという以外にもさまざまな魅力があったはず」という想いだった。

 

いしまるさんが展示イベント『Re1920記憶』について語る。

 

「『同潤会記憶アパートメント』の前に保存活動を考える団体に入っていて、部外者が簡単に“残してください”と言うのは簡単だけれど、それは無責任じゃないか、と思うようになりました。古い建物は、夏は暑いし、冬は寒いし、暮らすには過酷な環境です。ツタがからまった外観を見て趣があると言うけど、根が食い込んだ壁はボロボロになっている」

 

「以来続けてきた展示では、“残したい”とか“もったいない”という発信はあえてしないようにしました。わたしたちが感じた同潤会アパートメントのよさを作品にして、見てもらうことに徹したんです。作品からは、必ず伝わるものがあるはずですから」

 

今回の『Re1920記憶』は、2002年にスタートした『同潤会記憶アパートメント』の発展形ともいえるイベントだ。「リノベーション」、「1920年代」、「同潤会アパートメント」。この3つのキーワードで、古い建物の魅力を伝え、活用方法を探る展示イベントとして、北九州や福岡を巡回した。来年には大阪でも開催することになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2003年に解体された同潤会青山アパートメントの在りし日の姿。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

室内から眺められた表参道のケヤキ並木が今は懐かしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主宰者のいしまるあきこさん(右)と展示者のひとり浅井久子さん(左)。

 

 

 

 

 

 

 

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