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2013.08.05

個人コレクターの果たす役割を考える
「アートあれば Ⅱ」展が開催中

最近、アートコレクションを趣味の一つとして楽しむ人や、部屋のインテリアとしてアートを飾りたいという人が増えている。そうした作品の選び方や、購入についてのサンプルとなるような展覧会が開催されている。「アートあれば Ⅱ」展は、9人の個人コレクターの作品を鑑賞しながら、コレクションする理由や意義を考えるいい機会となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

T.S. collection

小沢剛《醤油画(ロイ・リキテンシュタイン)》

2012

courtesy of MISA SHIN GALLERY

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A.K. collection

細江英公《抱擁 #28》

1970

courtesy of TOKI-NO-WASUREMONO

 

 

 

独自の基準と視点で選ばれたアート作品から

9人のコレクターの審美眼と感性を知ることができる

 

個人が所有するアート作品は、コレクターのプライベートな活動でもあり、コレクターごとにまとめて公開される機会はそれほど多くはない。その意味で、今回の「アートがあれば Ⅱ・9人のコレクターによる個人コレクションの場合」は、とても興味深い展覧会だ。

 

展覧会で紹介されている9人の個人コレクターのアート作品は、それぞれ独自の基準と視点で選ばれているのが特徴。コレクターのオリジナリティや、主観が反映されていて、その人にとってのかけがえのないアートの魅力を知るいい機会ともいえる。

 

展示作品は現代美術が目立つが、写真、映像、オブジェ、インスタレーションなど多彩。国内外の著名アーティストから新進気鋭のアーティストまで、さまざまな魅力を感じる作品が並ぶ。コレクターの審美眼と感性で選ばれた作品群は全部で206点。充分に見応えがあり、9人の部屋を訪問するような気分で満足できる。

 

実は2004年に1回目の「アートがあれば」展が開催されている。当時、注目を集め始めていた個人コレクションにスポットを当て、広がりつつあるアートシーンやコレクター像、アートの魅力を探った経緯がある。

 

その後、約10年たって、アートを購入することが一般的になり、コレクターの数も増えてきた。次世代ともいえる新たな9人のコレクターたちは、部屋に置けないような巨大な作品や、アーティストの考えや行動を作品化した作品など、所有することが難しいと感じるものもコレクションしている。

 

どうしてこの作品を購入したのか、どういう基準でこのアーティストを選ぶのか。そうした疑問に対して、今回の展覧会では、コレクションするためのヒントを見つけることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S.M. collection (One Piece Club)

八木良太《VINYL》

2006

(C)YAGI Lyota

courtesy of MUJIN-TO Production

photo: FUKUNAGA Kazuo

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9名の個人コレクター所蔵の貴重な作品に出会える見応えのある展示会場。

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